十二月卅日(日)昨晩はさすがに疲れて熟睡のはずが午前四時頃に目覚めてしまひ週刊文春など読んでゐるうちに朝刊配達され(朝日新聞の衛星版の配達は五時すぎ)朝となる。外出するとロクなことがない気がし、香港IDもないし、で本日は蟄居の身。自室でいろいろ済ますがyoutubeで枝雀師匠や中島らもさんの落語など見始めたら、あつといふ間に燈刻。毎週日曜晩は香港電台製作(翡翠台で放送)の傑出華人系列をやつてゐるが今晩は香港大学学長の徐立之教授。遺伝子疫学の権威でトロント大学教授からの転任。1950年の上海生まれ、で香港に渡り何文田官立中学から中文大学に進み生物学専攻。その後、遺伝性疾患の研究と治療ではカナダでかなり著名、と確かに傑出した人物。ただ李嘉誠、画家の朱徳群に続くと、ちよつと徐立之教授は……といふ感じもあり。徐立之といへば香港大学で李嘉誠の億単位での医学部への寄付に対して医学院の院名に「李嘉誠」と冠をつけることに医学部関係者らが猛烈に反対。徐立之と対峙。韮と豚肉の鍋。
▼全人代常委が昨日「2017年の行政長官選、それ以降の立法会選で全面的な普通選挙実施」と決定。自称政治家・文革曽(行政長官)はこれを受け2017年の長官選挙、立法会の普選実施は2020年を目指すと表明。基本法に当初謳はれし2007年が過ぎ2012年の実施目指した民主派の反発は必至。この「遅滞」、なぜに生じたかと言へば天安門事件を基因とする香港の反政府感も当初の青写真では香港が経済的安定持続できれば返還後10年もすれば反感も多少解消するはずが建華九年の治世は民心が乖離し更に親中派御用政党民建聯の腑甲斐のなさで政治的不安定続く。「香港的には」普通選挙実施がいつたい何がいけないのか「わかんなーゐ!」のは民主派ばかりか實は親中派とて本音は一緒。ただ「北京的には」現状で香港といふ「一地方自治体」での民主派の躍進が国内で(多少なりとも)政府に対し土地徴用や役人の腐敗などに対して「物申す」市民を勢ひづけることになつては面倒。北京中央にしてみれば江澤民の云ふところのnaiveな民主派、そして独り立ちできぬ民建聯ら御用政党、そのいづれもへの苛立ち。今回のこの全人代常委の普選遅延決定も「反民主的」と云へばそれまで、だがその決定の当日に北京から全人代常委副秘書長・喬暁陽(港澳特別行政区基本法委員会主任)らが香港に遣られ中央政府の決定を紹介し理解求めただけでも「一党独裁国家の政府が」と思へば、大阪程度の規模の一地方自治体の「自治」について弁へてゐるか、の表れ鴨。それにしても、この普選遅延の措置が董建華に非ず「所詮リリーフ」のはずの文革曽のもとで確定とは……自称政治家の小役人のはずが、まさに政治家か。
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