昨日の日剩補填。菊正宗酒造の通販で届いた荷物の梱包。大きさの異なる二つの箱をこのやうに縛るとは。日本のかうしたスキルは真に有趣。
そこにこれだけのものが詰まつてゐた。菊正宗は菊正宗(上撰)申し分ないところ偶には趣向をかへて。甘い酒は好まないが酢橘と檸檬の冷酒はさっぱりとして美味。
富士山を模つたぐい呑(有田焼)はインバウンド向け?で日本趣味の知己に贈らうかと思つたのだけれど歌人が「うちにあるのは地味なぐい呑ばかりだから」といふことで陋宅用に。
配信で荻上チキのラヂオ(TBSで10日晩に放送)木村草太先生の回を聞く。石破君が首相就任組閣前に「衆院解散言及」違憲かといふ点につき(石破本人も首相就任組閣前に解散を宣言したのではなく「たられば」としてゐるが)かのやうに述べてゐる。
- 天皇の国事行為としての「衆議院の解散」は形式的・儀礼的なもので内閣の「助言と承認」機能に実質的決定権はない。
- 強いていへば衆院で内閣不信任の場合に内閣は衆院解散か総辞職を選択し得るとされてゐるので(憲法69条)内閣の解散権行使は内閣不信任の場合に限定されるべき。
- しかし衆院解散は結果的に選挙で衆院の構成につき国民の審判仰ぐ制度のため「国民の審判」が必要な場合に解散権の行使を認める(憲法69条非限定説)。それは「公共の福祉実現のため」の解散権行使で党利党略や私的利益のための解散は当然違憲。
……とすると今回の解散は「国民に選挙で真を問ふ」大義はあると思へるが石破政権となつて国会でまともな論戦もないまゝ選挙急ぐことは自民党の党利党略そのものだらう。また草太先生は人権や個人の権利尊重で「平等」は重要だが法律に平等が謳はれてゐることだけでは不十分で実際に女性や同性愛者などそこに差別や個人の不益が生じてゐたらダメなわけで、そうした不差別や個人の尊厳の徹底までできることが本来の姿。……といふやうなことを述べられてゐた(はず)。
甲辰年九月初十。気温摂氏13.8/24.1度。秋晴れ。JREバンク(楽天銀行)の預金者特典でJR東日本の優待割引券2枚いたゞく(同社株主優待割引と同条件)。低金利のなかこの優待券だとか「どこかにビューーン!」の割引があるだけでもありがたいか。それにしても行き先が東日本に限定なのが行き飽きてしまひさう。せめて北陸もあれば。
今年は秋刀魚がそこ/\豊漁ださうで値段も昨年ほど高値にならず。高齢ゆゑ秋刀魚一匹と豆腐1/4丁で酒の二合もあれば夕食もそれで十分。
武田砂鉄のラヂオ(TBSのプレ金ナイト、11日)配信で聞く。ゲストは安田浩一さん。近刊『地震と虐殺 1923-2024』(中央公論新社)で関東大震災の朝鮮人虐殺は震災による犠牲ではなく震災後の他に社会主義者なども含め人為的行為による虐殺であること。そして中津川での朝鮮人労働者虐殺が起きたのは震災の前年であること。現代は少なくとも「虐殺」は起きてゐないが蔑視と侮辱の対象は朝鮮人が中国人に、クルド人に向けられ今日迄連綿と続いてゐるといふこと。常に社会で最も弱い立場の人々、抗議の発言の回路すら持つてゐない人々がその犠牲に。無表情な武田砂鉄さんを前に国会のやうに万歳して見せてゐるのは澤田大樹記者(TBSラヂオ報道部)。
小学の高学年の頃、母の本棚にあつたのか書店での立ち読みだつたのか小澤征爾『ボクの音楽武者修行』を読んでゐて、フランスで颯爽と現れる「京子さん」には子どもながら格好の良さに憧れたものだつた。野生児のやうな小澤征爾とのコントラストがおかしかつた。それが三井の大番頭・江戸英雄の娘だつた。父(英雄)は茨城の筑波郡作岡村の出で旧制水戸高校の第1期生だから家での話によく出てきてゐた。友だちのO君の母は筑波の江戸家の出だと聞いた。