富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

坐禅と紫陽花

癸卯年四月廿三日。気温摂氏19.5/26.5度。曇。

知己のガイジンが〈坐禅と紫陽花〉といふ水戸市の外国人市民向けの散策に参加するといふので邦人も参加できるので末席を汚す。坐禅曹洞宗祇園寺にて。折角なので水戸城下の地図をベースにブラタモリ的にこの都市の構造を説明書きしてあげた。

天保12(1841)年以降の水戸城下地図がオリジナル

もし水府が千波湖を1/3の大きさにまで埋め立てをせず下市の運河をそのまゝにしてゐたら文字通り水都で美しい光景であつただらう。勿論、水害はかなり深刻で治水にかなりの労力を削がれるだらうが。この地図を見ても徳川光圀による寺院の市中からの追ひ出しがよくわかる。今日訪れた祇園寺も市中と郊外を別ける四ノ堀の外で当時は常盤村

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坐禅は正味20分ほど。坐禅は大学のとき以来でずつと昔のこと。高校のときに、この寺で坐禅をしたこともあつた。今日は隣の高校は併設の中学は運動会で高校が文化祭といふ「そこまで一緒にやるかよ」なイベントデーでかなり賑やか。それでも祇園寺のなかに入るとまことに静寂そのもの。坐禅のあとは東に、つまり昔なら四ノ堀から市中に入り水戸八幡宮へ。こちらも紫陽花がよく咲く場所。梅雨どきでもこちらは風が本当によく抜ける。斉昭公が避暑に訪れたのも納得。太郎坂を下り崖下を西に保和苑に向け歩く。家人とのいつもの散歩道だが野良猫の「みかちゃん」は今日は出て来ず。


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折から水戸のあじさいまつり - 水戸観光協会も今日が初日。紫陽花を愛でる小径で若いカップルの男子が彼女に明るいところの紫陽花は色が抜けてしまつて日陰の方が色がきれいに残るし、みんな目線の高さばかり見てゐるが実は地面に近い目立たないところに美しい色の紫陽花を見ることができる……なんて説明をしてゐて感心して聞き耳を立てゝしまつた。


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祇園寺に駐車してゐる参加者も数名ゐたので保和苑から祇園寺まで松本町の路地から路地を抜けて道案内。高校のころに授業を抜け出して、やることがないと保和苑まで来て一服しながら時間を潰してゐたので、このあたりの路地は詳しい。高校の文化祭ももう終了間近だつたが黄門を潜つてみたが今では本当に健全な、制服もある男女共学の中高一貫校で昔の面影も何もない。当時は文化祭では「ジャズ研」のバンドが延々とロックコンサート。教室を改造した模擬店の「喫茶」も半分の間仕切りを潜ると裏でビールとか供す飲み屋を闇営業してゐたり。本当にひどいものだつたが楽しい青春時代だつた。今は文化祭のあと歓楽街に打ち上げとかに繰り出したりもしないのだらう。

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切花でだいぶ草臥れたお花も最後まで愛でてあげたい。