富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-05-11

五月十一日(金)早晩に灣仔。星街の坂を上り廃虚めぐり。ここも近々Hopewellにより大型ホテルなど「再開発」の被害に遭う予定。鬱蒼とした樹木、戦前から手付かずの石垣、多くの猫、薮蚊、犬の糞尿の臭さ。高台の裏道から最近、第二の蘭桂坊化著しき星街に出る。Z嬢と待ち合せで野外のカフェcine citt?で白ワイン飲む。新聞読みながら涼をとる。ジャックダニエルソーダ割で一杯。Z嬢来て、一度試しに、と星街のOlala経営の一碗麺なる麺屋に食す。紅焼牛肉麺がHK$80とは。まぁHK$48なら許せるかな、程度。日本でもせいろが一枚八百円なんて蕎麦屋もあるが店の亭主が精魂込めて打った蕎麦なら、と納得かもしれぬが、この店、オープンキッチンで素人っぽいオバサン二人がさっさ、と「温めるだけ」。茹でた麺もきちんと解されておらず。誰でも調理できる(実際にはそれ以前のお話だが)状態で店員の身だしなみの悪さから作法の鈍さまで「シャキッとしろ!」と喝を入れたくなるほどで、さきほどまで厨房で調理のオバサンがトイレ入口の床をモップで拭いている。これで高級店というのだから呆れるばかり。これでも芸人だのタカピーな客には人気とか。タカピーといえば先ほどのカフェバーで近隣のオフィスに働く株屋、相場師、不動産業者の類いらしき若者ら屋外の店で煙草吸うのはいいが「吸うなら吸うできちんと吸え」と言いたくなるほど中学生のガキの如く煙草蒸かされ煙いのなんの。caff? HABIT?で珈琲飲んでから久々に芸術中心。入口がすっかりアートっぽくなっていて驚きZ嬢に何ヶ月来ていないの?と驚かれる。でタイ映画“Syndromes and a Century”(原作・監督:Apichatpong Weerasethakul)観る。アタシにはバンコク舞台にしたこの「医療機関映画」が何が何なのか、さっぱりわからず。わからぬのだから評しようもなし。晩にやたら喉が渇く。アタシが夜半に喉が渇くのは、だいたい化学調味料のはいった料理を食した時。
http://en.wikipedia.org/wiki/Syndromes_and_a_Century
▼英国首相ブレア君ようやく引退表明。首相就任から数週間後に香港返還で来港。引退にあたり“I may have been wrong... but I did what I thought was right”と宣われる。「間違っていたかもしれない。だが正しいと思ったことををした」では結局反省もなく単なる弁明。これで国政担えるとは能天気な話。
▼最近の社会の「目の敵」といえば白熱灯。例えば今日のSCMP紙の記事によれば10,000時間の使用の場合、60Wの白熱灯は10個要り、消費する電力料金込みでHK$650もかかる。それに対して最近の蛍光灯つかったランプの場合、1個で済み消費電力が低いためランプ1個と電気料金の計はHK$110となる。消費するCO2も480kgと88kgでは、白熱灯はまるで諸悪の根源。だが白熱灯がこの世でいったいどれだけ使われているのか。圧倒的に蛍光灯が多いのだから総量で考えるべき。ちなみにあたしの家には蛍光灯は台所に一本用いられているだけ、であとは白熱灯だのランプばかり。かなり薄暗い照明で本を読む時などみずから灯りに近づく、灯り引き寄せるのが心地よい。

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