富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2010-01-01

太陽暦一月一日。平成廿一年。朝寝して目覚めると朝七時半。九時の船でZ嬢と長洲島に向かひ元旦恒例の10kmレース参加で慌てる。昨年はぎつくり腰で不参加で二年ぶり。今回はK氏送別もありK氏の会社だけで十数名の駐在員が参加は大したもの。午前十時スタートでアタシは物見遊山で後方をばのんびりと一時間余かけて走る。終はつて今回はこのレースのスポンサーにもなつてゐる「香雪梅」に晝から羊腩煲など食す。午後一時半の船。一等船室(といふほどでないが)のデッキで日なたぼつこ。午後遅くは自宅書室で読書。晩におせちを食す。Z嬢が蒲鉾と数の子をばジャスコだかで入手以外は全て地場のものでおせち作つてしまふ。キクマサを珍しくお燗にする。BBCのCh-3の網で維納フィルの新年音楽会の中継を聴く。これも正月らしい目出たい曲ばかり、で紅白歌合戦のやうなもの、だが演歌とつまらぬガキの歌、個性もなき「あなたがゐれば〜」「きつと明日は〜」の絶唱ソング聞かされぬだけ紅白よりずつとマシ。雑誌『世界』一月号読む。特集は朝鮮併合百年だが下嶋哲朗氏の新連載「非業の生者たち」第一回、沖縄のチビチリガマの集団自決が実はサイパンでの自決及び自国軍による殺害、その美化が沖縄のこの悲劇に繋がること、が語られる。
皇后陛下、昨年正月は北京オリンピックでの北島君の勝利を
たはやすく勝利の言葉いでずして「なんもいへぬ」と言ふを肯(うべな)ふ
と詠んだのが見事だつたが今年は宇宙飛行士帰還で
夏草の茂れる星に還り来てまづその草の香を云ひし人
と皇后の御歌は陛下がお傍にいらつしやいながら、その歌に詠む對手へのラヴコール的な、その「なんてあなたは素敵なお人なのでせう」といふ、これは短歌の基本なのだらうが、それが露骨に出てゐるところが、この方の御歌の凄いところ。で陋巷の亭主なら「馬鹿野郎、なにを他の男に色目なんぞ使いやがッて!」と卓袱台でもひッくり返すところ、帝は皇后のこの詠み歌を聞き「さうですね」ときつとしみぢみと同意で終はる、その超然かしら。
▼香港での普選実現、劉曉波支援などで恒例の元旦デモは主催者発表で三万人、警察発表ではデモが中聯弁到著時で九千人が参加。蘋果日報は煽情的だが実際、デモ参加者の一部が必要以上に抗争的で、殊に八十年代生まれの「どこに怒るか」層?なのかしら、警察も過大警備で処するから具合悪し。世の中そんなに不安定でないはずなのだがテロだの反体制運動だのが過大に誇示されおかしくなる日々。
▼今日の競馬。第九競走。The Chinese Club Callenge Cup(G3、芝1400m)は先月の香港マイル四著のEgyptian Raが優勝。M Chadwick騎手で応援したかつたがレーティングがそのマイル四著で+11の130となり斤量は128听。ちよつと加重過ぎないか?と、Whyte騎手で120听のArmadaとしてER、馬主W氏のSunny Kingに流したがERがきちんと勝ちSKは鼻差で二著に入つたがArmada四著で残念。SKの復勝だけ勝つたZ嬢にやられてしまつた。

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