富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-05-24

農歴四月初八。佛誕。昼まで寄席で高座に上がる。昼に旺角。昼に何か食そうと思い花園街の樂園牛肉丸大王に向っている自分に気付く。旺角で一人で気軽な食肆を本当に此処しか知らず。困ったもの。でカメラ店覗いた道すがら通菜街の香格里拉という雲南米線店に食す。ファーストフード的だがそれなりに美味。香港だから「これで並」だが東京にでも店を出したら行列が出来る、だろう。ジムで筋力運動と有酸素運動各一時間。夕方、佐敦を散策。本日は沙田競馬場で重賞(地場G3)で沙田ヴァース(芝1,200m)あり。デビューから負けなし五連勝のSACRED KINGDOMが圧倒的人気(1.6倍)。これに対抗できるのはMEDIC POWERくらいかしら、で2.6倍。久々にじっくり予想してこのSACRED KINGDOMを軸に三連複で脚に4頭選ぶ。結果、MEDIC POWERが1分7秒7の沙田の1200mの新記録で一着。なんと単勝99倍(以上)の最低人気のMY CHOICEが三着に食い込み、あたしはこれをなんと脚の4頭に入れている! で、5頭選んで1〜4着見事に的中、「久々に高額配当いただいた!」と喜びも束の間、おいおい、軸にしたSACRED KINGDOMが四着だ。最低。三連複で5頭のボックス買いならHK$100で一頭軸馬にしたところでHK$60だから、わずかHK$40の節約しても、と結果ではそう思うがSACRED KINGDOMが三着入賞せぬ、とは思いもせず……。最低人気のMY CHOICEを調教の時計だけを根拠に選んでいただけに悔しい思い。三連複でHK$4,237もついてるじゃないの。それにしてもSACRED KINGDOMとMEDIC POWERの二頭は久々に楽しみなライバル戦にしばらく期待できそう。オリエンタルエクスプレスに告魯夫とか、?蝦王(Fairy King Prawn)すら脅かす存在となり得たKingston Treasure(京城之寶)など往年のライバル馬のこと彷彿。帰宅して晩に豚肉と韮の鍋。Z嬢知人より借りた「のだめカンタービレ」テレビドラマをVCDで見る。ドラマ化しても筋どころかセリフ、展開の一つ一つまで原作の漫画と同じで驚くほど。昨年10〜12月のフジテレビ製作のドラマをそのまま録画してCMだけ省いた完ぺきな海賊版(中国語字幕入り)。ヒロインの「のだめ」役の上野樹里嬢は適役だが千秋先輩役の玉木宏君は如何なものか。ありがちな話だが千秋青年の幼き頃演じる子役(藤田玲央)があまりにクラシック少年らしく玉木氏を喰ってしまった感あり(このテの子役の上出来は映画でいれば『ラストエンペラー』とか『霸王別姫』とか少なくないのは何故かしら)。
▼「のだめ」の漫画など読み(のだめ、は作者のデッサン力で手足の指先までの線の美しさがいい)ふと思い出したが吉田秋生先生の新作「蝉時雨のやむ頃」上梓の由。吉田秋生というとあたしの場合『バナナフィッシュ』で頂点迎えてしまっていたが、この「蝉時雨」もかなりのものらしい。『バナナ』は毛色が違うとしても、こういった日本の市井の若者の暮し描いたことでは、吉田秋生ではあたしの場合『河よりも長くゆるやかに』で終ってしまっていたが。『バナナフィッシュ』といえば、80年代後半から90年代にかけての連載当時はピンとこなかったが、今にして思えばアッシュという魅惑的な主人公の存在は当然として、その対に日本人青年(奥村英二)を置いた、置けてしまったことがとても80年代後半のバブル的状況の象徴であったのではないか、と。奥村英二が作中でトリックスターであるだけならまだしも、主人公たる気難しいアッシュが好感すら抱いてしまうわけで、なぜそれほど奥村青年に魅力があるのかアタシにはわからないが、わからないからこそ(橋本治的なまとめ方になってしまうが)それが強引に出来たのが80年代後半のバブル的状況なのだ、と思った次第。
▼安倍三世がメールマガジンで「教育は人なり」と宣う。当然の如く教育関連法案の改定成就について。
子どもたちのモラルや学ぶ意欲の低下が指摘され、いじめや未履修問題が表面化する中で、これらの問題に対し、学校や教育委員会が適切に対応できなかったことは、子どもの命や安全、教育を受ける権利の侵害について責任をもつ国として反省しなければなりません。
で「教育は人なり」で、「すばらしい先生にめぐりあえるかどうか」が大切なのだが
今もいい先生が大勢がんばっています。しかし、中には、人を教えることに向かない、能力が及ばない先生がいることも事実です。時代の変化、技術の進歩が著しい今、一旦教員になったら生涯身分が保障され、各人の適性にかかわらず先生を続けるというやり方で果たしていいのでしょうか。
と、これは正論だが当世の日本の風潮で「排除される」のはいったいどんな教師か。安倍三世は吉田松陰の「人々貴き物の己に存在するを認めんことを要す」など例に出すが、只単に時の政府の(それも、おかしな)方針に従えぬのなら「辞めてください」。これでいいのかしら。あ、いやだ、いやだ。

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