富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月十三日(日)晴。ホテルでの朝食も食指動かずZ嬢と出街、華蓋街は日曜とはいえ中国にしてはかなり朝の遅い街にてましてや商売屋ばかり。明の時代にこの大良を治めていた黄士俊なる領袖の府邸が清暉園なる広東四大名園の一つとなっており、この庭園の向いに御品青見湯なる復古調の料理屋あり早茶にかなり賑わいここで点心食す。点心はかなり美味。順徳料理が甘めというが納得できる風味。港式ですら塩辛いと思えるほど点心毎に素材のかなり強烈な旨みありお見事。ホテル出発時間迫り通り過ぎるつもりで清暉園に入るがかなり趣きある庭園にてしかも植木の手入れは隅の隅まで抜かりなく石彫や植木の緑は回廊や祠の高窓、格子から差し込む朝日、柳などの木々の木漏れ日に映える。このような観光向けの庭園でこれまで得たことのなき興趣、残念ながらホテルにて集合時間迫り辞す。ランニングクラブ面々集いホテル近くの西山廟。四百年ほどの名刹にて寺内にある四代に亘り双皮女+乃なる薑汁撞乳(生薑入り牛乳プリン)を供す金傍牛乳なる著名な茶店?(乳店か……)あり食せば美味、流石に寺内にてブランデーかけれず。廟内にて時間ありいい機会とかねがね不思議に思っていた中国ビザについてW課長に問う。今だかつて仕組みがわからないのは余も20年ほど前に経験したことだが夜遅い飛行機で(かつてはパンナム001便、現在のUA便か)来港し代理店に旅券を渡すと翌朝には中国ビザが旅券に押され戻ってくること。W氏曰く香港にてはこのビザ取得は不可能にて実は代理店の職員が旅券を深センに運び「その筋」に辨公時間でもないのに裏口から入ると夜勤人員でもいるのか(笑)ビザ発給が可だそうな。実は旧正月のあの長期服務中止期間ですらビザ取得は可能だそうな。納得。順徳を出て番禺に近い寶墨園なる庭園へ。案内人が宋の時代の総理大臣の包さんを記念した公園と説明しいったい何かと思えば広東のあちこちにある宋の時代の名宰相包青天を祀る包公廟があり(確かに宋の時代の総理大臣の包さんか……笑)その包公廟の裏手の庭園が五十年代に破壊され(反右派闘争?、文革以前にこういった封建遺物の破壊行為があったのか)それを数年前に再建したというのだが観光客はその広いだけで大雑把な造りの寶墨園に導かれZ嬢とよくよく調べれば由緒正しき包公廟は寶墨園の外にあり慌てて信心深き陽明山荘I氏らと参拝。昼は順徳から番禺広州に向う幹線沿いにある大規模な分譲住宅帯・碧桂園、香港のテレビ等でも宣伝多き「成功人士之頂級花園家邸」だが実際には豪邸というにはオコガマシき200平米ほどの敷地に庭付き陳腐な三階建て住宅にて碧桂園の不動産デベロッパーが経営する、この上流階級住人のための料理屋。もちろん我々のようなこのHK$120万!の不動産物件が購入できぬ庶民もこの料理屋の末席に与れるが陽射しのきれいな窓際が住人専用区となっているのも一理あり、か(笑)。夕方遅き船にて香港に戻る。船中Y氏、週刊香港K氏らとY氏持参の酒のうち最後まで残った沖縄城辺の多良川酒造の泡盛を一本空ける。中港城のフェリー到着口で麻薬犬が張っており珠江一帯の麻薬売買がそこまで盛んかと驚く。中環からタクシーに乗ると一見人の良さそうな老いた運転手が荷物をトランクに乗せろと勧めるが飛行機も機内持込み可という程度のかなり小さなキャリングにてトランクに入れるほどでもなく車内に持ち込んだが(だいたい車内に入らない大きさの荷物ならまだしも客が手で持てる程度の荷物でトランクを勧めることじたいかなり稀だが)Z嬢曰く運転手がFuck!に該当するDue!なる広東語を口にしたと。これは大型荷物でトランクに入れれば一個あたりHK$5の追加料金が生じ、それを意図してのことかと察したが、タクシーを降りようとしたら案の定HK$5の追加料金を請求され当方もキレて「オッチャン、何ぬかしてんねん!」と言い帰せば運転手車内の料金表を見せて「大型荷物HK$5/件」と書いてあるとご丁寧に懐中電灯でまで照らされ「ボケ!、車内に放置した荷物を除くと書いてあるやんけ、よく読んでみィ」と言うが強情にて引き下がらず「この悪徳××××が(横山やすし師匠風に)客に誤魔化して小銭稼ぎかいな、警察喚んだろか!」と当方も凄んで¢単位まで釣りのないようにぴったり払って車を降りる。大型荷物の超過料金はあるがトランクへの出し入れを運転手が手伝う必要があるまでのサービス料金にて、本来はメーターにきちんと加算して売り上げ記録に載せるべきもの。それを小銭稼ぎを企んで客に顎で指して荷物をトランクに入れろと勧めfuckとまで宣い揚げ句の果てに車内に放置した小荷物にHK$5とふっかけ当然のことながらメーターに加算などせず不逞に呆れる。タクシーも不況にて客も減り売上げ大幅減、最近はロングの客など客のほうから値段交渉して一、二割安く値踏みして搭乗することもありという。運転手の苦難もわかるがHK$5の小銭稼ぎなどこれまで香港のタクシーで初めてのことにて、それも車もクタクタのハンドルさばきも危なっかしき老いた運転手のこの浅ましき手口に、不況でいかに人の心も荒んだことかと思ふ。昨日の競馬、R2にて好きな馬だがなかなか勝てなかった掌権之威Authorizedが四班芝1,400mにて一着となり(こんな時にかぎって複勝!)複勝はHK$18、R5四班芝1,400mで新発現Decouvertが昨季未入賞のところ今季Size調教師になり初出走で期待に応え三着HK$25、R8二班芝2,000mで百勝駒HK$18、R9一班芝1,000mは期待の金龍華が133磅は背負って重すぎたか五着無念、R9二班芝1,400mはSt Alannが二着HK$19.5とR5除き複勝きちんと押さえ好成績。