農暦閏四月廿一日。実に四月廿九日(日)に沙田競馬場でQE II Cup観戦に遊んだ日以来の休日。七週間ぶり。どぜう首相より明らかに多忙。彼よりは何かを決め仕事こなしてゐるのでストレスは少ないか。Z嬢と坑口からミニバスで西貢へ。通りかかつた家庭用品屋をいつもの習慣で覗くと駱駝牌のアタシが見たことない大きめのマグカップあり。外がアルミニウム、中が真鍮の何の変哲もない茶杯だがHK$158と高値なのは香港の戦後軽工業のシンボル的な駱駝牌(キャメルブランド)、その製造中止のデッドストックでアタシのやうなコアな蒐集家がゐるから、場末の家庭用品店もさういふ事情知つての高値。それでも垂涎で当然ご購入。Anthony's Catchで早めの昼餉。墨西哥風のピーマンの揚げ物とステーキサンドヰッチをシェア。グラスで赤葡萄酒。となりの店(名前失念)で美味くて安いパンとハム購ふ。日曜の混雑した西貢からミニバスで坑口村。T.C. Deli Shopで肉詰、チーズ購ひ将軍澳病院前始発のミニバスで北角へ一気に戻る。このバスは調景嶺を出てしまふと次は西灣河でかなり便利。ジムに一浴して帰宅。今日入手の食材で夕食。Ch. Talbotのセコンド、Connétable Talbot 07年飲む。NHKスペシャルで豊田自動車の海外シフトに伴ふ国内の自動車生産ピラミッドへの影響、インドネシア進出を決める三次下請けメーカーの苦労など見る。もう二十年前からのVWの中国進出ぶりなど見てゐるアタシには豊田も高性能車の輸出から大衆車の海外生産にシフトするのは時間がかゝり広州には本田や日産と一緒にすでに多くの自動車関連メーカーが進出してゐるので今更で出て行く企業がどれだけ決断が遅かつたか、と思ふのが正直なところ。三次下請けの社長が「どうしていいかわからないんです」と心境吐露には見てゐて言葉もなし。25年前くらゐだつたかしら、デトロイトで日本車が叩き壊され燃やされてゐたが(あれは焚書ならぬ焚車といふのかしら)日本の辛抱強い自動車メーカーの従業員は印度や印尼の低価格車は壊したりせず、どうにかそこでの自動車生産に活路を見出さうとしてゐる。でも一番の問題は実は三次下請けとかの熟練工が「英語が出来ない」「海外でやる自信がない」で会社と一緒に海外に出られないこと。続けて「プロフェッショナル 仕事の流儀」で建築家の手塚夫妻の巻を見る。このご夫婦の作風には好きな部分もあるがアタシはグリとグラみたいに装束は原色の赤、青、さらに子どもは黄と緑なんて発想は絶対にダメ。とくに原色のブルーにはかなり生理的に苦手だ。