富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月卅日(日)快晴。朝六時に起きZ嬢とタクシーにて北角でT君夫妻、H姐拾いホンハム站よりKCRにて大埔墟。摂氏十四度と寒波到来。冬。尖沙咀天文台が摂氏十四度であるから大埔は十二度くらいか。N君夫妻、N兄、I君合流し新界タクシーで今月二日にハーフ走った大尾督より新娘潭。八時。新娘潭の瀑布より烏蛟騰(Wu Kau Tang)の新屋村の外れより200mほど一気に上り馬頭峰、船湾淡水湖の絶景、此処から船湾の湖をぐるりと時計回りに東に横嶺(Wang Leng)の尾根を歩き鹿湖同、南に巡って赤門海峡、白沙頭より水塘の堤防を歩き夕方大尾督に戻る。距離は20kmほどだが馬頭峰より標高で50mほどの上り下りが幾度も続き殊に鹿湖同よりの南下は標高差激しい上り下り、ガレ場多く楽とは言えず。大埔墟まで戻り大明里の江東鶏飯店。鹽局鶏が馳名、確かに美味。KCRでホンハム站、バスで帰宅。さすがに疲労甚だし。
▼我が国の国産ロケットH2Aの6号機打上げ失敗し発射より十分余で爆破処理。99年のH2型8号機の事故を最後に我が国の宇宙航空技術の威信をかけ順調に進んだかに見えた計画が坐礁し倭学地の宇宙技術への信頼大きく揺るがす……と事故は事故でいいのだが石原慎太郎君、シナの有人飛行成功を日本の技術力すれば容易と宣ったが、打上げの際の補助ロケットの分離すら失敗とは。かういふ失態があるのだからクダらぬ国威などがためにシナであろうが朝鮮であろうが罵倒する勿れ。
自衛隊イラク派遣について元防衛研究所所長、教育訓練局長歴任の小池清彦氏(新潟県加茂市長)が述べる(朝日)。イラクの現状はゲリラ戦であり武装部隊である自衛隊派遣すれば当然狙われれば応戦すれば必然的に海外派兵となり憲法違反。小泉三世は戦場の何たるか理解できず、イラク特措法は正規軍の戦いのみ戦闘行為と定義(つまり対イラク軍との戦闘行為さえなければ自衛隊派遣可という解釈)、対ゲリラ戦は戦闘行為に当らずイラク全土が非戦闘地域という解釈だが、これは戦時国際法上の概念とも全く異なり現代の戦争の多くが不正規軍とのゲリラ戦であると思えば、この特措法の解釈なら世界中どこにでも自衛隊派遣が可。ゆえにこの特措法ぢたいが違憲自衛隊自衛隊法が「わが国の平和と独立を守る」と明記するように祖国防衛でありイラク派遣は自衛隊の使命に非ず隊員雇用との契約違反。イラク派遣など最高司令官たる首相として最低の態度。このような文民統制では文民統制の意味もなくなり民主主義国家にとって由々しき事態も懸念される。現行の憲法があり9条があることで戦後の日本は朝鮮、ベトナム湾岸戦争に参戦せずに済み、日本人がこの憲法有することで世界中から平和を愛するとして敬愛された。平和憲法は日本の宝であり、海外に派兵せぬことこそ先の大戦で亡くなった英霊が一番望むこと。……と小池氏。力強く平和憲法の維持と海外派兵阻止を主張するのが自衛隊の元幹部とは。政治家において自民党ではハト派すら駆逐され護憲勢力など風前の灯火、改憲が当然のように認識され戦後日本の箍をば外すパンドラの函が開けられようとする時代の怖ろしさに文民どもは何も気がついておらず。