香港と深圳の出入境は鉄路が羅湖で自動車道路は落馬洲に近い皇崗だつたが鉄路では落馬洲から福田が繋がり自動車道路も西の元朗〜蛇口に橋が掛かり文錦渡が繋がり大規模な蓮塘口岸ができたことで最も老朽化の進んでゐた皇崗口岸が閉鎖となつてゐたが新皇崗口岸の建設は「湾区で最大規模」を誇り香港と内地は更に密接になるのだといふ。香港の「政治治安悪化」で白色テロ恐れる抗議派の若手が続々と離港と蘋果日報。
国会３選挙での自民敗北にスガは国民の声を真摯に受け止めるとコメントしては見せたが何か抜本的に自民党を軌道修正できるやうな発想も意欲もスガにあらうはずがない。欧米の主要紙を見ても今回の選挙のことすらまともに論評もされてゐないのは、もうこんなことで何も日本の体質改善が期待されてゐないからなのだらう。
愛知県の大村知事が名古屋市長に当選の河村に苦言呈するのは当然として大村リコールの盟友であつたはずの高須院長リコール運動巡り「河村氏と絶交」（朝日新聞） ださうである。それでも河村のおっさんは自分は名古屋市民の信任を受けたと開き直るのだから。今回はさすがのおっさんも頭には落選の二文字が過ぎりもしたさうだが当選しちまつたのだから余計に開き直るだらう。
本日農暦三月十五日。快晴。常磐高速から初めて圏央道をつくばJCTから西に走る。陽光子友乃会本部の巨大建築に思はず脇見運転は危険。坂東の田植えを待つ穀倉地帯。圏央道の「喜四郎カーブ」。この高速道路も旧水海道から旧岩井市を抜けて野田の方から埼玉に入つてゐたら距離的にはさぞや便利だつたのだが中村喜四郎先生らの尽力で茨城県西にかなりの工場や流通の拠点ができたことになる。「喜四郎カーブ」から農村地帯に不釣り合ひな高架が続き、まるで中国の珠江河口だが眼下は利根川。台風19号での氾濫こそあれ高速道路だけが天に架けられたやう。茨城県で唯一、利根川の南に位置する五霞町を抜け埼玉へ。東武鉄道の踏切でちょうど特急りょうもうに遭遇。埼玉県幸手（さって）のさてこの先のどこに東武動物公園なんてあるのかしら？といふ中途半端な郊外をナビに合はせ細い道路をくねくね走つていつたら「左折です」といはれて「道路なんかないのに！」と思つたら案内看板もなかつたのに、いきなり東武動物公園の西ゲート入り口であつた。かなり殺伐感あり。東武鉄道が日比谷線直通で日比谷線で「東武動物公園」は行き先にあつたがどこにあるのかも知らなかつた。もつと東武鉄道の東武動物公園駅に隣接なのかと思つたら「徒歩10分」くらゐ離れてゐる。
東武動物公園のアトラクションフリーの入場券なるものが手許にあつて東京は緊急事態宣言だが埼玉の遊園地は開園してゐて平日だし疫禍でさすがに混雑もないだらうと出かけきた。丁度午前９時半の開園で数組の家族連れがゐた程度。平日とはいへ閑散具合はステイホームどころではない。それでも職員が朝から草花の手入れなどすごい一生懸命してゐて敬服。
コロナ以前は年間130万人の集客といふが1日あたり3.5千人では、この規模のアミューズメント施設の維持は大変だらう。それでも入場者数は全国５位（こちら）。「ハイブリッドレジャーランド」と謳つてゐるのだが園内は実にのんびりしてゐて昭和のテイストばっちり。動物たちも天気も良く実に気持ち良さそう。
さまざまな動物を愛でて漫ろ歩いてゐたが一番あばらかべっそんだつたのは豹舎の前から離れず檻の中の豹に豹語？叫んでコミュニケーションとりながら高級デジカメに望遠レンズつけて愛豹を激写しまくる全身豹柄のコスチュームでキメたマダムパンサーだ。彼女が振り返つたらマスクも獣面なのだ。完ぺき。周囲の誰が尋ねたではないが毎日来てゐるのださう。もう豹に帰依、豹が憑依してゐるのだらう。崇高な世界。
園の西半分が動物園で中央に巨大な観覧車があつて、そこから東半分のアミューズメントパークには西ゲートまでパークラインといふ鉄道が走つてゐる。ワンマン運行のとても親切なスタッフに「これも路線としては東武鉄道なのでせうか？」と聞きたくもあつたが、きっと年に何回かはさういふアホな質問をされてゐると思つて口にしなかつた。
パークラインは単線で終着では機関車だけが転車台で方向を変へ副線で反対方向の先頭に移動する。よく出来た転車台で鉄道ファンにはたまらない。
高所恐怖症でジェットコースターなんて絶対に乗らないのだが今日はアトラクションフリーのチケットで待ち時間もゼロなら同乗者もゼロなので家人と二人だけなら、どんな醜態を晒しても恥ずかしくないだらうとジェットコースターや観覧車にも乗つてしまふ。快晴。地元の幸手や宮代の幼稚園が同系列で大型観光バス20台くらゐでやってきてゐた。それでも園内は広いのでけして混雑感はない。昼過ぎまでで大方遊び終へて昼食を園内のレストランでとるのも何なので午後イチで動物公園を出る。東北本線（今は宇都宮ラインとか呼ぶのか）の蓮田駅前に人口に膾炙する麺屋があるやうで帰路とは方角が反対になるがせっかくだから寄つてみることにする。
昼食どきでも午後１時すぎで１組待ちで大好物の蛤のラーメンをいたゞく。蛤そばよりもこの和風ラーメンのほうが美味しいかも。出汁のきいた和風スープも美味で自家製麺の麺が細からず太からずコシもあつて見事な調和。
埼玉でも屈指の麺屋さんださう。その上、内装もシックで上品なジャズが流れてゐてお店の方のまぁ愛想の良いこと。笑顔で客を迎へ「またどうぞ」と送り出す。大したものである。帰路も、さて高速道路を走るのもつまらないし、まだ午後２時半くらゐなので下を走ることにする。蓮田から久喜まで北上して東向で国道４号線（日光街道）を越へて幸手。千葉の野田の手前から北に向かふと茨城県の五霞町に入る。不思議な地理……といつても土地や河川は自然でヒトが勝手に行政区分を決めただけなのだけれど。今度は国道４号線でも新４号バイパスに入る。何う見ても高速道路、圏央道が県道に思へるほど道幅も広く快適。東北自動車道がかなり西をカーブして宇都宮に入るので日光街道から更に分岐した、この新４号バイパスが宇都宮方面に重宝されてゐるのも納得。五霞町から利根川を渡り古河市なのだが、この先今度は栃木県の小山に入り、そこから国道50号に東向きして茨城県の結城に。このエリアは地理好きには千葉、埼玉、栃木と茨城そして今日はそこまで行つていないがほんの少し西へ行けば群馬で、この６県の密は本当に面白い。それも旧国境であつた河川が、この地で坂東太郎と異名をとる利根川に集まることで、このやうな行政区分の密集が生じたから。埼玉の蓮田から水府まで高速を使はず100kmの距離で２時間半であつた。これくらゐの距離なら運転できるのも運転好きではなくて地理好きだからなのだとわかつた。水府に戻ると明日が満月のやうだが今宵は旧暦の三月十五夜で明るい月圓が東の空に上がつてゐた。
