農暦十一月十日。香港大学の図書館カード、更新の要あり。折角なので延長なつた地下鉄の港島線で「香港大學站」へ。站名は「大學」でよささうだが東鐡線にすでに中文大学の大學站あるため重複不可。港大站でもいゝのに。上環から延長で最初の西営盤站は工事完了せず未開。站の構内にトイレがあるのは元KCRの路線除けばトピックス。香港大學站が市街からも大学からも遠くて不便と聞いてゐたが列車降りてコンコースに上がり150mほど通路歩き6基だかあるエレベーターで(エスカレーターはない)上がると薄扶林道上で連絡橋渡れば列車降りて4分51秒で大学のキャンパス。便利。図書館まで3分とかからない。これならもっと頻繁に来館可。これまで北角からミニバスで、これはこれで北角から銅鑼湾のLeigton街、湾仔のQueen’s Rd East抜けミッドレベルでRobinson Rdのコースは面白く香港大の西門から入るのが裏口っぽくて風情あつたが。昼に日本人倶楽部の食堂でN君と昼餉。まだ仕事終らず官邸に戻り一仕事。晩に御節料理少しと年越し蕎麦。毎年、馬鹿ばかしいといひつゝ他のチャンネルもないのでNHKの紅白ちらちらと見てしまふ。紅白を止めないかぎり日本はダメだし、紅白を止めてしまふと日本って終はつてしまふのだらう。この何年か大晦日に一葉の「大つごもり」読むのが習慣になつてゐたが、話の筋からして年末が還付期限の借金の話などあり、明治27年にすでに世の中は新暦であつたやうだが(明治20年あたりがやはりキモで、元旦に御真影拝賀など始まる)大つごもりは毎月の「月籠り」つまり陰暦の新月のころが「つもごり」で「大つごもり」なら陰暦の大晦日であるべき。偶然だが斎藤美奈子が東京新聞のコラムで一葉の大つごもり取り上げ、お峰が親の借金2円の返済に窮するが大店の放蕩息子•石之助は親に50円無心の上にお峰が奥様から盗んだ2円誤魔化すためか抽斗の18円も拝借致し候の話で「石之助は親切っぽいけれど六十八円をせしめた石之助と二円で救われたお峰の差こそ格差社会の現実」と指摘。さすが。睡魔に襲はれ(一時間時差でも紅白も終らぬ)晩十時過ぎに就寝。