富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月廿五日(火)快晴。夕方、金鐘のアイランドシャングリラホテルの車寄せ通れば並々ならぬ警備ぶり。早晩に日系某銀行の総支配人交代パーティあり行政長官董建華君一昨日の区議会選挙の与党敗北でマスコミの前に余り姿呈したくなきところこの某銀行のパーティには来賓として出席とか。日本人相手ならきな臭き話もなく社交に徹するも可か、それにしても董建華君のご来臨にはまだ早く何かと思えば大型リムジン到着し足早にホテルに入るは中国銀行幹部クラスと見覚えある御仁。テロ対策か余りの物々しき警備ぶりに唖然とするばかり。香港大学博物館にて「香港早期娼妓場所」なる資料展明日より開幕にて本日開幕パーティあり同博物館のH君に招かれ参加。数多くの写真、資料は中環にて骨董商営むC氏の蒐集品にてH君に紹介されC氏にご挨拶。日本語も多少解すC氏に戦前の日本婦人娼妓について尋ねるがC氏も灣仔春園街界隈に日系妓館いくつかあったことしか御存知なく具体的な資料等は蒐集されておらず。ましてや大正の頃には中環の擺花街の貸席の存在など御存知の由もなし。本晩は展示開幕にてC氏ご多忙につき資料等もあり日をあらためて拝借したきご面談乞ふ。H君と歓談暫し。展示される資料写真の多くは当時の市街写真にて具体的な娼館の中だの商売ぶりの写真に非ず。具体的には数名の娼妓の今でいふプロマイドある程度。余も香港の暮し長くなり古い写真など目にする機会も多かれば展示される二十年代より四十年代の市街写真見てもどの通りのどの付近りにて其処には何某という料理屋だの百貨店ありと察するほど詳しくもなりぬ。開幕パーティゆえ三鞭酒とまでは贅沢は言わぬがせめて白葡萄酒と軽食のお振舞い程度あるかと期待せしが軽食あったが酒どころかオレンジジュースとミネラルウォーターのみ。さすがに辞退し懐かしき香港大からミッドレベルを歩く。かつて八年ほど居住せし界隈も今にしても思へば活動には至極便利ながら自動車の往来激しく、但し一歩路地を入れば昔ながらの古き町並と鬱葱と茂る古木の匿す階段道あり午後七時すぎといふのに人影もまばらにて乱歩的世界。かなり久々に九記にてカレー味の牛南麺食す。相変わらずの客入りに奥に空席見つけ腰掛けると写真撮影家のK嬢に挨拶される。日本の雑誌だかの取材とか。香港大の展覧会の案内状差し上げる。パーティのお帰りにも一人軽くお食事?と笑われるが此々云々と訳を説明。擺花街にて一憇し帰宅。昨日より風邪ひき生薑湯、カップの底に蜜と生薑残りブランデー注ぎ一飲。
▼台湾の陳水扁総統、訪台中の前経済産業相平沼赳夫君にGLAYの台湾公演実現に協力求める(朝日)。GLAYといへば昨年余が北京マラソンのハーフに参加の翌週、北京にてコンサート開催し、それに先立つ夏の訪中にて国家首席江沢民君とも会見し身分不相応にも握手。で次は台湾。なぜGLAYが中台問題にこうも関わるのか。日本は正統なる外交工作からポップアイドル外交に転身か。