富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

中秋圓福

fookpaktsuen2013-09-20

陰暦八月十六日。中秋節の晩は月を愛で夜の更けるのも忘れるから、と翌日を休日にした誰だかは達見と毎年感じる。朝イチで近くの映画館で“JOBS”見る。iPhone5sと5cの発売に合はせたのだらう、香港でのこの映画の公開は昨日だが日本は十一月朔日ロードショー公開はいつものことながら遅きに失す。Mac好きの間ではすでに既知のSteve Jobsの一生のうち大学ドロップアウトからApple社立上げ、追放と復帰までの半生記は別段、椿事も映画にはないがAshton Kutcherが天性稀なるSJ 役好演、Apple社をば一緒に立ち上げたウォズ(Stephen Gary Wozniak)は人柄も優しさもよく描かれ演じたJosh Gadは助演男優賞。この映画、何よりも、まるで城山三郎的な企業物語として、とくに役員会の応酬ぶりが面白い。映画のあとZ嬢と待ち合せ太古城のユニクロと無印で買ひ物。丼丼屋で季節限定の帯広「ぶたはげ」(こちら)の豚丼頬張る。午後午睡。早晩にZ嬢と筲箕灣。銀行家A氏と待ち合せ路線バスで石澳の岬のつけね。龍脊まで歩き十六夜の月を愛でる。龍脊に辿りついても月の出る気配なくしばらく待つと東のどんよりとした霞のなかに赤い大きな月がぼんやりと現れ徐々に上るにつれ濃紅色が明るく橙色になり輪郭もしつかりするのをたゞ/\眺めること小一時間。持参の缶ビールと柿の種、ゴードンブルーのブランデーもきゅっと一口。月は香檳色に輝くほどになり東空にだいぶ上がつたのを見届け龍脊を土地灣の方に下る。路線バスで筲箕灣。越華會海鮮(こちら)に飰す。三更に帰宅。
▼昨日、知己から携帯にSMSで「中秋快樂」といふ短言届き、官邸でも職員が電話の相手に「中秋快樂」といふのを聞き、かうした表現があるのだ、と気になつたが陶傑さんが「中秋快樂」について書いてをり、それを読む(昨日の蘋果副刊連載「中秋圓福」)。
不知何時起,短訊交傳,時興講「中秋快樂」。中國傳統的中秋節,天心月圓,追求的是一份自在圓滿,「但願人長久,千里共嬋娟」,是比所謂快樂,更高的一層境界。「快樂」這個詞彙,概念完全是西方的:Merry Christmas and Happy New Year,新年快樂。快樂一詞一旦叫濫了,譬如「你Hap唔Happy」,即有一絲「越墮落越快樂」之現代惡俗。中國傳統文化,「快樂」不是最高境界。「竹裏坐消無事福」,「福」比「快樂」更高。能享清福,是超越「快樂」的。「快樂」只是大氣層,而有福,是太空無重的層次。
と。Happyのあまりの言葉の軽さと「福」を比べてみせるとは、さすが陶傑氏に敬服。