十一月十八日(火)小雨。寒波。余のサイト開かず、それどころかwww.tripod.comもこのサーバーに属す恐らく全ての個人サイトも終日つながらず。慌ててもどうしようもあるまひ。晩に或る仕事絡みで北角の寿司・加藤。最近酒にかなり酔ひやすく醒め難し。翌日に疲労感残り、それを余がこの場で「気持ちいい疲労感」と表しウケたが、いずれにせよ酒精の分解にかなり体力消耗するのは事実。ゆえに今晩はかなり酒量気にしてコップ酒を嘗める如く頂く。結果的に三時間で7勺ほどを二杯のみ。慣れぬことしてみたが実にいい酔い心地、和み。若ければとても気が猛ろうが老境の醍醐味か。と本人はかなりの満足だが気にするのは同席の輩及び加藤のご亭主。最初はさかんに「飲んで、飲んで」と勧められたが途中から「どこか具合が悪いのではないか?」と神妙に心配いただき、否定しても皆さん酔うほどに「カラダの具合が悪いなら」と気遣いいただき恐縮。客観的に見れば飲み過ぎ=あなたたちが寧ろカラダに悪いはずなのだが(笑)。それにしてもたかだか7勺のコップ酒2杯で数時間を過ごすとは快挙か哀挙か。帰宅しても実に心地よし。
▼ふと気づけば窪塚君の『狂気の桜』先週木曜日に3館にて上映開始のところ本日僅かに1館のみ、それも天水圍といふ深センに近い郊外一ヵ所のみにて上映中。Kornhillに当初掛けたは日本人居住多しとの目論みだろうが結局先週末の客の入り悪く一週間ももたず上映打ち切り。当然か。
▼日本が平和国家かどうか。『世界』で大分のオバサン、国家の天皇制の利用に懐疑的で植樹祭など植樹どころか緑伐採事業にて中止すべき、とただそれだけの考えのオバサンなのだが、この程度のオバサンですら天皇皇后両陛下の大分への御幸の際には公安当局が徹底した尾行まで(笑)。ラムズフェルド来日反対の左翼系市民デモとてずいぶんデモ参加者多しと思えば機動隊員(笑)。たかだかこの程度の平和的デモでこの物々しき警備。行動右翼からの襲撃の危険性あり表現者たる市民を守っているのだろうか。香港のデモでの警察の車道でのデモゆえ交通事故発生を防ぐための警備とは比べものにならず。中国国家主席の来港とて過激な反対デモなら機動隊も対峙しようが単に共産党独裁反対という意志表示をマスコミに投稿した程度の市井のオッチャンオバチャンに公安の尾行はつかず。
▼イラクへの自衛隊派遣、治安悪化で先送り、と。日本が「普通の国」として国際社会で責任ある地位であるがためにイラク情勢安定に貢献するがため派遣するはずであった自衛隊だが治安悪化で先送り。小泉首相曰く自衛隊は軍隊、だが危険な「戦場」に行けぬ軍隊とは。非武装中立など普遍的理念にすぎず丸腰平和論など葬り去られての今回の軍事協力、だが現場が危険で協力できず、英国Guardian紙など二三日前にはすでに自衛隊派遣断念で「臆病」といった記事すらあり。それならば、寧ろ観念的平和論であれ基督教対イスラム教といふ宗教的対立の枠外にあることも幸いし日本が石油で培った中東での友好関係をば足がかりに中東和平で平和的解決にむけ積極的なる外交することのほうがよっぽど「普通の国」としての国際的貢献であることは確か。頼みの宗主国米国にすらブッシュ=小泉が協力なパートナーシップなどといふのは嘘で(だいたい言葉すら通じず……笑)米の国防副長官曰く「日本からはもともと(部隊の派遣で)多大な貢献を期待していなかった」し「日本は今も、こと軍事に関する限り、いかなることでも非常にためらいがちな姿勢をとる」とまで予言(笑)。更に、日本はもともと大してあてにしていないとの考えを示した(こちら)、のだから本来、国辱的であるが当然、小泉三世であれ自民党であれ都知事であれ米国のそういった侮辱には一切抗せず。さすが。だがいずれにせよ軍事協力も調停和平も一切しておらぬのだから何を言われても文句もいえぬか。ところで加藤周一先生が一貫して「イラク征伐」といふ表現するは見識。
征伐=服従しない者を攻めうつこと。征討。「鬼を―する」(広辞苑)
まさに。正義も悪もなく、ただ気に入らぬから攻めるといふ、それがさすが世界最強の国家のなせる業。ところで加藤周一先生といえば更に高齢の大野一雄先生、97歳になって車椅子で一輪の花を手に踊られる姿あり(朝日新聞)。自衛隊などイラクに贈るより大野先生が健康でさえあればバクダットの市街にてどのような舞踏を見せていただけるか。
▼産経新聞に「自由主義研究会」に属す中学教師が「歴史教科書は敗戦を「第3の建国」などと書いているが、外国の占領下の建国とはいったいなんだろうか。聖徳太子が見たらなんと仰るだろう」と書いているそうな。築地のH君は「海瑞免官を論ず」みたいだ、と。確かに。実は「産経的に文句のつけようのないロジック」を用いて宗主国たる米国のイラク侵略を厳しく批判か?……まさか(笑)。いずれにせよ聖徳太子がご覧になったら敗戦時よか今の日本の為体のほうがよっぽどお嘆きではなかろうかね。