農暦十一月初三。自慢ぢゃないが、これまで人生で一度も“STAR WARS”の映画シリーズを一本も見たことがなかつた。周囲の連中がスターウォーズで盛り上がつてゐるときもスペースファンタジーは『2001年宇宙の旅』でしょ、スターウォーズなんて子どもっぽい娯楽映画とバカにしてみせ映画雑誌でタフコフスキー監督の『惑星ソラリス』のことを知つて見てはみたいが東京でなら名画座でときどきかゝつても田舎の子にそれを見る機会もなく初めて『惑星ソラリス』を見たのは高校の時だつたか深夜のテレビ映画劇場だつた。それで今日まで“STAR WARS”がいくら連作でかゝらうが見もせずきたのだが今回『最後のジェダイ』という新作でお招きうけ折角なのであの世の土産にと初めて“STAR WARS”シリーズの映画を見ることに。あのテーマ曲(冨田勲のシンセサイザーでのアレンジ曲は見事だつた)とダースベイダーとかスカイウォーカー、レイア姫といつた名前は知つてゐてもストーリーも知らないのでネットでさらっと予習。尖沙咀の映画館でIMAX 3Dといふ立体映像で見たが映画は遠近感あるのはいゝが字幕が(見ないので幸いだつたが)字幕がやけに近く本編と字幕を交互に見るにはかなり辛いだらう。この悪の権力と正義のレジスタンスとの戦ひは、かなり良識的に面白いのだらうし、そこに親と子のギリシア神話的な葛藤であるとか、ルーカスらしいまるでクロサワ映画的なチャンバラや映像美は大したもの。だが抵抗軍の中に何だか変な生き物が人間と一緒に戦つてゐたり島の鳥に感情があつたり、さうした点が(この映画がディズニーになつて余計にさうなのかもしれないが)あまりの子どもっぽさに興ざめしてしまふ。それに基本的に銃撃されても爆弾でも死なない不死身とか、さういふの、苦手。映画のお招き受けた上にユニクロのJoe Kawsコラボの黒スヌ、自分では買はなかつたが私がスヌーピー好きと知つてゐる旧知から貰ふ。寝室にはもう50歳以上になるスヌーピーともう一匹、そしてこの黒スヌで3匹になつてしまつた。
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