富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦九月初七


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着実に進む湾区での内地と香港の一体化。今日の大公報は香港・マカオの弁護士が両地の資格で「内地での執業可に」と伝へる。これは裏返せば港澳での内地弁護士執業となるわけで本来、法体系からして違ふのだから容易ではないはずなのだが無理やりでも法制の一体化が必要なのだらう。あとはプラクティスでといふ判断。そもそもコモンロー(香港)と大陸法といふ違ひがあり更に中共三権分立・司法独立否定で根本的に矛盾あるはずなのだが。まぁそんなこと何うでもよいのだらう。湾区が一体化すれば良いだけ。蘋果日報報じるのはマレーシアでの政府系ファンド(1MDB)巡るナジブ元首相絡みの不正疑惑でG&Sへの巨額罰金について(日経)。

東証一部でGPIFや日銀の公的マネーが大株主8割 4年で倍増1,830社に:朝日新聞

晋三のアベノミクス公的年金ファンドや日銀が株式買ひ支え。香港市場への中共の買ひ支えの方がまだ明らかに公的資金流入で大株主にならないだけマトモか。晋三は改憲とか国の安全保障体制の見直しとか以上に、かうした経済のモラル壊してまでの景気対策(対策にもなつてゐなかつたのだが)は国賊的な犯罪行為だろ、これは。

今ではすつかりアメリカンリベラルの良識的泰斗となつたフランシス=フクヤマ先生の米国政治へのコメントは秀逸。

大統領の権力をチェックする責任は議会にあり政権与党(共和党)にもあります。しかし、それが十分に果たされたとは言えません。その意味で政治制度の弱点が浮き彫りになりました。一方でメキシコ国境の壁建設に司法が何度も「待った」をかけるなど一定の歯止めも利きました。そもそも米国憲政にとって何より重要な「抑制と均衡」は選挙です。この大統領選は米国の民主主義の健全ぶりを測る選挙といえます。

(トランプの)4年前の当選時は大統領に就けば重責を肌身で感じ研鑽を積むとの期待もありました。現実は正反対でした。政策遂行能力から大統領としての立ち居振る舞いまで、すべてが劣化しました。

(それでも多くの国民がトランプを熱烈に支持するのは)米国政治の変容を理解する必要があります。党派の対立軸が(成長重視の)右か(分配重視の)左か、という経済政策によるものだったのが21世紀はアイデンティティに取って代わられました。自身の尊厳や価値観を認められたいという欲求の受け皿になるかどうかが重視される時代になったのです。端的に言えば共和党社会で徐々に存在感が薄れゆく白人層の政党。民主党は女性、人種などをめぐる様々なマイノリティー、高度専門職に従事する白人が支持層に混在する政党になりました。

(その中でトランプが果たした役割は)多くの白人労働者層や低学歴の有権者はトランプを自分たちの価値観や尊厳を大事にしてくれる英雄だと見なすからこそ忠誠を誓うのです。トランプの政治的な本能が自分たちのアイデンティティの承認を求める彼らを見事に結集させたと言えます。自分とアイデンティティが異なる層が社会で台頭すれば、それは脅威と意識されがちです。そうした状況で恐れや憎しみといった感情がもたらす効果は絶大です。利害に照らした合理的な判断より同じチームの一員かどうかが重視されることになります。あなたがトランプ支持者なら自分のマスク姿を仲間に見られたくないと思うでしょう。もはやマスクは感染予防用ではなく政治的なアイデンティティの表象になってしまいました。


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早晩に「本局」へ。水戸中央郵便局を水戸ではさう呼ぶ。大切な郵便物預かつたので風呂敷に包んで。我ながら風呂敷包みは下手ではない。遊びでちょっとベロを出してみたり。

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昨晩テレビつけたら日テレのケンミンショウだかいふ番組で北関東三県SPなるものやつてゐた。日本でも自動車保有率がトップから3位まで群馬、栃木、茨城と並ぶほどで国道バイパス沿ひに大型チェーン店並ぶが全国チェーンだと思つてゐるものが実は和食の「ばんどう太郎」は茨城県オンリーで25店舗。「ばくだんハンバーグ」で人気のフライングガーデンは北関東三県を跨いでゐる。味噌のおにぎり(味噌を塗って焼くのではなく味噌を塗つたまゝの生)も北関東オンリーの定番ださうだがアタシは食べたことがない。この番組でだとか北関東は三つ巴で悪口言つてみせるさうだが巫山戯てゐるだけで基本的に隣県に意識はないだらう。3県とも意識も鉄道も道路も東京に向かつてゐて横の移動は極めて少ない。群馬や栃木から茨城の海岸に来るくらゐだらう。そして(この番組でも取り上げてゐたが)茨城でいへば古河は面白い場所で茨城県にありながら鉄道は東北本線で古河の住民で県庁所在地・水戸に来たことなどない県民は多数。なにせ鉄道もバスも水戸になど向いてゐないのだ(確か路線バスは下妻行きはあつたか)。この古河から西に少し行くと栃木、群馬と埼玉の県境が輻輳してゐてじつに興味深い地域なのだ。