八月四日(水)朝そこそこ晴れ。午後曇り。夕方から晴れるが晩に驟雨と賑やかな天気。『月は無慈悲な』少し読み夕方灣仔より銅鑼灣に遊ぶ。灣仔の新中華刀剪廠にてZwillingの旅行携帯用の調爪セット購ふ。なぜ爪の手入れに旅行用が必要なのか、と疑問に思ひもするのは旅行終ってから爪の手入れなどすれば好し旅行中など爪切り一つあれば良かろうものをと思うが旅行中だからこそ急がしからぬ時間があり貴重な晩餐があり、だからこそ爪の手入れの時間もあればその必要もありと余も老いて漸く理解。晩にZ嬢のリュック購入につきリュック選定につき合ふ。北角の寿司加藤。中トロと小鰭が美味。食後に八海山の極上酒勧めらお言葉に甘える。美味。
▼HSBCの今年上半期の純益がUS$63億4600万とか。この旧来は香港上海匯豐銀行がHSBCをば正式名称にして地方色払拭し世界銀行化して十年にも至らずこの一人勝ち。噂に断えぬは日本の金融機関の買収で、UFJ銀行が三菱になるのか三井住友になるのかで結局は膠着状態になれば下手するとHSBCがUFJ買収の漁夫の利をば得ることも可能性として小さくもなし。昨日の信報社説はこの業績発表受けて香港では経済甦生の楽観広まるがHSBC今や世界有数の国際銀行であり実際に香港の営業での純益など二割余で安易な楽観に根拠なし、と指摘。
▼日本でいえばJRの西瓜カードだが香港の全公共交通機関にて利用可なばかりかコンビニなど小口現金の代替にも普及したオクトパスカード。旅行者対象にHK$70の使い捨てカード発行。その理由は現行のカードではHK$100のうちHK$50が利用のデポジットで残りHK$50がカードのコストとされているが実際にはカードの製作にHK$30かかる。つまり観光客など数日の利用で例えばHK$30だけの利用の場合にHK$50は未使用で返金され残りHK$50は交通機関会社の利益となる筈がHK$30がカード製作のコストとした場合に実際に利用できるのはHK$20の筈がHK$30乗られてしまうとHK$10の損。こうしたカード運営のコストがかかるにも係らず毎月20万枚のカードが返却され減収が事実。実際にはカード製作、管理及び公共交通機関会社への運賃分支払いなど考慮するとHK$600使われてようやく採算分岐点。それ以下でのカード利用と返金では損益となるそうな。
▼築地のH君が歌舞伎の福助と林真理子の対談読めば福助の息子の児太郎が十代そこそこだそうだが大和屋に芝居教わる修行中だそうで大和屋と添寝とか。それを福助が語れば林真理子もいい話と感動してみせ、この梨園の話のじつに芸道らしき様、これも芸の肥しか。これも成駒屋といふ東都の女形の家としてはゆくゆくは児太郎に八代目歌右衛門を継がせるための英才教育か。福助、本気かもしれません、とH君。対談によれば福助は児太郎であった少年時代歌舞伎が嫌いで仕方なかったが高校時代に歌右衛門の道成寺を見て電撃が走り高校を中退して役者に専心することを決意。それに対して父(芝翫)は高校くらいは出た方がと消極的だったが叔父の大成駒(歌右衛門)に挨拶に行けば一言「児太郎を名乗ってる以上、当然でしょうね」と。福助(児太郎)はその叔父の言葉に小さいときからもっと本気で勉強しておけばよかったと後悔したかもとH君。それと対照的に兄の橋之助は小さい時分から役者小僧。中学出て役者稼業一筋。芸道で芝居成就すれば学歴など要らず。
▼多摩のD君によれば西多摩市で住基ネット集団訴訟あり(こちら)。住基ネットの住民票コードが人格権やプライバシー侵害に当たるとして西東京市民約100人が同市を相手取り提訴。国や都道府県に住基ネットの運用差し止めなどを求める訴訟は全国各地であれど市町村に慰謝料を請求する大規模な訴訟は初。香港は香港IDの強制あり。プライバシーなど実際にはないようなもの。この番号一つで本人の所得から勤務先、納税状況から居住権の詳細、図書の貸出し、指紋まで情報入手可。恐ろしき時代なり。