富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月十四日(土)曇。昨日は忙殺にて競馬予想もできぬまま朝慌てて競馬新聞開き出走馬を知り昨晩倍率を眺め馬場に行かぬし中継も見れぬためTTレースと新馬戦等を外してR2/5/8/9/10のみPlace勝負。携帯にて馬券購入して慌てて旅荷つくりZ嬢と中環卑利街の陳成記、カレー牛南伊麺を食す。一昨日は jordancurryhouse.com、昨晩はZ嬢の日本カレーにて三日連続でもカレーは飽きぬ。陳成記、前回は唯靈氏の尊顔に拝し牛南伊麺だったがカレー味も美味。この店にしろ九記にしろ美味いカレーを出す店が麺家にて白飯がないのが誠に残念。午後久方ぶりの雨もほんの一、二分の小降り。尖沙咀の中港城にランニングクラブの面々総勢21名集まりクラブ中興の祖Y氏送別会を兼ねて珠江を遡り一路順徳へ。Y氏の送別ながらY氏旅行手配は玄人はだしにて自らの送別を自ら企画手配し日本への帰国にて家に貯まった酒を四、五本持参して皆さんに飲んでもらおうという天晴な嗜好。今回はエージェントをC社に依頼していたがC社旧知のW部長が集合場所に頼んでもいないのに添乗員としており、聞けば自らが明日広州にて仕事ありそれも兼ねてと予定外の添乗とのこと。早速船中にてブランデーにて酒盛り始まる。二時間弱にて順徳の波止場に到着せし頃はいい気分に酔い大良の新世界万怡酒店はに投宿。香港の財閥新世界集団が順徳出身にて故郷に建てた街の規模には似合わぬほど大きな酒店にて服務提携はMarriott傘下のCountryardチェーン。順徳は土地が豊かで農業が盛ん、水上交通の要所で商業流通も賑わい古来珠江下流の要所、豊かさゆえに食文化も育ち順徳出身の調理人が香港に多く順徳は港式粤菜の発祥の地とされる。晩餐前にZ嬢と市街華蓋街を漫ろ歩く。華蓋街は古い街並みにコロニアル様式の南洋風のアーケードを設け小奇麗な店が並ぶが土曜日の夜だというのに閑散としているのは順徳は大良、渤流など珠江下流の大きな三角州毎に集落が形成されそれを纏めて順徳といい大良が土地の利により市中心となってはいるが拠点というほど人が集約される場所ではないためか。ホテルにもどり華美軒なる順徳粤菜にて宴会。名物の水蛇は菜遠炒水蛇柳と生滾水蛇粥にて食すが煮立った粥に生の蛇肉をいれただけでなんの臭みもなし。マカオの名物と思われている牛乳プリンも実は順徳が本家本元にて華美軒でも供されたがW部長の話では実はこれは近所の老舗(民信老舗か?)から調達と。牛乳プリンにブランデーかけて更に美味だが給仕驚いた表情。かなり飲んで食べて宴は深夜に及ぶ。▼内地子女の居留権問題、かつて中共を逃げ香港で成功した人々(董建華もその一人)とそれを受益できぬ人々という社会の断層化がかぎりなく明確になる日々。