富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月十九日(水)小雨。Tripodのサーバー依然として修復されずgoogleでtripod検索すれば1370万件だかヒットするのだが世界中のこれだけの網頁に支障あり。被害さぞや甚大……と信じていたがTripod側からの通知によると先方にては正常で余のサイトも閲覧可能、と。だが実際には少なくとも香港と日本からは閲覧できず。更なる調査を依頼。晩にHappy Valleyで競馬。馬主C氏のDashing Champion今季四戦三冠一李〇負の好成績でついにClass-1に昇格、本晩のメインレース亜州区弁護士会会長杯に参戦、すっかり競馬好きのI君、O君誘いZ嬢と四人でStable Bend Terraceにて肉食のBBQビュッフェで競馬観戦。Dashing ChampionもさすがにClass-1では強敵多く惨敗。投資分はご祝儀も含め、だがそこそこの儲けも消えて最終レースで取り戻しもあり。第2レース(芝1000m)では初陣の煙花燦爛(20倍)の入賞二着を当て第3レース(芝2200m)でも17倍の9戦未勝馬を押したりとかなり勘の働いた一夜。終わって香港大学勤務のH君に会えば「うちの馬が二着」と。どの馬かと思えば第3レースで一番人気の「新英」で余の推した17倍の「精梳王」に最後画期的に刺されたが新英とは立派な馬、てっきりH君のご両親の持ち馬かと思えばレープロみたらH君も馬主とは……。I君、メインレースで一着の「駿先鋒」7.3倍と二着の「妙手」は22倍!の二頭それぞれ軸に総流しで見事に両頭から当てる快挙。大したもの。
▼今日の産経社説「主張」。産経愛読(笑)の築地H君も「こんな言説、つい数年前には正気では読めなかったものですが」と(こちら)。H君曰く戦争は一度始めればなかなか後戻りはできなぬもの、ベトナム反戦がいかに偉大な闘争だったか、そしてそこから権力がいかに教訓を引き出したか、今更ながら、と。その産経社説、産経社説にしては意外と読める内容だが(ただ事実をずっと述べているからでもあるが……笑)白眉は最後の
戦後日本に特有な精神的な弱さが暴露されることで、かえってテロの犠牲者を出しかねない逆説に目覚めるべきである。自虐的な日本より、いまは苦難に立ち向かう雄々しき日本が求められているのである。
といふ主張。「戦後日本に特有な……逆説に目覚めるべきである」までは「まだ」読めるが、今回の政府の決定が何処が自虐的なのか、産経的感性に乏しき余には理解できず。精神的な弱さ≠自虐的。どちらかといえば臆病ぢゃなかろうか。それに今回の日本の立場は「苦難」ってほどのものぢゃなし。ここで「苦難」などとて言ってしまふ産経こそ自虐的でなかろうかね。
▼信報の連載隨筆によれば紐育より東京に立ち寄った劉健威氏東京にて六本木山荘訪れその偉容に敬服。高層ビルから眺める東京の都市の風景は「散乱而平淡(散乱シ而モ平淡ナリ)」と実に言い得て妙だが、それでも初めて高いところから自分の住む都市を眺めれば「眼神還是充満驚奇」にて森美術館を褒め、香港も香港国際金融中心落成したが高層建築としての偉容はあっても何が欠けるかといへば文化、と劉先生。確かに美術館どころか画廊の一つすらなし。
▼中国河南省でのネットカフェ舞台にした少年25人殺害(こちら)。加害容疑者自宅近くのネットカフェなどでアルバイト募集を装って中高生らを自宅に誘い込み「知能木馬」と名付けた道具に縛りつけるなどして拷問、殺害した、と。乱歩の猟奇譚か、これは。知能木馬といふ器械、いかにも乱歩先生想像しそうな怖さあり。ちなみに朝日の見出しは「中国当局、男を拘束 20人余殺害の疑い」だが中国の新聞では「河南一独身男子 25男生 其屋内掘出18具少年死体」と実に生々しく漢字の見事さ。香港ではこの事件、事件ぢたいより数年前からの謎の行方不明相次ぎ、この容疑者は買春容疑などで何度か検挙されているが罰金刑で釈放され、今回の事件も容疑者逮捕のあと新華社、人民日報、中国中央電視台といったメディアが報道控え湖北省の地方紙が取上げ続いて北京青年報による報道があって被害者の親たちが事件を知るという公安の情報公開の遅れに親が号泣して公安局前に座り込みという点大きく取上げられる。
▼在京某新聞社の朝日新聞ウォチャー自認する知人より朝日新聞ジェンダーガイドライン越える表記あり……かもしれない、と。これは朝日の数日前の夕刊にあった「藤原竜也が役者生命賭けて蜷川ハムレットに出演」という記事。蜷川先生に「彼(藤原君)でハムレットができるわよ」と耳打ちした英国のプロデューサーがおり……とじつにさらりとした表現だが、この所謂オンナ言葉実は社内基準で「女性がしゃべったからといって勝手に女言葉で訳してはいけない」というジェンダーガイドラインがあるそうな。すると、そのガイドラインを越えたこの表現はオンナでなくオネエ言葉の可能性あり、と(笑)。確かに倫敦のシェイクスピア劇のプロデューサーってのが「いかにも」だが、そうであるとすれば某君曰く、記者の原稿がデスクでいったんジェンダーフリー表現に直されようとした際に、記事書いた文芸部記者が「いや、これは女性ではない。オネエ言葉、で表現する必然性がある!」と頑張ったのでは?、と(笑)。
▼オネエねたでふと思い出すは新宿のL君よりの笑話。映画評論家で米国の警察制服フェチでも有名なM先生(って誰でもわかるか、これぢゃ)トーク番組でなぜか?お尻の穴の話題になり、先生、話題が下品にならないようにと肛門と言わずに気をまわしたつもりが「入り口が、入り口が……」と連発。そりゃ普通、出口や(笑)。