農暦六月十八日。大暑。朝六時起床。気温廿六度で窓から入る風が涼しいと思える朝。気分は乗鞍高原か。七時近くとなり本格的に朝日が差し始めるともう要冷気。天気予報は曇りだが陽光明るくけして酷暑といふ程にあらず。ニコンのD70Sを携え裏山から大潭に入る。英軍の対日軍戦の野営場跡はよく手入れされた花壇。ふだんは疾風の如く颯爽と走つてばかりで(といふことに)大潭ダムの歴史案内の看板など初めてじつくりと読む。このダムは着工が千八百八十年代。香港島のヴィクトリア市の住民の飲料水と生活用水確保のために建設。ここから地下水道、灣仔の寶雲道(Bowen Road)を通り中環界隈に水を供給。云われてみれば今ではジョギングや散歩道として有名だがなぜ寶雲道が古くから石橋など渡しかなり整備されているのか納得。第二期工事が千九百二十年代に竣工し現在のダムの規模となり豊かな水源はヴィクトリア市東部、現在の北角以東の市街地に給水可能とし市街地拡張に多大な影響を与える、と。納得。この上水塘のダムは築百年で現在補強工事中。中水塘のダムは放水の美しさ。涼風心地よし。大潭道まで出てミニバスで赤柱。赤柱より6番バスで午後市街に戻る。山間の木陰や車中どこだかの古書市で入手の小林よしのり『ゴー宣』1、2巻読む。著者の怒りや主張は「発端として」ところどころ納得するところもあるのだが。灣仔。一瞬、この週末に開催中の夏恒例の「書展」香港ブックフェア訪れようかと思つが想像絶する人出が灣仔會議展覧中心に向かつており断念。遅い昼食に餃子でも食そうかと北京餃子皇に参れば午後二時半で満席。近くの普段は混まぬ麺屋まで盛況。全て書展の客。猛暑にセブンイレブンで冷たい物求める客まで店外まで長蛇の列。アナーキストで立法会議員の梁國雄君の「街宣車」と遭遇。Quarry Bayまで来て太平街市で食材調達。礼記でラスカ食す。帰宅。晩に所属のランニングクラブで夏恒例の蛍狩りあり太古のMTR站に集合し康柏カントリートレイルに入り蛍を愛でる。七月下旬だといふのに蛍は幼虫ばかり多し。すでに盛り過ぎたのか大雨たたり未だ蛍も育たぬのか。二更に太古坊迄下り総勢でタイオーキッドなるタイ料理屋で晩餐。かなり久々に人多く集まる会合に参加。早目に辞す。胃腸調子悪しく早寝。
▼東京で直下型の地震あり震度五。古代であれば改暦か遷都にて祓ふところ都知事を迭えるも可なり。