八月二日(月)銅鑼湾のApple社指定のサービスセンターをiPhone修理で訪れる。二時間で出来〼、と。あまりの対応の手際の良さに「iPhoneってこのテの毛病(maobing)多いの?」「出荷前の検査が不十分なんぢゃないの?」と探りを入れるが親切なスタッフは「iPhoneの修理は不注意で落としたり、が多いし、ハードの不具合は強ひて言へばセンターボタンですかね、受話口は珍しい」「それに、ほら、修理依頼の方がこんなに少ないぢゃないですか」と確かにアタシが訪れたときは数名いたが(偶然か?)アタシの番になると後続がゐないのは確か。口上が流暢すぎるのがどうも訝しい。で二時間後に行くと「ハードの不具合がありますが何日もお待ちくのも不便でしょうから新品にお取り替えします」と新品を供される。代理店への製品交換は応じぬが製造元(富士康)からの買値は恐ろしく廉価で修理するより新品交換の方がApple社的には簡便なのかしら。といふわけで新品受取り実用化が面倒か、といへば銅鑼湾からミニバスのなかでスケジュールやアドレス帳はMobileMeからダウンロードで数分で復帰。そのあとiTuneに繋いでソフトや音楽、写真をiTuneから復元は20分で終了。簡単すぎ。早晩に九龍。二十年ほど前に紅磡の高山劇場でホイ三兄弟の映画特集あり。Mr.Booの一連の映画は小学生のアタシに強烈な香港のトラウマ遺したが、三、四日続けて早晩に中文大学からの紅磡通ひ、高山劇場に上がる馬頭圍道に開店したばかりの北方餃子の店あり。香港にはなぜか餃子だけは美味い店がない*1。で、映画の前に小腹が空いてゐてこの馬頭圍道の餃子屋で食してみるとこれが美味い。それ以来暫くは餃子屋も紅磡から啓徳空港の方に向かふ時に路線バスの車窓から眺めてゐたが数年して無くなつてゐた。で、今晩、九龍城に往く途中に土瓜湾に美味い餃子屋があると聞いてゐたのでZ嬢と香島からの路線バスを紅磡過ぎて馬頭圍道で下車し安徽街なる樂民新邨の公団住宅に向かう短い坂道にある巧興麺食店といふ北方風味の食肆に寄る。半ば冗談であの二十年前の餃子屋が此処だつたりしてね、なんて言つてゐたのだが確かに美味い餃子頬張りつゝ店に貼られた雑誌の紹介記事を眺めたら「北方出身の女将が二十年前に馬頭圍道で始めた評判の餃子屋……」と。いかにも北から出て来ました、だった若い女将もすっかり堂々と。感慨深いものあり。土瓜湾と聞くとごちゃ/\した下町の印象あるが美善同道(Maidstone Rd)を九龍城に向け漫歩。この街路には半世紀前くらゐに都市計画された低層の集合住宅が並び美しい都市景観*2。九龍城の金満堂甜店でドリアン西米露を食す。侯王道の台湾食材屋で茘枝と水桃のゼリー購ひ九龍城公園をぐるりとまいて香港兆基創意書院(HKICC LSK School of Creativity)。ちょうど一年前の夏にKJ君(黄家正)を主人公にしたドキュメンタリー『KJ 音樂人生』見たが、その映画で17歳だつたKJ君は拔萃を卒業し昨年だつたか米国の大学に進学したが休学し香港に戻り音楽活動。今晩は“music is music”と題して拔萃中学で同級だつたフルート奏者のNG君(吳懷創)との演奏会(公式)。先月の信報の取材にも相変わらず「take 的opposite不是give,give的過程中也是一種take,因為很多人give的時候也為了膨脹自我(enhance ego),所以no give 才是最好的give,它可以是nothing或者anything。」「有些夢想家說:『音樂無限制』,收皮啦!理想滲透了ego已變得有限,我說的不是對抗desires,而是連觀念都沒有,回歸最基本free from music。」とKJ節も冴へるがKJ君は少し前にかなり皮膚病患ひ整張臉脫皮ならアトピーか?、壮大な自信家もかなり精神的にも凹んでゐた由。それでも「我靚仔、長得高痩、出生環境好、讀名校、有音樂天分,但上天不會把所有都給你,我皮膚差。這讓我領悟到『得不到的東西才是你真正擁有的東西』」と相変はらず(笑)。「從快樂中找不快樂,不快樂找快樂,最後發現無快樂和不快樂,這才是真正的快樂!」「無觀seem/simp(ly) 0」と禅問答のやうだがバッハのフーガの技法1(コントラプンクトゥス)の独奏で始まつた演奏会も曲の合間にKJ節が挟まれる。途中、楽譜捲りに「ボディコンでニューキョのデーハーなジンガイのナオン登場でKJ君のジョーカノか?」と思はせたのはIsabelle Castro Balbi嬢なるピアニストで美女好きのNG君の招きらしい。KJ君のピアノを生で初めて聴いた、と言ひたいところだが狭い会場なのにピアノもフルートもマイクで音を拾ひエコーかけるなど一寸やりすぎ。天才肌だしとにかく器用は惚れ/\するほどだが曲間の口上の巧みさ、最初のバッハではステージ上で数分の沈黙と精神集中かと思へば中入り後のアルベニスのイベリアでは颯爽とピアノに向かつて歩いてきて坐るなり演奏始めたり……にZ嬢が「服部克久なのね」と評したのは御意。帰宅して西湾河Y氏が貸してくれた森屋修「銘機浪漫」(枻出版)読む。
▼演奏曲はバッハのフーガの技法1(コントラプンクトゥス)のあとNG君が登場してアストル=ピアソラのタンゴ曲。ピアノ独奏でシューベルトのソナタ(20番の2楽章)と即興曲(Op.90-3)。プーランク、バッハの平均律、ベートーヴェンのソナタ30番?などさらりと弾いてみせプーランクのフルートのためのソナタ、で中入り。後半はイサーク=アルベニスの「イベリア」からロンデーニャ。モーツァルトのバイオリンとピアノのためのソナタ(K547)をフルートとピアノでピアノはKJ君でなくIsabelle嬢。最後はフォーレのフルートとピアノのためのソナタ。
▼陶傑氏の今朝の蘋果日報の連載。題して「香港癌」
香港自從主權移交,十三年敗政,三歲小童都看得出來,所謂「港人治港」,事實證明一切,是不行的,特區政府管治大崩潰。大浪西灣挖土破壞自然,八達通出賣兩百多萬香港人的貼身資料,西區隧道來回加到九十元,一個窩嚢廢的小政權,只顧自己給自己的高官制訂高薪,一點辦法也沒有。香港這個地方,患上了癌症。癌症的成因是什麼?有點醫學常識的都知道─人體的惡性細胞,其實不斷在分裂產生。
@fookpaktsuenhkg: ノートパソコンがびんびん唸ったりシャンパンの瓶が影を揺らしたり、これがホントの物好き<天声人語子
@fookpaktsuenhkg: 天声人語子の書きぶり拙い。半分ほど空いたシャンパンの瓶が、緑の影を揺らしていた。って瓶の緑の影が揺れていた?
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