富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-10-10

十月十日(水)農暦で八月も晦日となればさすがに初秋の如し。午後遅く香港中央図書館の講演廳にて草間彌生の藝術に関するセミナー開催あり。昨日に続きあらためてカボチャの冠り物の可愛い草間彌生の香港へのメッセージ拝聴。草間スタジオからF嬢が草間の世界紹介。香港藝術中心館長のAlex許日銓君とCraig歐陽應霽君が草間彌生について語りあう。期待通りの面白さ。Alex君の公共空間と公衆空間の定義、公共空間にある屋外藝術作品の面白さ、すでに使われておらぬ波止場にオブジェが置かれることで芸術となる空間論など興趣深い話あり。M嬢の秀逸なる通訳でのQ&A。セミナー終わり草間スタジオのF嬢をAlex君が芸術中心に誘い、それに同行。早晩、F嬢と湾仔のDelaney'sにギネス麦酒飲む。晩に北角。寿司加藤にてバンコクから来港のY氏と食事。ミャンマー軍政について。東南アジアで優位にある華僑資本が海外逃亡してしまったのがミャンマーの特異性。そこで軍が経済まで独占する体制に。それに中国が背後にある、と思えばそう易々と現体制の崩壊はあるまひ。
▼水戸で日曜日の晩に何か美味いものを、と難題を月本さんに与えられ……日曜日のそれも晩ぢゃ蕎麦も壊滅的であるし、で那珂市の「鰻の東條」をお勧めした。ただしあくまで自動車での移動で常磐自動車道の那珂インターそば、であるから。それが何と月本夫妻、水戸からローカルな水郡線で後台という無人駅から歩いて……とは脱帽(こちら)。だが大変満足していただけたようで何より。水戸芸術館から、なら水郡線に乗らずとも芸術館から歩いて5分くらいのところバス停(みずほ銀行水戸支店角)から「太田馬場」「上菅谷」行きというバスがあったのに……と思ったが茨城交通に問い合わたところ平日で一日七、八本のみの運行とは。昔は一時間に四本くらい走っていたはず。それにしても月本さんが笠松運動場(県立総合運動施設)訪れての指摘通り常磐線の東海駅と隣の佐和駅の施設規模の格差には驚くばかり。東海村、豊潤な原発関係の補助金あり。インフラ投資の充実は言うに及ばず、35年前に確か小学校の全教室にカラーテレビ配置だったか。冷房導入もかなり早い。笠松運動公園は1974年の田中角栄的な土建「国体」開催地で、月本さん関心もったスタジアム正面の像(画像借用)はアタシもこの彫塑家が誰だったか記憶になくネットでも確認のしようがなく笠松運動公園に電話で尋ねると木内克(きうちよし)氏。水戸出身で朝倉文夫に師事。この女神像は国体開催に合わせ制作。当時82歳。1977年に逝去。享年85歳と思えば、この女神像は遺作といえるのかも。当時、アタシは親友のJ君、A君らと国体で何よりの楽しみは原武史的だが「ホンモノの天皇を生で見られる」こと。昭和天皇をナマで見て、小学校の講堂(体育館)の壇上で昭和帝のその口調を真似てパロディの訓話などして遊んでいたもの。懐かしいかぎり。その後私ら悪友三人組は八百宗教信仰会なる怪しげな新興宗教団体を小学校内で立ち上げたのだった(小学5〜6年の二年間で散会してしまったが)。

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