農暦五月廿三日。薄曇。昼の在香港総領事館で晋三への不満をこめて在外選挙投票。在外選挙人証を何処に仕舞つたのか見つからず二週間ほど前に再発行申請を総領事館にしたら先週末には日本の地元の選管からEMSで1,400円もかけて郵送あり。投票はこの在外選挙人証と本人確認に旅券や運転免許証、香港の場合は香港IDとなるのだが、在外選挙人証は名前が日本語で書かれてゐて運転免許証なら名前も同じ日本語だが旅券の場合は名前はアルファベット表記だけ、香港IDの場合も同様。日本語の漢字の場合は漢字の読みをアルファベットに照らすだけ、となる。アタシの場合、香港IDには「富柏村」と中国語風の氏名のあるので「それは無視してアルファベット表記のみ見てください」と請ふことになる。いつも思ふが何だか辻褄の合はない話。中国でも韓国でも自分の名前のアルファベット表記といふのが明確にあるわけで日本語も身分証明等ではアルファベット併記を徹底すべき。旅券には名前だけ日本語併記があつてもいゝ。相変はらず静かな投票所でスタッフや立会人のほうが多く説明も丁寧で長く此方は何だかペコペコと明治23年の選挙風景の如し。で参院選だがいくらアタシが晋三への不満を一票に託したところで「自民圧勝、野党低迷」。これまで何度か衆参で番狂はせの自民党惨敗もあつたが今回の選挙では番狂わせは「ないだろう」と山田孝男(毎日新聞の風知草)は「このまゝ推移すれば」って、そりゃ、このまゝ進むはずが進まなかつたから、の番狂はせ。このまゝ進むかどうか?を推測できてこそ、だが孝男さん曰く、政権批判の拡大・集中する流れになつてゐない、而も21世紀に入つて選挙世論調査が大筋で外れた例がない、と。確かに。この先、期待できるのは株価大幅下落くらゐとは。それでもアベノミクスはすでに国民の間では「敗北を抱きしめて」で消化されてしまつたのだから始末に負へない。大橋巨泉さんは週刊現代(7月9日号)の連載「今週の遺言」で体力衰へ、これが本当に最後の遺言として遺す言葉が
安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせてください。7月の参院選挙、野党に投票してください。最後のお願いです。
だが今の世相では晋三支持者でなくても「なにをそんなムキになって安倍さんの悪口言ってるの?」でチョン。
▼最近ずいぶんとマシだと思つた共産党でも昨日のNHKの朝の政治討論番組で防衛費を「人を殺す予算」と宣つた議員に唖然。センセーショナルな物言ひで議論けしかけたつもりなのか、逆に大きな顰蹙かひ自爆。政治家は言葉を選ばなければいけない。最近ではすつかり厭世派の文人のやうな風貌の与謝野馨先生曰く
私は2005年に自民党新憲法起草委員会の事務総長を務め第1次改憲草案をまとめた。2012年の第2次草案には緊急事態事項が新たに盛り込まれた。だが「緊急事態」が何を指すのか不明解だ。政府が国民の生命、財産を守るのは当然で、あってもなくてもいい規定だと思う。
迂生と郷里を同じくする故・梶山静六先生も2000年の疑問多き急逝の2年前に
いま政治家に重要は先ず日本という経済国家の実態がいかに危機的で、このまま21世紀に突入すれば国際社会の中でどうなってしまうのか、という本音を余す処なく語る事。その上で時には国中に我慢を求め、こうしなければらないという全体像を示して信任を仰がなければならない。
と誠に至極な提言。さうした先達の見識に対して元首相鳩山由紀夫君の突飛な動きが興味深い。クリミア訪問したと思へば今度は中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB諮問委)の委員(実質上の顧問)に。「私が日中友好に努力している姿を(中国側が)みておられたと思う」と。どこまで「我が国の方針、国益」に反することができるのか……かうなると最後まで見てみたい気が。
▼もう、話題にしなくてもいゝのかもしれぬが英国のEU離脱騒動。EU残留派が多数の倫敦が「英国から独立」なんて軽口もあるが王室はその場合、倫敦を去ることに?倫敦が独立なら香港をその極東サテライトとして是非ご一緒に。