富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-05-19

五月十九日(月)雨。四川大震災より一週間。中国は本日より三日間挙国同哀。香港含む各地で午後2時28分から三分間の黙祷。中国で初めて国民の犠牲に半旗掲げられる。犠牲者に哀悼は当然だが多くの国民が天安門広場なので「中国加油、中国加油加油加油!加加油!」とシュプレヒコールで泣きながら拳を揚げ義勇軍行進曲(国歌)を「起来、起来、起来!」と歌ふ態、「天災三分、人災三分」の災害が911の米国同様に愛国心の大規模な国民運動に転化した感あり。災害での救援やボランティアの活動に敬意表しつつ阪神淡路地震田中康夫のボランティアは罹災者に少しでも真つ当な生活を!が目的(それだけ)でナショナリズムの国民運動とは縁遠きものだつたことの重要性。テロや自然災害に遭ひ、まるで国家がなければ生きていけぬといふやうな認識に陥ることの誤謬(実はUNでも国際救助組織でもサンダーバードでもいいのだが)。この大震災に関する論評多きなかFT紙に掲載のMichael Fullilove氏による“Chinese diaspora carries a torch for old country”は必読。
▼信報で崔小明氏が今回の四川大震災についていくつか指摘。先づ今回の地震成都の被害者が1.2千人=都市人口の0.01%に済んだことの幸ひ。もしこの地震成都や人口3千万人の重慶に直撃したらどうなつてゐたか。また地震発生が午後であつたことの幸ひ。関東大震災が昼前で煮炊の火で各地で大火となつたこと、或いは神戸が寝込み襲はれ家屋倒壊の被害の大きさなど思へば納得。三つ目として汶川は四川省のアバ蔵族羌族自治区とはいへ東南部の羌族地区が震源地に近く蔵族(チベット族)多き北部の被害聞くに及ばず、もしチベット族に被害多かれば中央政府が全力で救援したにせよ三一四的なる反政府行為が発生してもをかしくない、と(これは偏見?)。最後にこの震災の一週間前にミャンマーのハリケーン被害あり、災害情報の未公開や外国援助受入れぬことの負の影響を北京中央に「以人為本」と教へた幸ひ。

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