六月九日(金)昼にむかい雨強まり黄色雲から赤雲警報、遂には黒雲警報に至る。大雨。午後天気一旦は快復に向うが昏時復た大雨となり夜半まで落雷暴雨。幼い頃に祖父母の家で夏休みに夕立と雷。縁側でぼんやりと雷雨眺めていると祖母曰く「これで雷が戻ってきて、あと一度またこっちに来たら、もうじき雨も上がるよ」。雷は三度来れば終わる、と言うからね、と。本当に三度目に雷が通ったら雨が上がり夕焼け空。そんな雷に比べると香港は一分間に十数回か稲妻光り雷鳴りっぱなしで雷が近づくだの遠くなるだの言ってはおられず。さすがにずぶ濡れになってまでジムに行く気もせず。鳴雷暴雨のなか自宅の窓から外を眺めているとこうして雨風凌げることに苫屋ながらも家があることだけでも幸せ、などと安堵してしまう。日刊ベリタに天皇が軍国主義の象徴から日本の良識の象徴へとアジアで像の変化について送稿。晩十二時、窓から周囲のマンションをば眺めるといつも以上に灯りのついた家多し。ワールドカップ開幕中継をご覧か。香港での中継は地上波で広東語と英語、ケーブルテレビは英語、広東語に色物解説者での広東語、それに中央電視台は総合の第1台で生中継(普通話)。少なくとも6チャンネルで中継あり。中国で億の単位の視聴者数だろうか。
▼シンガポールにて陛下の発言。
私どもは、それに先立つ先の大戦に際し、貴国においても、尊い命を失い、様々な苦難を受けた人々のあったことを忘れることはできません。
と華僑虐殺など起きた日本軍占領にも触れて
我が国の人々は、この歴史に思いを致し、東南アジア地域の安定と発展、さらには世界の平和と繁栄に貢献すべく力を尽くしてまいりました。
と戦後の日本(すでに過去)への評価。下々の者が日本の歴史の見直しに躍起となるなかで陛下御自らが日本の負の歴史に言及し追悼の意を評す。陛下に向って自虐史観と非難できるだろうか。
▼話題にするのも食傷気味だが巴士阿叔がステーキ連鎖店「?王之王」にて職を得て謂わば人寄せパンダ的に旺角だかの店で愛想よく給仕にあたり話題となるが一昨日だったか店内に暴漢三名押し入り巴士阿叔をば殴る蹴るの暴力沙汰で逃走。巴士阿叔は顔面腫らし病院に運ばれるが昨日マスコミの取材に興奮して「暴漢の背後には四眼仔がいる」と口走り(四眼仔は目が4つある、つまりメガネ、で巴士阿叔にとってはバス内で激怒続けた相手の青年の意)暫くして否定するが(実際にはかつての負債だの金銭トラブルも多く、その関係の暴漢による襲撃という説もあり)青年はこの阿叔への暴行や阿叔の発言に対して「我相信香港有法治」とまた評判あげるような対応見せる。言論による暴漢的な阿叔。若く理性的な青年。阿叔のアイドル化と愛嬌。暴漢。阿叔の動揺と興奮。若者の「自分は香港が法治社会であると信じる」という梁愛詩(元司法長官)に聞かせたいような発言。見事なほど話が展開してゆく。
▼映画 The Da Vinci Code が中国で当局の命令により8日で上映中止。政府系メディアでも上映宣伝しており突然の上映中止は映画内容について天主教徒らの抗議があり放置すれば教徒らが市街で抗議活動など起こすこと懸念か。巨大カルト政府にとって宗教団体は敵どころか同種ゆゑ、その怖さ重々承知。法輪功でさんざん懲りており天主教については愛国教会組織して中国の特色ある天主教目指すが六千万から八千万のキリスト教徒のうち千二百万人が天主教とも言われており、愛国教会が実際に掌握できているのはその半分か三分の二かで、強いバチカン派(というか、これが天主教なのだが)が地下教会化して存続しており、この映画上映で天主教徒に勢いつけさせたくない、とか。反面、実は単に七月朔日が中国共産党結党85周年にあたり多くの党讃美プロパガンダ映画の上映あり。これに上映館をば集中させるために話題作をば排除という見方もあり。