五月二十四日(木)晴。チベット「解放」50周年だそうだが、解放されたはずのチベットからダライラマらが印度に亡命し、しかもこの50周年の最中にワシントン詣でとはいったいどういうことなのか欺瞞ばかり。ダライラマが印度に亡命する以前、先代のパンチェンラマと一緒に北京を訪れ毛沢東と中南海の邸で歓談しながら歩く写真を見たことがあるが、パンチェンラマも老年の肥満からは想像もできない紅顔の美男子ですらりとした華のある三人は荘厳な雰囲気、まるで「リア王」か「車引き」ように絵になっていて凛々しかったもの。晝にA氏と灣仔はTonnochy道の四川料理屋・蜀家菜、HK$15の坦々麺を食しにいった筈がA氏共々食感が働き抽手、猪肉、夫婦肺といった小皿、極めて秀悦、辣いだけでなくコクもあり風味満点。ふと思えばここは深○の蜀家菜の香港店か、とも察す。夕方そごうにて定期購読雑誌を受取り、カウンターにて余の定期購読ではないビニールに包まれたつまり店頭販売の『噂の真相』を購うご婦人あり、『噂の真相』が遂に香港でも店頭販売されていることにも驚いたがもはや『噂の真相』は良識派(笑)、つい私以外の読者をみつけご婦人のお顔を拝してしまうが、ご婦人も余が『噂の真相』からお顔拝見したのを察し一瞬恥じらふ表情、かなり上品な知的美人、お顔を拝しご免なさい。書棚を見ればあと一冊あり、少なくても香港に三人の読者がいることを識る。岡留編集長、おめでとう。それにしても20年くらい前は『噂の真相』って月刊『スパイナー』と『薔薇族』と一緒に置かれて、駅ガード下の『解放』とかもある怪しげな本屋で購っていたものが、今では『文藝春秋』と並ぶとは……。晝の蜀家菜も週刊香港U嬢が紹介していたが、そごうから同じくU嬢が紹介せし北京佰餃園、蜀家菜は店員も大陸四川姐がいたのでここも北京姐かと思えば香港のフツーのおばちゃんたちが店を切盛り、一見して素人集団なのは中環の北方小食と同じで危惧、素人でも美味いのならQ麥坦々麺のように容すが、北方なのに湯麺もかなりあり牛肉麺は店のお勧め、これが私でももっと美味く仕立てられる素っ気のない醤油湯、食べきるのもツライお味、しかもテーブルには胡椒すらない状況、佰餃園というくらいだから餃子に期待して頼んだ白菜猪肉餃、大蒜入りの紅酢だけで出てきたところがかなり自信ありかと期待したが、餃子は単に豚肉のみでしかも味付けなし!、それを紅酢だけで食うのだから、お世辞じゃないが不味いのだ。それでいて店中に雑誌の紹介記事、いったいどうなっているのだ。勘定でHK$64.9、どういう計算で半端がでるのか知らぬが、店員の女はHK$65と切り上げた!、赦せまじこのデリカシーの欠如、きっかりHK$64.9を支払ひたり。萬千不来!