農暦九月朔日。福田康夫君のメールマガジン。
福田康夫です。あっという間の1週間でした。
本会議での代表質問から始まり、予算委員会での質疑と、連日、国会審議での答弁の日々を送っています。
私が答弁している姿について、皆さんから「棒読み」や「早口で聞きにくい」といったご意見をいただきました。一つ一つの質問に丁寧にお答えしようと一生懸命でしたが、国民の皆さんにご理解いただくことが何よりも大切。今後、できるだけ気をつけて、分かりやすく答弁していきたいと思います。
……とメールマガジンぢたいが面白くない(笑)。まぁお笑い芸人に非ず、きちんと仕事だけしてくれればいいのだが。
▼蘋果日報の四コマ漫画。大いに笑う。アンソン陳方安生が「民主の女神」の如く「進め! 民主を勝ち取る人々よ」と市民の先頭に果敢に立つ。が倒れて「みんな、民主が実現する日まで頑張って」と励ましはしたが「アタシももしハイヒールの靴の踵が折れなければ頑張れたのに」と。絶妙。
▼文藝春秋十一月号で保坂正康「瀬島龍三 昭和の参謀ついに死す」読む。昭和十六年十二月初旬、ルーズベルト大統領から昭和天皇に当てた親書が大本営通信課での外国電報差し止め、配送遅延に関して瀬島少佐が十五時間遅らせるよう指示、ということに始まり、昭和十九年台湾沖では日本軍戦果の報告誇大と疑問もった情報将校の電報を瀬島が握りつぶした結果、レイテ決戦の戦略変わり日本軍玉砕に至った経緯、戦後のソ連との停戦交渉で日本軍捕虜による労役提供など含む合意内容……等々。瀬島龍三亡きあと残るはモスクワにある関東軍文書への期待のみ、か。中共のもつ文書はさらに出てこまい。
▼昨日、草間スタジオのF嬢がA君に尋ねた草間彌生の魅力につきA君の語ったこと。何よりも草間彌生の芸術には師匠がおらぬこと。彼女自身のまさに創造。そして今日に至るまで制作活動に集中する情熱。しかも水玉であるとか南瓜であるとかひじょうにシンプルなもので見る人に訴えかける、強い印象与える、そのパワー。この3つが草間彌生の魅力である、と。御意。その草間彌生女史が今回、香港での展示にあたり香港へのメッセージ。(以下、テキスト)
夢の中からあらわれてきた私の巨大カボチャ 大好き
さみしいときもうれいいときも いつもわたしをはげましてくれる
大きな大きな心をもって
無限に宇宙の果てまでも
「愛は常しえ」とカボチャは語りかけている。
ハーバーシティへこのカボチャを見に来てくださったみなさん
戦争や不幸やテロはやめて、みんな仲良く平和にくらしていきたい
カボチャはあなたにそうおしえている
みんなもこのカボチャにかたりかけて欲しい。
そしてたからかに人生を美しくうたいあげてね。
私もみなさんと一緒に幸い多い前途を祝福してゆこう
私の志しとあなたの志しと一緒になって
人生の歌を歌おう
そして毎日毎日をいきいきと芸術的に生き抜いていこうね
人生ばんさい 草間彌生 2007
▼昨日の行政長官Sir Donaldによる施政方針演説あり。所得税余剰額での税率が17%から15%に軽減。恭事。政府財政黒字で驚くのは教育支出大盤振舞い。来年9月より中学四年以上(日本でいう高校)が学費免除。ちなみに神奈川県が年額で115千円なり。小学校では1学級の定員を現行の30名から25名に。香港というと午前校・午後校の二部制で学校不足の印象ばかり強いが大したもの。ところで不愉快は「国民教育の徹底」をSir Donald宣ひ各校で国旗掲揚と掲揚隊組織を奨励。
▼経済学者は面白い。本日の信報、林行止専欄。「気温上昇で虫害、山火事増え木材価格上昇」について。数年前、林行止夫妻、シアトルに経済学の奇才・張五常教授を訪ねし時の話(って張五常が偽骨董品販売と脱税の罪逃れようと脱米、国際指名手配される以前の話だが)、シアトル郊外の山中に遊ぶと張五常教授が森林の中の一角を指し「これが自分の投資なんだ」と教えられ張五常が植林事業投資で少なからず利益上げていることを知った、という話から始め、最近の木材価格上昇は表徴は世界各地での山火事頻発、更に燃え続き鎮火にかかる時間の延び。米国では1980年代末の二、三年の山火事の件数が1970〜87年の実に四倍という報告あり。火事の面積は6.5倍。山火事が大火となる要因は明らかに地球温暖化。雪解けが早く雨期も短く充分な降雨もなく山の乾燥する期間が長くなる。燃えやすいし虫が巣くうに易し。Mountain Pine Beetleなる虫は温暖化で冬眠すら忘れ寿命延び繁殖旺盛なる始末。山林の害虫被害は当然増大。木材減産で価格上昇。……と感心しながら読んでいたが、こんな話、江戸の大火事で木曽の木材買い占めた紀文の話の如し、か。
富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/