富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-02-13

二月十三日(月)薄曇。晩に尖沙咀に薮用あり独り一平安に長崎ちゃんぽん食す。一平安のあるミラマアーケード、一等地のショッピングセンターで無印良品ユニクロなども入る。が角地のビルの構造がイマイチで内部を歩きづらい。2階のユニクロと3階の無印のある場所で吹き抜けも災いしビルのフロアが断絶され人の流れが滞る。奥のKnutsford Terraceに続く星巴珈琲などある一帯も活かされず。場所がらもっと集客が期待されるところ残念な設計。
▼Int'l Herald Tribune紙に“Cartoons and the flag - Denmark's problem with Muslims”というデンマークの Information なる新聞の米国特派員 Martin Burcharth氏(こちらの記事など面白そう、だが読めぬ……笑)の文章あり。溜飲が下がる思いで読む。ナチスドイツからのユダヤ人の救出を1943年に行ったデンマークは他者との融合を長い伝統にしてきた高度の人道主義の国家であり、540万人の人口のうち20万人がイスラム教徒、而もイスラム教徒は数十年前はかなり希少な存在であった事実。但し過去20年に渡りコペンハーゲンでのモスク建築が赦されないのはデンマークの寛容性とともに民族色の強調を好まないゆえ。西欧国家でキリスト教の印象が強いが日曜礼拝に行くのが国民の3%に満たぬほどデンマーク人の宗教への淡泊さ。そのデンマークの価値観が今回のイスラムによる一コママンガへの非難に遭い、これまで国家を宗教からできるかぎり乖離させてきたデンマークの国旗の白色の十字をばキリスト教の十字架に見立てるようなナショナリズムデンマークでも意識されたという。今ではまるでデンマークの国旗が世界中で宗教蔑視のシンボルの如く見られること筆者は嘆く。
イスラム教徒はデンマークの右翼紙の預言者ムハマンドに対する侮辱に怒ったわけだが例えば、それが日本で皇室の場合はどうか。SCMP紙の2月11日に掲載された“Household gods pray for survival”という記事(Julian Ryall記者)。ほぼ紙面の横幅大で天皇陛下妃殿下はじめ皇太子殿下妃殿下、秋篠宮など皇室の宮様方の余りに醜悪なお姿がイラストで描かれる(Terry Pontikos画)。これだけで「恐れ多くもわが皇室を」となるのかどうか。この醜悪画も英国ならBBCのチャンネル4にてエリザベス女王チャールズ皇太子が人形劇で登場し馬から堕ちたりに視聴者笑うが。記事は秀明大学教授のマークス寿子男爵夫人が“The biggest contributing factor to the problems that they now find themselves in is Prime Minister Junichiro Koizumi's desire to go down in history”とか“Questions have been raised in the past about the future of the monarchy... but it has really come to the fore since Mr Koizumi declared thta he wanted to change the law”とズバリ指摘、その上さすがマークス男爵夫人、皇太子殿下も秋篠宮も20年以上お知り合いだし殊に皇太子殿下には殿下のオックスフォード大学ご留学中に頻繁にお会いしているそうで“The two princes don't like each other at all. They are very different characters; Akishino loves to meet people, is always joking, but is not particularly clever. And, of course, there are the reports that he had a girlfriend in Thailand, where he has spent a lot of time studying marine biology. Although those rumours seem to have died down in the last four or five years.”と「そこまで言うか?」の言いたい放題。ナマズ殿下と言われた当時のタイでの「ご研究」はクラビのDusit系リゾートホテルにまでHis Imperial Highness Prince Akishinoがお泊まりの際のお写真あり。それにしても“but is not particularly clever”とは不敬の極み。言っていいことと悪いことがあろう。で弟宮への直言に対して皇太子殿下にはどうかといえばマークス男爵夫人は“His old brother(秋篠宮の兄)was always a 'nice boy' who spoke very properly and had everything that he did praised. But he has this image of a 'goody-goody' who can do no wrong, and that seems to be the cause of the friction between the two men”と事実だが手厳しい。また秋篠宮家での11年ぶりの妃殿下ご懐妊についても“I was joking last week when I said the agency(宮内庁)might steal a baby, but this news will be a huge relief for them”と宣い皇室については“They have very little money of their own and are dependant on the state, they have no jobs and nothing to do with themselves all day long, they have absolutely no freedom and the younger generations of Japanese people simply don't understand who they are or what hey are meant to be doing”とこれは男爵夫人の言い過ぎ。この男爵夫人は著書も言いたい放題の説教で有名だが。皇室の財産なり、陛下ともなれば話は別だが皇族方であれば「お寛ぎ」にいろいろ策もあり全く不自由ともいえず(某皇族の殿下が某国大使公邸へ伺われ、その裏口から赤坂方面へお忍びでお出かけなど)。日本の若い世代でも皇族に誰がおり皇族がどういった社会的活動しているかなど知らぬとは言い切れぬ。そもそも皇族が“no jobs”とは失礼千萬にも程があろうが。
▼信報の文化欄に勁翔なる人の「北海道的両種雪」という随筆あり。秀逸、と思ったのはここ数日、また蘋果日報にて蔡瀾氏の随筆で自ら主宰するグルメツアーの宣伝が続き北海道の雪祭りの話などに「うんざり」だったため。よくも随筆でここまで自らの商売の宣伝ができるものだとただただ呆れるが行列のできるレストランとて「主人と懇意だからすぐにテーブルが用意されるのだ〜」などと平気で書く厚顔ぶりの蔡瀾氏は何を言われたところで「もう年寄りの耄碌だから何を言われても平気なのだ〜」でほとんどバカボンパパ。
▼母に頼まれ歌舞伎の切符をネットで取れば驚いたのは今月の下旬の歌舞伎座もまだ空席あり。昼の部は高麗屋の直実、播磨屋の幡随長兵衛、夜もお玉さんと菊之助道成寺音羽屋まで出ても。今でも一等席の「とちり」の真ん中などが容易に入手可。勘三郎の襲名でのあの大入りが嘘のよう。松竹的にはつまり勘三郎ほどの襲名を維持すること。となると将来の海老蔵團十郎襲名しかないわけで闘病中の当代が白鴎の如く名跡を譲り海老蔵君が襲うことも松竹的には想定内、か。母の話では勘三郎襲名で元・勘九郎君は彼の芸道も含んでの意味で義父にあたる「神谷町シフト」著しいそうで、神谷町にしてみれば息子・福助歌右衛門襲名を成し遂げ神谷町興隆実現が狙い目か。
▼昨日のStandard Chartered 香港マラソン。フルマラソンの部での制限時間5時間での完走率は67%と聞く。高温と大気汚染甚だしく10kmとハーフ合わせ参加者の4,800名余が走行中に足を吊ったり気分悪くしたりで医療隊の世話になり病院に22名が運ばれ内2名が危篤。1名は危篤から回復したがもう1名は、偶然にもこの人が青馬大橋から汀九橋に曲がるところで卒倒した直後に居合わせ出場者の中で医者だろうか心臓マッサージなど応急措置続けるが救急隊の到着の早さや、その後の警察の白バイが先行しての緊急輸送の物々しさ、気管支疾患が持病の50代男性で心臓停止から蘇生したものの脳死だと聞く。スタートに応援に現れた自称政治家Sir Donaldも事態重く受け止め大気汚染と来年の香港マラソンの規模拡大と実施環境の調査を緊急に求める。何人か参加して制限時間にゴールできず、の知人の話を聞けば新聞にも報道あったが35kmすぎの西海底トンネル入口付近で、此処の通過制限時間で閉められてしまいかなりの数のランナーがここで強制リタイア。警察による封鎖は確かに所定の時間通りだが5千人の参加でスタートから後方のランナーはスタートに数分要するわけで制限時間5時間といっても実際には5時間10分くらいまでは猶予あり。でこの35kmも7、8分の猶予あって良し。実際に5時間の制限時間ぎりぎりでゴールを目指す熟練のランナーにとっては数分の差が重要。この封鎖にかなり強烈に抗議もあったが警察の封鎖は解けずの無念。その結果が67%の完走にかなり影響あり。ところで折り返しで走りながら暇なので数えていたがマラソンは先頭から25位までがケニアなどロイク選手が続いていた。ケニアにとってマラソンは外貨獲得の一大産業だろうか。
河北新報より。仙台の市長梅原某の伝統賛美めずらしく真っ当な方向に発揮されるは旧町名の復活。伊達の藩制時代から伝わる元鍛冶町、表小路などの旧町名へ住所表記を戻す案。だがその一方で理解できぬのはJR長町駅東側(約44万平方米)につき長町、郡山、諏訪町といった町名統合を予定しており、而もその新町名が「あすと長町」なる下品ぶり。「あすと」は長町開発の地名募集にあった「明日都」なる知力低き命名に英語の「私たち」の“us”の掛け合わせだとか。バカである。名古屋の田舎空港か水戸の「シャンデロード水戸」に勝るとも劣らず。仙台市当局はこの「あすと」については住民との協議で決定の経緯あり旧町名復活の動きとは別にこれは白紙には戻せぬ、と。こんなところだけは市民の声を聞いてとは嗤わせられる。