農暦十月十七日。寝てゐる間に喉がかなり乾燥して朝かなり咳が出たが、そのあとは治まる。全く以つてお恥ずかしい話だが数日前の日乗で藤原新也の香港ルポの記述をすつかり沢木耕太郎と勘違いしてゐたことに今日、或る方からの指摘で気づく。香港エッセイ=沢木耕太郎か山口文憲ってのが頭にこびりついてゐるアタシ。与党3分の2超す勢ひ、と毎日新聞は「自民単独での3分の2超えも視野に」ってそんな……かうなると唯一の希望は自民党内でハト派がどれだけ踏ん張るか、かと暗澹たる思ひで総領事館で衆院選の投票。地方区は共産党除く野党統一候補に、比例代表は共産党に……が反自民としての筋か。今日、香港に暮らして初めて「アマさんご用達」の国際送金大手ウェスタンユニオンでフィリピン在住A氏からの送金受け取る。やはり王道で中環の環球大廈にあるカウンターにて。送金シリアルナンバーとHKIDあればこんなに簡単に現金受領できるとは。まぁ怖いのは治安悪ければ現金受け取った後なのだが。ここに並ぶと日本人だと目立つ。しかも受け取りで列に並ぶフィリピンさんたちがアタシに「金の工面が大変なのね」という視線(笑)
ぼくが、くどくどと戦争について喋るのは73年前の12月8日、真珠湾攻撃に喜んだ世間と、今の日本人、どこが違うのか。戦争はしない、戦争は嫌だというのはまことに結構だが、人間というものは、人間を差別する。また、国家というものは、自らを守るため、戦争という手段にも応じる。戦争について考えることがなければ戦争をしないという覚悟は生まれない。
と野坂昭如。来年戦後70年に「戦争当時のことや戦後の歩みに思いを寄せる大切な年になる」と雅子皇太子妃。
▼麻生マンガ太郎が社会保障費増は「子供生まないから」と指摘。「麻生よ、このセリフを安倍に向かって言えよ」と山口二郎。マンガ太郎は又た日本は「一国家、一文明、一言語、一文化、一民族、ほかの国さがしても日本のような国はありません」と宣はれた由。こんな発言をする首相経験者がゐる国は確かに他にはない。「みぞゆう」のマンガ太郎と一文化、一民族と言はれるのが恥ずかしいかぎり。
▼東京新聞の「こち特」で元朝日新聞記者の採用につき北星学園大への脅迫について「問はれる大学の自治」の記事。渦中にあるU氏がインタビュー取材に応じてゐる。1991年の慰安婦報道について「元慰安婦の女性は騙されて慰安婦になったと書いた。強制連行だったとは一言も書いていない。報道に際し韓国人の義母の便宜を受けたこともない。捏造などではない」ときっぱり。バッシングに対して札幌市内を移動する毎日ださうで反論を文章にしたり取材に応じたりするのも、実名や学校名、画像まで曝された娘さんに力づけられたといふ。父であるU氏の撮つた写真で、娘さんはU氏に「写りの悪い写真が出たので余計に腹がたつ」と気丈夫に振舞つて見せた、といふ。偶然だがアタシはU記者と30年も昔、面識あり。仙台の駅前、名掛丁の横丁の角に「駅前酒蔵」といふ焼き鳥屋あり、そこで一緒に飲んだりしてゐたが小上がりにゐた学生のグループが創価学会だとわかると(名掛丁アーケード街の入り口にあつた仙台書店が学会系書籍充実)「キミたちは池田先生のは読んでゐるのだらうけど戸田聖城は読んだことがあるのか?」なんて元気にコメントしてゐたU氏が懐かしい。その後、韓国語も習得され当時の日朝国交正常化に向けての動きのなかで朝日新聞の平壌支局が出来たら初代支局長?なんて噂も勝手にしてゐたが、それが実現してゐたら今回の慰安婦報道問題浮上でもしたら「強制連行捏造に北朝鮮の影」とか書かれてゐたのだらう。報道に色をつけることなど、それほど簡単なこと。この東京新聞の記事にも紹介されてゐる紐育時報の記事“Whitewashing History in Japan”はこちら。
Mr. Abe, under criticism from China and South Korea and frustration in the United States, said in March that he would uphold the apology. In it, Japan admitted that tens of thousands of women from South Korea and elsewhere were coerced into sexual slavery. This is where the historical truth stands, despite revisionist scheming.
エコノミスト誌の記事“Abe’s demons”でもかなり厳しく突っ込まれてゐる(こちら)。
Japan must regain its honour, he (Mr.Abe) says. In an interview with The Economist, he said his heart ached thinking about the women. But he said previous governments had also taken his view that there was no proof of coercion. Historians disagree. They say women were treated as the spoils of war throughout Japanese wartime territories. Some were driven into prostitution by poverty. Others were enticed with promises of legitimate work or marched into “comfort stations” at gunpoint. Revisionists who describe them all as volunteers are “completely wrong”, says Haruki Wada, a former director of Japan’s official compensation fund for the women.
ここでも晋三がいくら否定したところで歴史的事実は不変と強調されるが朝日新聞が同じこと言つたら針の筵だが紐育時報やエコノミストだと無視で終はるから。