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十二月廿五日（金）晴。午前中一時間ほど走る。昼前に銅鑼湾。ホテルでＡ氏誘ひ炮台山の「自然や」。Ｋ氏と三人で昼酒。海魚。牛舌煮。酒は獺祭。赤身のヅケ。お二人と別れ整体。腰痛あり。早晩に昨日に続き金鐘のダンヒル商店。昨日サイズが在庫なし、のスラックスが店に届き寸法合はせ。尖沙咀。Hoiliday Inn Goldden Mileホテルのロビーで新聞読み。Ｚ嬢来て一緒に金島潮州料理。昨日とは異なるメンツ十名余でＡ氏との夕食会。三十年前は駆け出しの給仕のＬ氏は今ではこの大店の経理でＡ氏とゝはもう三十年近き知己。聖誕節にて尖沙咀、殊にOcean Centreの入り口あたりは聖誕節の電光装飾の派手さは香港屈指。まるで里芋洗ふが如き人出。毎年この盛況をテレビで眺めるだけで間違つても近づかず香港に足掛け廿年暮らし初めてそれに揉まれ辟易。スターフェリーで湾仔に退散し逃げるやうに帰宅。夏に途中まで再読のハツクスリー著『すばらしい新世界』もう何度目かしら、で読了。これが世に出たのは昭和七年とは……全く色褪せてをらぬSFの大作。「社会不安なしには悲劇は作れないのだ」
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すばらしい新世界 (講談社文庫)

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