富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

11月16日(木)演舞場の「智恵子飛ぶ」の舞台、智恵子役にて主演の三田佳子が愚息の失態で降板、松島屋の京子嬢が代役に大抜擢。これが評判、と。写真でみてもさすが松島屋、明治の女が姿は見事。京子嬢、今を去ること10年前、孝夫と姉・汐幸の東京銀行CM撮影にあわせ松島屋の御上さんと伴に来港。拙者このアテンドがアルバイトにて撮影のない御上さんと京子嬢の遊興に陪伴せしこと数日、知古を得る。御上さんとはそれから二度、歌舞伎座にて拝顔。ロビーにて私の顔を見るなり遠くから「あら、先生」と数年ぶりの邂逅にいつも拙者の名前を呼び、あれこれと世間話するさすが松嶋屋の女将、こそばゆいと思いつつ歌舞伎座のロビーとなれば観客の視線を浴びて松嶋屋さんの御上さんとの談笑は贔屓の光悦。昨年の松島屋の仁左衛門襲名披露でも御上さんが幕間に京子嬢に電話、拙者が來座を京子嬢に告げたが再会できず。京子嬢、当時はまだ娘、娘した様でこれが役者になるのかと首を傾げる点もあり、橋田ドラマの岡倉家では京唄子の娘役で出たもののパッとせず翌クルーでは別な女優に、しかし今回は見事に花開く。それにしても、この演舞場の芝居、高村光太郎平幹二朗が光太郎というのはこれは喜劇か)の『智恵子抄』であると思えば、智恵子「飛ぶ」は如何なものか。せめて「翔ぶ」か、拙者なら「智恵子、翔」で「翔」にルビ。平幹二朗の光太郎で京子ちゃんの智恵子じゃ平幹二朗帝都物語風に呪術とか使って智恵子を飛ばしそう。