富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-12-31

十二月卅一日(木)大晦。曇のち晴。陋宅はけして散らかつてをらず、それなりに整理整頓してゐる積りだが気になると窓の汚れ、書棚の埃など目につき朝から窓掃除に始まり鞜磨き、皮鞄にミンクオイル施しなどしてゐる内に晝となる。餅を焼き磯辺で食す。午後、机上整理。書法真似事。午後遅くZ嬢と北角に買ひ物。蕎麦を茹で食しテレビでNHK紅白歌合戦ちよつと眺めるが、やはりアタシの「一番嫌ひなところ」がそこにあり「気持ち悪く」なりテレビ見るの止める。子どもの頃からあのメンタリティーに身の置き場なく「一人で夜汽車でも乗つてどこかに旅したい」と思つてゐたもの。新聞や雑誌の読み残しを年越ししたくないねぇと読むが、ついYoutubeで漫才など見始め、また新聞読み始め気がつくと半夜三更、年が明けてゐた。あまり眠くならず、ふと一葉の「大つごもり」を全集で読む。もう何度読んだかしら。この物語、現代文で読んだら「一杯のかけそば」、落語で「文七元結」も、文字を追つて読んでもつまらないが落語で志ん朝だから面白いわけで、この「大つもがり」もやつぱり一葉のあの文体と表現、言ひ回しだから、つひぞ睡気も忘れ読み耽ます。
鳩山首相が昨晩、夫人と自由が丘で鮨屋をハシゴ。なぜ鮨屋ハシゴしたか。偶然入つた店があんまりひどい、或は財布と不相応に高すぎて、ならわかるが鳩山家の御曹司で首相なら「偶然入つた店」のはずもなく不思議。麻布仙台坂とか横浜中華街で食べ歩きならわかるが自由が丘の鮨屋を食べ歩きは普通、しない。政治家でお座敷掛け持ちなり料亭で、或はホテルの理容室で整髪としておいて実は裏から客室に上がり人目憚るフィクサーと密会ならわかるが夫婦で鮨屋だ。貧困だのワーキングプアだの問題になる世の中、普通なら好感度気にする首相の立場で、しかも民主党で政権とり数ヶ月で支持率低下、この人で大丈夫か?と疑はれる最中、鮨屋のハシゴは「しない」だらう。

全集 樋口一葉〈1〉小説編 1

全集 樋口一葉〈1〉小説編 1

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