富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月十四日(木)毎週木曜朝のお楽しみ小泉三世のメールマガジンももはや「〜に行ってきました」の外遊見聞記ばかり。フィンランドヘルシンキアジア欧州会合なるものに参加したそうだが
日曜日(10日)の昼過ぎから始まった会議の冒頭、私から、テロや核の不拡散、海賊などの国際的な広がりをもつ非人道的な問題に対して、国際社会が一致して取り組むことが必要であると訴えました。
と小泉三世。海賊? 本晩、銅鑼湾の「いろり」にバンコクから来港のY氏、近々広州に引越すO君と食す。鼎談。Y氏先週末も在港で月曜日にバンコクに戻り今日の来港で中2日なら香港にいたほうがよさそうだが実はバンコク〜香港の往復が6,500バーツ(約HK$1,300)で香港に三泊すると思ったらバンコクに戻ったほうが安いしマイレージも稼げる、と。納得。ここ二年近く月例会のように続いた鼎談も、三人でこうして飲むのは恐らくこれが最後かも知れずバーYに飲む。ハイボール二杯。O君とさらにバーSでグレンヴィレット21年のモルト酒飲む。晩に地震あった由。地震がないと言われる香港でも実は年に数回は震度1以下のほとんど誰も気がつかぬ程度の地震あり。だが今晩はM3.5の有感地震。日本料理屋に食しており全く気づかず。日本では震度3程度では話題にもなるまいが高層建築建ち並び耐震構造などあってないような香港ではマンションも47階とか60階に住む人には冗談ぢゃない話。
▼戦前の香港に生まれ育ったN氏より貴重な昭和12年12月の「南京陥落」での在港邦人による祝賀の宴会、その記念写真を見せていただく。写真も貴重ではあるがN氏の回想によれば当時「敵の首都を占領したのだから、日本の大勝利に間違いなく、戦争もこれで終り、内地に引き揚げている級友たちも戻ってくる」と子どもながらに楽観期待した、と。興味深い話。史実は南京陥落は国民党がまさかの開城で日本軍の南京入城を誘導してしまい、国民党軍は首都失うものの軍力としての損失は多からず、それが泥沼化した長期戦へのきっかけとなり、また南京市民も城市陥落というもののまさか入城の日本軍が市民虐殺などするとは思いもせず、の楽観。
▼米国前副大統領でフロリダ疑惑の大統領選挙で落選のゴア氏来港。環境問題の専門家となったゴア氏、香港で開催のAction Blue Skyのフォーラムに参加。政治家が政治経験を生かし様々な社会運動への参画。カーター大統領の平和活動だの首相経験者の大学での教鞭など。日本の政治家の誰に想像できようか。ふと思い出すのは自民党の最リベラルであった宇都宮徳馬氏の軍縮研究所くらい。そのゴア氏破り大統領となり国民の不信を911ですっかり払拭しテロとの闘いで再選されたブッシュは911の五周年で
The war against this enemy is more than a military conflict. It is the decisive ideological struggle of the 21st century, and the calling of our generation. Whatever mistakes have been made in Iraq, the worst mistake would be to think that if we pilled out, the teroorists would leave us alone. They will not leave us alone. They will follow us. The safety of America depends on the outcome of the battle in the street of Baghdad. This struggle has been called a clash of civilisations. In truth, it is a struggle for civilisation. We are fighting to maintain the way of life enjoyed by free nations. And we are fighting for the possibility that good and decent people across the Middle East can raise up societies based on freedom, and tolerance, and personal dignity.
と宣う。なにが「文明のためのテロに対する闘い」だろうか。テロとの非文明的な野蛮な闘いであろうに。