富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-12-09

十二月九日(日)十時間くらゐ寝て起きて少し体力復活。でも気だるい。一昨晩は銅鑼湾の太湖海鮮城、昨晩が湾仔六國ホテルの粤軒と二日宴会続きで、この年になると胃腸も弱り、調子は芳しからず。本日、沙田競馬場で年に一度の香港国際レース日(国際G1)。それでも今日はテレビ観戦か、と一瞬思つたが旧知の方々も来てゐるし年に一度のことで気持ち持ち直し出かけることにする。直接、沙田の競馬場に行けばいいのだがレープロ売り切れが気になる。最近は重賞レース開催日のレープロ売り切れもまづないだらう、と思ふのだが(2001年のステイゴールドエイシンプレストンアグネスデジタルの日本馬三勝の時のレープロ売り切れがどうもトラウマになつてゐてゐる)、やはり競馬場で売り切れだとどうしやうもないので(馬主席などでゲットの裏技もあるにはあるが)確実なところは場外(指定数ヶ所)で予め購入(しかも前日)。昨日はその時間もなかつたので今朝、場外に寄ることにする。で中環へ。どうせなら中環の場外でレープロを購ひ、ついでにFCCに寄り午前中からジントニックBloody Maryでも飲んで、クラブハウスサンドヰッチを折り詰にでも誂へ、それをもつて競馬場なんてのも快適か、と思つた次第。それが中環の場外にレープロ売つてをらず。売り切れなのか届いてゐないのか、も釈然とせぬが、場外の職員にとつては「公式レープロなんて買ふ奇特な人もゐるのね」程度の感覚なので埒開かず。ジントニック飲みつつサンドヰッチの折り詰を待つ予定が急な展開で慌てて沙田競馬場へ。快晴。心地よい、と言ひたいが朦霧で第三コーナーあたりは靄の向かう。で本日のあたしの成績は
第1競走(芝1200、クラス3)2番人気のDouble Luck(Prebble騎手)に賭けるが無印のSoumillon騎手のFever Pitch(13倍、5番人気)が1着。
第2競走(芝1400、クラス1)補欠から出場となつたSlow Waltz(Coetzee騎手、Size厩舎)が5.5倍の2番人気で辛うじて3着に入りワイドと複勝を得る。
第3競走(芝1200、クラス2)7番人気のKindacross(徐君禮騎手)が115磅の斤量で更に見習ひで7磅減に期待したがレース引張り「このまま!」と叫んだが最後の直線で落第しどん尻。Whyte騎手が1番人気のHigh Pointで香港通算947勝の最多記録達成。
第4競走(香港スプリント、国際G1)国際スプリントはもう香港馬の独壇場。1.4倍でダントツの1番人気、Sacred Kingdom(Mosse騎手)が手堅く2-1/4馬身差で優勝。3番人気でも10倍のAbsolute Championに賭け2着に入り、3着のRoyal Delightも押へてゐたが知己の馬主W氏のSunny Sing軸にしたら、これがブービーで馬券にならず。
第5競走(香港ヴァース、国際G1)何といつても凱旋門賞Dylan Thomas(Murtagh騎手)が1.7倍で、当然のやうにこれから流すが7着。仏馬のDoctor Dino(Peslier騎手)が優勝。
第6競走(芝1800、クラス3)擦りもせず。どうしよう。
第7競走(香港マイル、国際G1)日本のコンゴーリキシオーも参戦。香港馬のGood Ba Baはアタシは個人的には国際G1クラスではない、と思ふがマトモな敵もをらず3.8倍の1番人気できちんと勝ち、それは頭でいひのだがDettori騎手のCreachadoirなるUAE馬が7番人気で2着に入つては馬券にならぬ。
手持ち資金も半減どころかかなり負債となり始め「やつぱり来なければよかつた」気分。だが、
第8競走(香港カップ、国際G1)1.3倍で1番人気のViva Pataca(Kinane騎手)がそのまま勝つては面白くない、と7頭だてのこの競争で、単勝は4.8倍で2番人気のURE馬のRamonti(Dettori騎手)として、この2頭を1、2着の軸に99倍で最低人気の仏蘭西牝馬Mucical Way(Thomas騎手)と田中勝春騎手のシャドウゲイトを脚に。絵に描いたやうな展開で、1着がRamontiで2着にViva Pataca、3着がMusical Wayで単勝、三連複、しかも三連単はわづか4点買ひで配当はHK$1,067と1000ドル馬券的中。神様、仏様、デットーリ様。
調子に乗ると怖いもので
第9競走(芝1600、クラス1)は先ほどは参敗した馬主W氏のSunny King(Beadman騎手)が2.0倍でダントツの1番人気。これを軸に堅く55倍の三連単を当て馬主W氏夫妻の喜びをライカに収め、口取りにも誘はれる光栄。馬券だけ買つて帰つた第10競走(芝1400、クラス3)も単勝こそ外したが2〜4番人気の3頭ボックス買ひで三連単を当ててしまひ、1番人気馬が外れたことで三連単の配当は161倍とまた1000ドル馬券。
……と香港国際レースでの勝ちも恥づかしながら今回も初めてなら配当は堅いとはいへ三連単を三連続的中とは我ながらツキすぎに驚き。結果論だがもし、この3レースの三連単を一括りにして買つてゐたら95.5万倍で配当は955万ドル(1.43億円!)だつたとは……。まぁ絶対に買へないが。いづれにせよ、この大当たりは怖い。アタシは配当金を転がすほど勇気もないので、さつそくモノに換へてしまはう、とまづ考へたのはライカのレンズ。だがノクチを買ふには足りず、「多少暗めのレンズがほしい」なんて逆の意味での贅沢で最近発売の新型ズマリットの35mmもよからう。ZeissのMマウントでビオゴンも欲しい……が香港はZeissのレンズは日本よりかなり高値で損。ライカM8も日本ではユーロ高なんて理由に89万円だが香港では3万ドル台でかなりお得だが、さすがにそこまで配当は得てをらず。いづれにせよ、あまりカメラも使つてゐないのにレンズ揃へてどうする、だいたい大当たりの運を独り占めしようとしたら、何か事故が起きさう、誰かに施すべき、とBrooks BrothersでZ嬢にカーディガン一枚……とは我ながらセコゐ。湾仔のWatson's Wine Cellorで今晩お食事ご一緒する長野のT氏、斎藤さん、入江さん、三年ぶりのTさんと待ち合はせ。彼らのお泊まりがこのワイン屋から歩いて1分なので昨日のうちに今晩飲む葡萄酒を選んでおいていただく。最終3レースの三連単的中ならKrugくらひご馳走してもらはうか?と言はれるが、まぁ、そこは6本!のワイン代で勘弁してください、の世界。湾仔のMTR站でZ嬢、最近競馬にご一緒の機会多いO君含む計11名と合流。杭州酒家。その6本のワイン、銘柄書いたメモ何処かに紛失で詳細は斎藤さんのブログを待つ、として入江さん持参のRoc de Cambesの04年まで7本飲み切り。Roc de Cambesは美味いし競馬好きで飲むためのやうな葡萄酒。料理もワインに合ふやうに揃へていただきありがたいかぎり。歓談尽きず。また来春のQE II Cupかこの国際レースでの再会を祈る。
▼本日の香港国際レースはキャセイパシフィック航空が提供。会員席に新しい客室の展示あり。機内で提供のワインやシャンパンのお振舞ひもあり。Yクラスはまぁまぁこんなもの。Cクラスはフラットシートだ、オットマンもあり誰かと向かひ合はせでも歓談可、といふが、アタシは精神的に狭いと思ふ。実際に坐つてみるとけつこう幅もあるのだが、なんか窮屈。これまでの(アジア近距離用を除く)Cクラスシートのはうが好き。Fクラスはキャセイの今回のFがシンガポール航空ならせいぜいCクラス並み。ちよつと格差が広がつた感じ。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/