富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

71デモと立法會破壊

農暦五月廿九日。未明に大雨の中、香港“市役所”に陣取つてゐた黒蟻たちが金鐘でHarcourt Rd道路占拠。立法会敷地内の旗柱に黒旗の半旗掲げる狼藉だとか。本日、香港特区設立記念日。在港の日本総領事館からの注意喚起。

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説明の仕方が気になり加筆訂正。「政治活動の場には近づかない」といふ表現も気になるところ。政治活動=危険に非ず。「デモに近づかない」よりは、まだマシか。それにしても今日はいろいろけたたましい日なのは事実。

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午前8時から湾仔「出ベソ広場」金紫荊塔前にて恒例の国旗掲揚と引き続き湾仔会議展覧中心(会展)での要人らによる祝賀会。今年は「例年と異なり」尽くしで前晩から一帯は通行規制で今年の旗揚げには安全を理由に学生やボーイスカウト赤十字などの制服団体招待せず。天気不安定。国旗掲揚の前には降雨なかつたが雨でも降つてきたら反対派にまた何をおちょくられるかもわからず予め会展内での雨天プランに変更。当然だが好天でも反対派の妨害を考慮あり。林鄭ら会場入りの妨害考慮で何と海事処の船舶にて某所から船で会場入り。

大阪G20より警備厳重。007並みの演出に巫山戯てゐるのかと呆れるばかり。林鄭が公開の場に露見は今月16日の謝罪記者会見以来。特区設立22周年祝ふ祝言でもやはり昨今の情勢に触れざるを得ず。

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民主党の一立法會議員が罵声上げ会場から連れ出される。林鄭は、この祝賀会を一時間程で済ませ禮賓府(行政長官公邸)にお籠り。

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午後の市民デモの様子をテレビ報道でご覧遊ばされるのか。午前中一度驟雨あり快晴猛暑。

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昼前に天后へ。ホームにもデモ参加者が溢れるには早い。午前中、親政府系土共の祝賀イベントあり老人ら「暑い、暑い」とヴィクトリア公園からの戻り。動員で、これから楽しみな昼食か。早めの昼餉にと華姐清湯腩で腩粉啜る。

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もはや一杯がHK$50(700円)也。かつては夕方など小腹が空いた時や夜食に寄れたが今では気軽に麺を啜る値段に非ず。

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ヴィクトリア公園一望する香港中央図書館へ。楼上の資料図書館で読書。

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デモ集合のヴィクトリア公園はサッカー場全域を親中派土共諸団体が催事開催。

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ほとんど人影もまばらだが、これがあることで民陣は公園内の芝生エリアのみの借用。それでも図書館から眺めた感じでは猛暑で木陰に隠れてゐるのかもしれないが芝地にデモ集合する市民はけして多くはない。「多くはない」といつても1万人くらゐはゐるわけで、それでも6月の9日や16日に比べて、の話。

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今日の71恒例の市民デモで主催の民陣が掲げた主題は「撤回惡法,林鄭下台」。逃亡犯条例は事実上廃案となり一先づ6月の100万人規模の抗議の盛り上がりと緊急性は既に回避されたといふところか。MTRは天后站と銅鑼湾站がデモ参加者で溢れ列車は通過とか制限とかといふニュースも今日は流れてこない。この感じだと今日は2003年の50万人デモくらゐの規模はのでは?といふ予感。

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それにしてもヴィクトリア公園の芝地からCauseway Rdに出るまででも迂回。

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炎天下で数時間の待ちは誰も嬉しくない。午後3時スタート予定のデモは6月の時は参加者多数といふことで警方からの要請もあり40分も早くスタートしたが今日はほゞ定刻に近いやうでアタシも高みの見物から階下に下りやうと思つたら吹き抜けから眺めると黒蟻の群れ。

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摂氏34度の炎天下では誰も考へることは同じでデモの行進開始まで図書館で涼んでゐようと。

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今日は朝から金鐘で黒蟻社中が暴れてゐることを理由に警方は、このデモの終点を金鐘の政府総部としてゐる民陣に対して「デモ行進の延期」「デモ中止しヴィ公園での集会開催」或いは警察総部手前である湾仔の修頓球場を終点とするといつた提案。民陣はこれを拒否。民陣は終点を中環ど真ん中のCharter Rd(ランドマーク前)とする決定。いつものことながら、この市民デモのネックはヴィ公園から銅鑼湾のそごうデパート前まで道道の狭隘さ。

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今日もこんな感じである(といつても自分で上空から見たわけじゃないが)。これを厭ひ銅鑼湾そごう前でデモに参加しようとする市民多し。これを危険として警方が制限するのがいつものことなのだが今日は制限もないどころか警察官の姿がほとんど見えず。それでも裏道からなか/\出られない。

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そごう手前からヘネシーロードも最初から東行きまで全車線を開放。かなりスムーズにデモの群衆が西に流れてゆく。

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湾仔消防署が、このデモに占領されてゐるヘネシーロード沿ひにあるが救急車出動となるとデモの群れがさーっと道を開け救急車が出動し、それが去るとまた群衆が道路を占めるといふ光景あり。

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とにかく警官の姿が見えない。せいぜい並行する道路での警備。

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香港でデモといへば梁“長毛”國雄。立法會議員資格剥奪され今は本業の「革命家」。だん/\と内田裕也化してゐる。

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往年の泛民主派の諸先生。写真は左から民主党の楊森と何俊仁。真ん中は元立法會議員の吳靄儀(Margaret Ng)博士で今日は「立場新聞」のPRを。右は公民党代表の梁家傑(Alan Leong)議員。

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こちらは(左から)雨傘運動で服役免除された朱耀明牧師、同じく起訴されてはゐるが脳手術後の陳淑莊(Tanya Chan)議員と何秀蘭(Cyd Ho)元議員。

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湾仔でデモ離脱する参加者も少なからず。といふアタシも、この市民デモにヴィ公園から、この先までかうして歩いてゐるのは実は初めて。こゝから先は道路もかなり歩きやすくなる。

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今回の運動で何うであれ命失つた市民の祭壇まであり拝むデモ参加者少なからず。

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民国派も堂々とデモ行進できるのが香港の自由。

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今日の「関所」は金鐘。湾仔から流れてくる市民に対して黒蟻社中が右に行けば立法會の抗議活動の現場で、それに参加を!と叫んでゐる。感極まり泣いてゐる子もゐる。民陣はデモの終点を中環としたことでQueenswayをそのまゝ直進。こゝが天下の分かれ道で黒蟻の必死の請願に応じるデモ参加者は何うかしら5分の1ゐるかゐないか。立法會周辺では黒蟻社中の抗議活動がかなり昂揚してゐるニュース流れてゐて、わざわざそこに足を踏み入れやうといふ市民がけして多くないのが事実。それに此処から立法會の方に入らうとすると黒蟻君がマスクをくれやうとする。人相がバレるといけないやうな状況らしい。市民デモはかおを隠す必要もないのだから。

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中環に来ると、もう気持ちのよい歩行者天国のやう。

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中環の終点で民陣がデモ参加者に謝辞。

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市民デモではいつも先頭を歩く大御所の一人、マーチン李銘柱弁護士がデモを終へ戻るところに遭遇。通り過ぎて「あ、マーチン=リーだ」だつたが中共にとつては香港の自治に欧米勢力を呼び込む千古罪人である。

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6月の100万人単位のデモに対して金鐘のPacific Placeがデモ参加者の入場等に一切制限加えず寧ろ(今日もなのだが)好意的と評されてゐるが中環では今日、急きょデモ終点となりランドマークは婉曲に入場制限。こゝがデモ終点から直近の地下鉄入り口なのだが。

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中環が終点だつたのでFCCに行き冷たいものでも飲まないと身体が茹で上がつてしまつてゐる。いつもなら渋滞の坂もこの通り閑散。

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FCCでテレビのニュース中継見る。BBCやCNNも香港の市民でもを生中継。立法會での黒蟻社中の抗議活動が建物正面入り口の破壊等になつてゐる。泛民主派の議員が涙ながらに「立法會への武力突入はしないように」と黒蟻たちに跪いてまで訴へ彼らの鉄車を素手で阻止するが黒蟻たちは泛民主派の議員もダメの烙印か議員にタックルして、その場から退かせる。もはや末期的な状況。これをFCCのカウンターで啤酒など飲みながら眺めてゐるベテランの記者は二人で「天安門の時に比べて」と、さすが。警察が抗議の黒蟻たちに赤色警告出して見せるが「米国での警察の対応なんか、これに比べたら」とバーテンダーと、その怖さを語る。なるほど、確かに。

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帰宅して夕餉は肉骨茶。夏はやはり南洋の料理にかぎる。テレビでは生中継で黒蟻社中の立法會建物への突入試みる実力行使。警方も必死に正門での防御をしてゐたが午後9時に突然の退去。これで黒蟻社中が立法會建物に雪崩れ込み。闖入。

NHKのNW9でもトップニュース扱ひ。「香港の中心部では混乱が激しくなっている」と。立法會だけでの混乱が事実なのだが。

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建物へのスプレーでの落書きや器物破損も夥しいが歴代の立法會主席(議長)でも標的にされる人物は特定されてゐて民建聯でも2003年の50万人デモでは標的だつた曾鈺成が今回は民建聯では常識派と思はれてゐるからか誹謗されてゐない。施設にはボコボコに損傷与へてゐるのだが贈答品の陶器であるとか備品は「壊すな」としてゐたり、勝手に飲んだ清涼飲料水には現金を置いてあつたり黒蟻君たちの不思議?なモラル。

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警方も撤収してしまひ当然のやうに政府職員もゐない立法會内は無法状態。若者の狼藉の「危険な」現場なのだが、それにしても内部にメディアの記者の多いこと。不思議な現場。警方は黒蟻の突入前も建物内に記者たちを入れ、内部からの報道にかなり協力的で「若者たちの暴力行為」をメディアが外部の報道するのを願ふやう。

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この立法會での混乱がこれから何うなるのかしら。予断許さず。

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民陣が今日の市民デモ参加者数を発表。71デモとしては至上最高の55万人(警方発表は19万人)。アタシの競馬はなか/\当らないが今日のデモ参加者数は開始前の予感が的中。明らかに6月の2度のデモよりは参加者数は少なく、それでも2003年の50万人といふ実績を越へる必要あり。2004年と2014年にそれぞれ50万人超へとしてゐるが、これは「威勢」で今回のほうが04年と14年よりは実数に近い。警察が19万人としたのも6月のデモに比べデモを少しでも小規模に見せたいといふ思惑がないやうで。

BBC Radio 4 - Today, 01/07/2019 - text by Mr DH 

Chris Patten says the more violent approach of some demonstrators in Hong Kong today is “very, very unwise - it plays into hands of the hard liners” (in Beijing). But he adds: “What is clear is that if you don’t talk to people, if you think the way of dealing with people who disagree with you is by firing plastic bullets at them, is by [using] pepper spray, if you’ll never actually have a dialogue with people, then inevitably it helps to legitimise those who want to do things in a more violent way; I don’t honestly think that is the view of those who marched two weeks ago – they’re ordinary people in HK who feel passionately about their rights as citizens and I think we should be supporting them…." (Interview 2:25 in...)

農暦五月廿八日

猛暑。朝と夕に驟雨。終日在宅。陋宅居間の窓辺、冷房排水のところで砂塵のなかに小さな芽吹き、少しずつ大きくなるので(写真残しておらず手書きイメージ)そのまゝぢゃ育たぬからそっと剥がして水栽培で根を少し伸ばして土に植えてやる。


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開高健(昭和5〜平成元)はアタシにとつては書店に並ぶ大型本『オーパ!』で「作家だつた人が世界中で釣りをしてゐる」だつた。作家としては同じ寿屋出でも家には父が好きだつたのか『男性自身』や母が呼んだ『血族』など山口瞳は親しんでゐたが『裸の王様』が三島由紀夫を差置き芥川賞でも『日本三文オペラ』が傑作でも実は今まで開高健を読んだことがない。週刊朝日の特派でのベトナム戦争のものも読んでゐない。それが開高健ベストエッセイ(ちくま文庫)を読んだ。実のところ山口瞳(同)を読むのに同じシリーズで買ひ求めた。

26歳で日本バーテンダー協会の会報“The Drinks”に書いた「飲みたくなる映画」での映画と酒への博識、29歳で筑摩書房『言語生活』は洒脱な「大阪弁東京弁」、そして31歳で書いてゐるカラー版現代語訳・日本の古典⑰の井原西鶴の解説で今更ながら、なんとした文学者なのかと敬服するばかり。

これまでにすいぶんたくさんの国をわたり歩いて「経験」なる果実を蓄積してきたつもりだが、この国ぐらい意表をつかれたのは他に類がなかった。喜劇のすぐよこに悲劇があり、えぐりたてるような真実の一枚したに朦朧をきわめた影がよどみ、酷烈を味わった一時間後に腹をかかえて笑いころげたくなる事物を眺め、恐るべき博識と明智に出会ったかと思うと石器時代をやっとねけだしたばかりといいたくなる原始に出会い、腐敗と清純の両極を一日のうちに味わったかと思うと、翌日は沈思と叫喚を同時に目撃する。慟哭と哄笑、昂揚と懈怠、都雅と残虐、決意と朦朧、権謀と無邪気、ことごとくが亜熱帯の日光や「紙の花」と呼ばれるブーゲンヴィリアの花のなかで渾沌の渦動を起こしているのだった。どんな文体でも切りとってこれる現実があり、切りとられた現実はまがいようもなくその文体のなかで現実であるのだが、それを書きあげた翌日にニョク・マムのむんむん匂う町をよこぎってどこかの裏町へでかけ誰かに会うと、まったく正反対のまがいようもない現実に出会って、たちまち文体模索の放浪に迷いでていかなければならないのだった。文体を模索するとは、つまり、自分を模索することであり、鏡を眺めて桐野なかでのようにあらそうことだった。

こんな圧倒的な文章に出会ふと自分が言葉を綴る気も失せる。実に見事だが、これはもはや常軌を逸した世界に片足でも突っ込んだ筆致。きだみのるとか安吾とか。

石だたみのゆるい坂を上がったり下ったりしながら、暗い、壮麗な、腐ったアパルトマンの角から角へとたどっていくと、靴音が壁にこだまし、石の森を散歩するようである。その暗い森のところどころに燐光を放つキノコのようにキャフェやレストランが小さな口をひらいている。その赤や青の灯のしたで、冬なら生ガキや生ウニにレモンをしぼりかけて立ち食いしたり、コントワールにもたれて玉ねぎスープのドンブリ鉢をフゥフゥ吹いたりするのが楽しいのである。そして体に温かくてしっかりした燃料をつめこみ、タバコを新しく買いたして、水漏れのない、小さいが堅固な船になったような気分で、耳のうしろにひそやかなざわめきをただよわせつつ、ふたたび暗くて冷めたい溝のなかへ入っていくのである。


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自家製のアイスクリーム舐めて甜酒を啜る。

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本日、「撐警」つまり警察支持の「市民」集会あり。雨のなか16.5万人(警察発表5.3万人)参加。芸人では譚詠麟(アラン=タム)や映画〈寒戦〉で警務處副處長役演じた梁家輝(トニー=レオン)等が参加。
▼大阪でのG20のあと訪韓のトランプが急遽の呼びかけ板門店にて金正恩と再会。G20が遠くに霞む。

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本日、陽暦で六月晦日。本日香港にとつて「まさかの六月」だつた。

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農暦五月廿七日

猛暑。土曜日で午前中、FCCで新聞読み、書き物。そのまゝ昼にホットドッグ頬張る。今月いつ頃からかクリケットのワールドカップやつてゐてアタシがまじ/\とそれを見たのは16日の200万人デモの晩、尖沙咀重慶マンションの印度料理屋で印パ大戦の中継の時だつたがFCCのバーでスポーツ番組中継のモニタはずつと、このクリケットW杯で、これがやつと明日、決勝で英印対決なのだといふ。クリケットの何が面白いのか英連邦以外のアタシらには全くわからない。

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中環から路線バスでミッドレベルの孫文記念館。五四運動百年記念の特別展参観。

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北京大学の学生らが天安門から数キロのデモ行進……行為としては「それだけ」なのだが、これが中国にとつてどれだけ大きなものだつたか。すでに清帝は滅び共和制の民国になつてゐたが袁世凱軍閥支配で日本からも廿一箇条つきつけられ山東を奪はれる中での新思想運動。マルクス主義が伝はり、この運動がその後の中国、アジアに与へた影響の大きさ。

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しかし現実には、この運動からの理想通りにはならぬ宿命で中共といふ、彼らが想像もしなかつた強固な政治装置が誕生し機能して彼らの100年後に彼らと同じやうな主張は封じ込まれることにならうとは。

晩にNHKスペシャルのシリーズ「東京ミラクル」2で東京の「巨大鉄道網 秒刻みの闘い」見る。鉄ちゃんだから。このシリーズの初回は1月だつたかに「美食の街 受け継がれる“築地の魂”」だつたが、なぜいち/\「外国人がミラクル!と驚嘆する」としないといけないのか。この鉄道特集では日本の鉄道の秒刻みの運行正確さ伝へるのに松本清張『点と線』よろしく青年(佐藤健)の飼ひ猫が誘拐され誘拐犯(六角精児)から須磨帆に届くメッセージに合はせ秋葉原から東京、品川から京急で先づは「えきめんや」に寄らせるあたりも通好みで金沢文庫そして……と移動するのだが、さすがに秒単位では途中で2つほど犯人の仕掛けも通じず(といつても本当に5秒とか10秒さなのだが)。副音声は佐藤健と六角精児の裏トークだつたさうで、そちらが聞きたかつたが香港でのネットでは副音声はダメ。

▼本日、大学生が逃亡犯条例につき政府への抗議の言葉書き残し投身自殺。精神的に他にもいろ/\あつたのだらうか。共紙・大公報はこの学生は中5の時も自殺未遂あり最近失恋もあり憂鬱症で精神科医に通院もあり、と反送中が自殺の原因でないこと強調。

失戀兼抑鬱 教大女生墮樓亡
林鄭は今月12日にテレビ報道のインタビューで展開したのが「母親論」。

本月12日,特首林鄭月娥接受無綫電視訪問時,曾經以「母親論」回應反送中運動。她當時母子關係作比喻,認為不能滿足年輕人任性的要求:「我打個比喻,我是一個媽媽、有兩個仔,如果我個仔每次『我就要咁樣』,我都只是遷就他,我諗短時間母子關係會好好。當小朋友成長後,因為當時的任性,而我縱容他的任性行為,他有後悔:『點解當日阿媽唔提我呢?』」

反抗してみたいり、わがまゝ子どもを甘やかしてはいけない、子どもが成長してから「なんであんなわがままを許したんだ」と後悔されたくない、と。逃亡犯条例に抗議する若者たちについて、母性の賢明さなど持ち出すだけで林鄭の非常識感じるが、母として子が母の決め事を悔やみ命を絶つたら、それを何う思ふかしら。

G20

農暦五月廿六日。早朝の驟雨で陋宅の前に見事な虹。

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夕方にまた本降りとなる。銅鑼湾に〈打書釘〉といふ私設図書館が昨年からだか在り。

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英語では“Nose in the Books”でさしづめ「本の虫」だが「打書釘」は香港の広東語で「立ち読み」。書釘はホチキスで、ホチキスを打つのが何故「立ち読み」なのかは知らない。

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香港大学比較文学やつてゐた司徒薇先生の人文科学関係の蔵書が元。

2016年,司徒薇決定離開教席,進入佛學院深造,惟她那與研究相關的一萬本人文科學文化研究書籍帶不走。一般退休的教授會選擇將書捐去圖書館,然而,司徒薇與一眾學生卻認為,該批書應在社區流傳,讓非做研究的人也能接觸。「打書釘」成員小風指,成立圖書館是希望將理論式的知識在社區承傳。
於是一群學生開始四處為老師的藏書找容身之處,幾經波折,終於有業主願意以低過市價的租金租了恩平道一唐樓單位給他們。小風稱,當初業主是想做一些與文化有關的東西,聽了他們有關於人文圖書館的理念後很感興趣,於是便有了地方成立圖書館。

といふことで銅鑼湾の一等地にある奮い雑居ビルに、この鄙びた空間がある。建物の外は路上に通行人が溢れるが恩平道で幸ひ自動車通行がないので打書釘のなかは静か。音楽もなく誰も話もせず禅寺の如し。

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フーコーだけが書架の中で扱ひが違ふのが何とも好感がもてる。

▼香港のG20に向けた意見広告、海外の各紙に!といふ運動が実現。

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日本でも今朝の全国紙に。

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……あれ?日本版ちょっと違和感ないか? 他のは“Save HK at G20”とか“Stand with HK at G20”なのだけど日本版だけ「G20に向けて」がない! 右下に小さく #G20 とあるのみ。報道規制はないはずなのだけど、お得意の“配慮”? それに英語のメッセージとレイアウトも気になるところ。よーく見てみて“We resist, for what we deserve.”なのだとわかるが「守るに値するものを守る」では禅問答の如く、しかもレイアウトが上下に分かれすぎ。しかも“deserve”は「日本語にぴったりの言葉がない」で英語学習で日本人が苦労する言葉の一つ(解説)。これぢゃ漠然とし過ぎだらう。そして(これは123さんの受け売りだが)主語の“We”は通常「我々」と思ふが、こゝでは日本語で「香港人は」なのだ。日本人ではない暗喩。英語版の“Save HK at G20”や“Stand with HK at G20”は香港人と我々の同調なのだが。いろ/\な配慮や忖度の結果が、かうして意味を曖昧にしてワケのわからないものになる……まさに日本らしさ。

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台湾で蘋果日報に掲載の意見広告。これはやはり中共に直接対峙の自由台湾ゑ文章に他とは違ふ重みあり。

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……で、晋三の早口の辿々しい議長ぶりで始まつたG20、大阪サミット。なんだ……この狭さは。一間幅の長机にトランプ、安倍と習近平が肩寄せ合ひ……不憫の極み。さすが「ウサギ小屋」と呼ばれた日本らしい生活環境の貧しさよ。タイトな長机になると国際首脳会議が町内会に見えるから。これが日本の「おもてなし」か……日本の普通の会社で会議ぢゃないのだから。ちなみにこの長机はレンタル会社でも着席目安は2〜3名で推奨人数2名。レンタル品、C付き会議テーブル1845幕板 白の紹介|TKPレンタルネット

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やはり国際首脳会議は(前回?)これ(下の画像)くらゐの環境でありたい。

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欧州のやうな宮殿で、と迄はいはなくても。

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言ひ訳としてはG20開幕直後の、これはあくまでも「デジタル経済」といふコアなテーマ巡る「首脳特別会議」であつて本会議ではない、か。この「デジタル経済」で晋三が何だかわからぬが「大阪トラック」なるもの提唱……「ウチの会社や、それ」やろ、大阪の運送業者。

グローバル化で世界は狭くなつた。それでも「袖振り合ふも多少の縁」か。

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この狭さが「3人がアップで写真に収まり新聞やテレビで配信されるやう」晋三への小役人による忖度もありやなしや。構図も決まつてゐるしインスタ映へ……一人だけ相変はらず無表情でつまらなさう。習近平は「所詮、戦争で負けた国が宗主国にお愛想売り」としか思つてないのでせうね。

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晩にNHKのNW9で見てもG20の内容の無さもさる然ること乍らNW9でコメントする華盛頓、北京の支局長も小物で「政治部の原さん」もテンパつてしまつてゐてお話にならず。

晋三が習近平に対して香港について言及。もし晋三が香港に立ち寄つたらかなり歓迎されるのでは?

 Western leaders urge Mr Xi to see the harm that his party’s clumsy actions could do to Hong Kong, a valuable place. Alas, each year brings more evidence that Mr Xi sees things the other way round. He worries about what troublesome places like Hong Kong might do to the Communist Party.

After previous mass protests in Hong Kong, the central government staged tactical retreats. It allowed the territory to drop contentious laws, then quietly tightened its grip. The party stepped up funding for loyalists to run for local office. It leant on businessmen to support government plans. Tame tycoons bought up media outlets. Political veterans expect more such efforts. Hence the pro-democracy camp’s caution. Its members may fear confronting Mr Xi. He does not fear confronting them. 

到中環律政中心「鑑賞建築風格」

農暦五月廿五日。雨は降らずとも雲行きがダイナミックな一日。

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日本では西日本から台風でG20に来日のトランプも習近平も暴風雨に晒されるのかしら。なぜに彼ら賓客はボーディングブリッジ用いず今どき「飛行機からタラップを降りる」て歓迎なのかしら。さういへば「秋篠宮夫妻のポーランドフィンランド訪問が民間機で晋三がG20 で大阪行きが政府専用機?」といふのも気になるところ。本日午後、湾仔の公立病院で定期検診。HK$50で診察と服用薬まで料金カバーされありがたい。処方薬のうちJanuviaといふ一種類だけ公立病院では基本料金内では扱はず外の調剤薬局で買ふ必要あり。もうかれこれ四半世紀も馴染みのHappy Valleyの調剤薬局へ。トラムに乗つて銅羅湾方面に出るつもりが湾仔で金鐘方向に曲がつてしまひ乗り間違へ。折角なので今日は黒衣の若衆が律政中心包囲してゐるので、その現場へ往くことに。トラムを花園道坂下で降りて坂を上るとSt. John's Cathedralは正門封めて「誤用の方は裏にお回りください」。Lower Albert Rdの角に警官が守衛して自動車は通行止めだが歩行者は不問。そこから道路占拠……といつても道路に静かな座り込みになつてゐる。

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これまでの立法会や行政長官弁公室への抗議、税務局やイミグレでの業務妨害に対して今日はあくまで今は律政中心となつてゐる中區政府合署(Central Government Offices)「鑑賞建築風格」である。1950年代後半に建立の香港の戦後モダニズム建築の一つで香港一級歴史建築にも指定されてゐる。よつて建物への落書きなど以ての外。黒蟻社中の内、英国旗翳す港独派の諸君にとつては英領香港を象徴する建物なわけで貶せはしないだらう。

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この「律政」のロゴ、篆刻なのだが「読みづらい」。石を彫る 彫り方による違い 印の種類によると篆刻には陰刻(白文)と陽刻(朱文)があり、この「律政」の場合、律が陰刻で政が陽刻となり勿論、この二種を一緒に用ゐる併用の白朱文というのもあるのだが、まさに「印象」に左右される。下記の「玲月」はわかりやすいが「律政」はかなりまじ/\と見ないと「律」が判別できない……香港の律政の不透明さの象徴か。

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 数百人の黒衣の若衆が道路に座り込む律政中心前を通り抜け。道路守衛する警官に「そなた何処に?」と尋ねられ「拙者、FCCに参るところ」と答へると通してくれる。

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FCCの前から道路封鎖。

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これくらい平和な道路占拠はもはや香港の政治文化遺産か。

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築地H君曰く日本で世論が内閣を倒したのは戦後はこの1回だけ、戦前の方が数へ方にも拠るが第一次護憲運動の桂内閣、米騒動の寺内内閣、第二次護憲運動の清浦内閣と3度あつたか。香港は行政長官の初代(董建華)が実質的に2013年の50万人デモの余波で健康理由に辞任、地下党員CY梁は不人気で一期で事実上、北京中央が消去である。普通直接選挙ではないが。日本の帝国議会は総選挙もあつたが内閣総理大臣は選挙結果によつて決まるわけではなく、戦前も世論や民意を反映させる回路が正式にはなかつたわけで「だからこそ行動の圧も強くなる」のかもしれず、権力の側も寧ろ世論を恐れてゐたか。それが今では晋三など「どうせ選挙をやれば勝つ」という自信ある所為で世論畏れぬ傲慢とやりたい放題である。香港特区のトップ連中が世論に敏感なのは戦前の日本に似てるかもしれぬ。建制派も「このままでは今年の区議選、次の立法会選挙で雪崩のように負ける気配」で政府に逃亡犯条例をさっさと撤回すれば?とまで迫る。少なくとも今の日本より政治感覚はマトモか。

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Hendrick's GinはCucumber Martiniで飲むのが一般的だがロックで飲んでゐる御仁あり早速、これは夏には清涼、と真似して注文。胡瓜を折つてしまつて自己流。上手い。

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黒衣若衆の律政司前座り込みは晩十時半まで続き、律政中心に籠城となつた律政司はその後、帰途についたといふ。ご苦労なさま。

港大民研:市民對「香港人」身分認同感有紀錄以來新高 - RTHK

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G20 Free Hong Kong 集會

農暦五月廿四日。午後から快晴。黄昏時といふには夏至のあとでまだ日が長く明るい宵に中環の粗呆地区に家人と。

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今ではPMQなんて旧香港既婚者宿舎(Police Married Quarters)が消費場となり賑やかになつたが、その裏手にBridges St Marketといふ香港の公営街市でも恐らく最も鄙びた街市あり閑古鳥鳴き閉鎖。

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建物解体して再開発となるところが、この一帯、古き良き香港の町並みの風情あり街市裏手の永利街が1960年代の香港舞台にした映画で脚光浴び、この一帯の建物保存となる。そこでこの街市は建物はそのまゝで香港新聞博物館(HK News Expo)に。入場無料。

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なぜここが新聞博物館か?といへば香港でかつて中環からこの一帯に印刷業多く必然的に新聞社も集まる。小さい新聞社で創刊、廃刊も頻繁だつたが中文紙の大手・華僑日報(1925〜1995)がこの街市に近いHollywood Rdに廃刊直前の1995年迄あつたのも懐かしいところ。編集部と印刷所が併設でインクのにほひと輪転機の音。でこの博物館、あくまで建物保存が大切で展示はあまり期待もせずに出かけてみたら大間違ひ。展示内容の充実に敬服。各紙をジャンル別、政治的立場別、年代別に紹介。

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蘋果日報の1995年6月の創刊号。この新聞がそれからこれほど政治的に目をつけられることにならうとは。

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信報の創刊号も初めて読み林行止の創刊の辞も粗いコピーながら肉眼で読める。これ(上)は林行止氏の直筆記事原稿。

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1989年の天安門事件についての新聞報道の記録があまりにも充実してゐるのには驚く。政治的配慮や忖度なしか。

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六四のあと様々なニュースが交錯して伝はるなか結果的には誤報、デマだつたのだが人民解放軍が内戦となり鄧小平が毒殺されたとか李鵬が撃たれたとか(後者は事実を期待されたか)、それも当時かうした報道がされたといふことで堂々と展示。

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五四運動百年といふことで100年前の五四運動に関する報道、そして半百の1969年当時の五四運動五十年時の特集記事も、当時の政治的状況が反映され興味深い。紙媒体の新聞の展示に見入つてしまひ時間切れになつたがラジオやテレビの報道に関する展示もかなり充実。まだ完成してゐないが報道スタジオの模擬体験コーナーなどもあるやうで。香港が土地柄、歴史的に報道が果たしてきた役割を実によく紹介してゐる博物館。折りから、かのやうな香港の状況で世界の注目集めるなか偶然とはいへ貴重な機会。

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FCCに行きハンバーガー注文するが家人とこれを半分ずつ。それでも満腹。ハンバーグの上のベーコン(といふか薄切り豚焼肉だ)に野菜を添へポテトも食べてしまひハンバーグとバンズだけの実にシンプルなハンバーガーとなる。

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かういふ単純なものが実に美味いと思ふ。……で、さて、中環のエジンバラ広場へ。
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午後8時からの集会に黒シャツの若衆ら中心に今晩も数千人の市民が集まつて来てゐる。

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幹線道路も占拠とまではいかないが無法な横断で自動車通行妨げられエジンバラ広場に近い立体駐車場も集会参加者で溢れ自動車の退出も無理。さまざまな言語でのメッセージが続く。大阪でのG20直前で日本語でのメッセージは広東語、英語に続き(この映像では)1:05:10から。

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予定では午後8時から1時間の予定の集会は始まりも遅れ午後10時過ぎにお終ひ。あくまで世界に向け香港の現状をアピールする平和集会でアピール済ませ解散。これを実行する民陣の岑子杰君の力量は恐るゝべし。この集会でも冒頭で支聯會の李卓人がスピーチしてゐたが「中国の民主化」願ふ支聯會である。それに対して「我らは香港人!」と叫び賛同得る岑子杰らが大きな勢力なのだ。

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この集会は成功裏に終はつたが当然のやうに黒蟻集団はこれで収まらず金鐘方面に移動開始して金鐘過ぎて香港警察総部へ。数千人での包囲。活動家釈放求め警察に黒警、警狗と罵声浴びせ鶏卵を壁に投げつけ出入り口を塞ぐ。今晩は警察は外に防御の警官も立たせず黒蟻たちの好きにさせる忍耐。その後この包囲は午前1時過ぎには大方の参加者が散つたものゝ百人単位が残留。警察は午前3時半に彼らの一掃に警官が出て、但し胡椒スプレーも使はず警棒で威嚇しつゝ彼ら追ひ払ひ数十名が湾仔の修頓公園際で警察に囲まれ身元確認のみで放たれる。

逃亡犯条例騒動に押され余り話題にもならなかつたが復旧した立法会で、この会期末のドタバタの中で中環の海浜人民解放軍の軍用地にする件も審議日程の隙間を突き自動発効。元々、中環には英国軍からの引き継ぎで香港政府隣接に中環軍営あり。ここの海側の埋立地を軍用地にするもので香港“市役所”はヴィクトリアハーバー沿岸の海浜公園で、この部分が軍用地になつても沿岸の長廊(プロムナード)は維持されるので市民のレジャーには影響なし、と説明。香港がいくら特別行政区とはいえ外交と軍事は中央政府管轄で、これに抗議すると香港の一国両制どころの話に非らず。黒蟻隊諸君も行政長官弁公室まではデモしても隣の中環軍営には壁に落書き一つせぬのは賢明。

これも逃亡犯条例なければトップニュースなのだらうが元行政長官「貧官曽」の収賄の上訴審判決。終審裁の判決で“The top judges on Wednesday said being deliberate did not necessarily equate with being wilful.”なんてまるで禅問答。いくら読んでも司法のかうした判決はわかりにくい。

(星島日報、27日)前行政長官曾蔭權因瀆職而被判囚二十個月,去年雖獲減刑至一年監禁,但仍未能洗脫罪名。終審法院五位法官昨一致裁定曾蔭權上訴得直,定罪刑期一併撤銷,又因曾蔭權已服畢刑期,下令不作重審。曾蔭權纏訟五年,終洗去瀆職罪名,惟終院在判詞強調,若非原審法官引導陪審團商議裁決時的不足,上訴方根本無從推翻定罪,又基於重審不符公義要求,終院才決定不作相關命令。

つまり元行政長官「貧官曽」の特首退任間際の収賄に関する裁判、貧官曽は不正行為ありとして懲役20ヶ月の有罪判決で既に12ヶ月収監で出所してゐるが、その有罪判決不服とする上訴につき終審裁は下級裁の有罪判決を取り消し。但しすでに刑期を済ませてゐるため再審を認めず。無罪に当るのか?司法に暗いアタシにはよくわからない。最終的に贈賄側からの利益がどこまで実際に行政長官による利益誘導に当るか?で、これまでの裁判では裁判官から陪審員に正確な判断材料が提供されておらず、また貧官曽が引退後の住居に市場価格よりも低い賃貸料でマンション入居できた場合、それがどこまで贈収賄になるのか、も判断難しいところ、と。さうした点につき下級審の審査で不足があつたとすると、その判決に基づく再審上訴もできず、終審裁はさうした点も考慮での今回の「もうこれで終ひにしませう」判決?

農暦五月廿三日

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連日黒シャツの「口罩党」つまりマスク党の連中が役所に邪魔に入り政府に圧力かける作戦の展開。逃亡犯条例には世論の多数が反対しても撤回求めての、この抗議活動は「また若い連中がワケのわからないことして」と思はれるだけ。大公報の社説は彼らの「正論」としては一読の価値あり。撐警隊護法治挺林鄭 重建信心香港再出發 黒蟻諸君の次の動きは明日(26日)のG20に向けた集会の予定だつたが、その前に明日、各国総領事館等への請願行動の由。

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かうしたことを短期間に準備して実行してしまふ香港の行動力は凄い。中共は外交部副部長だつたか香港の逃亡犯条例は国内マターであり主に経済問題を協議するG20に掛ける事柄に非ず、と。米国もトランプは以前この条例改正@G20に呟板してゐたが、政治のかけ引きである、敢へて香港カードを出さぬことも十分にあり。このG20対応とは別に民陣は「撤回」と「暴動否定」といふ政府答弁の引出しにつき明日の午後9時(民陣G20集会終了時刻)と最終通牒。

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これに応じない場合は27日(木)に中環の律政中心に抗議に押掛ける由。これまで、あれだけデモや抗議活動を続けても律政司の本拠地・律政中心(旧香港政府総部東翼)は外してゐたのだ。

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政府はすでに条例は事実上の廃案と説明。建制派の政党はもう撤回としてもいゝのでは?と秋風送る。612の警察の鎮圧についても、その武器使用等は第三者委員会により公正に精査する、と。よつて明日午後9時までに“市役所”が正式に回答するとは思へず。その場合、27日の律政中心への抗議活動が実行され、そして最後の抗議地点は行政長官が籠る禮賓府(行政長官公邸)となる。その行政長官リンテイゲツガの支持率。

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前回調査より10.6p下落の37.5%は1997年の初代長官・董建華からのワースト1位といふ輝かしい記録成就。辞任?はあり得ず曽鈺成(民建聯)やAnson陳方安生(泛民主)らの重鎮も「現在の選任方法で次に誰か選ばれても何か抜本的な為す術はなく林鄭がどれだけ善後策を提案できるか」と。但し今回の条例騒動以前から不人気の律政司の辞任は避けられぬところか。この香港の不安定が追ひ風になつたのが台湾の蔡英文総統で総統続投は無理、先づ民進党で候補者に残れるかといはれてゐたのが香港の一国両制不安定の現状から蔡総統の支持率上がるとは。こればつかりは習近平も忸怩たるものありか。

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さて本日、といつても相変はらずどーでもいゝことばかり……銅鑼湾MTR站構内の巨大広告で「ぺんてるが開発のスーパーライナー」といふのを見かける。筆記具好きとして食指動いたが未知の新製品につき慌てゝ須磨帆で調べたらぺんてるとコラボした鐘紡のアイライナーであつた。

お気に入りのRay Banのサングラス、レンズにロゴ入つてゐたので、そのまゝにしてゐたのだ近視(老眼はサングラスなんで無視)でやはりり遠くが見えない。でレンズ取り換へたのだが当然、海鞘のレンズにRay Banロゴないのがさびしい。

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……でネットで探したら内々で売ってるのですね、ロゴのステッカー。これが今日、郵便で届く。午後遅くから大雨となり黄色警報発令。

https://ebay.to/2LgdKGb

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我ながら手先器用でいゝ仕事。微妙な位置で、あと0.5mm内側だつたら完ぺきであつた。

映画〈千と千尋の神隠し〉中国で公開。「腐れ神」油屋で入浴のシーンだけが一寸「編集あり」といふ話も。ゴミと穢れをたっぷり呑み込んだヘドロの泥、それが浄化される……中国で意味深といえばさうかもしれない。

これが「魅力度最下位から脱出」に少しでも効果あるかしら?なるか? 茨城県民にとつてLGBTなんてレンコン、ゴボウ、豚とタバコの生産だつたのに。