富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-04-10

四月十日。天皇皇后両陛下御成婚五十周年。このご夫妻こそ日本にとつて至上崇高なる護憲のお立場であり戦後民主主義リベラリズムの体言そのもの。これはもはや伝統であり戦後日本。だが保守反動右翼の人にかぎつて陛下の御意思を理解しやうとしないから(幕末から天皇制は利用されるばかりなのだ)困つたもの。本日、耶蘇受難日にて祝日。Z嬢とお互ひ腰痛もだいぶ快方に向ひ、かなり久しぶりに、少なくても昨年の夏前以来か、で二人で山歩き。大潭。さすがに石澳まで走る?元気はなくバスで石澳。今日は歩いてゐて何故か「スープが飲みたい」と思ひ、もう十年ぶり?でThe Black Sheep洋食店に食す。オニオンスープとピッザ。葡萄酒二杯。食後、石澳の岬まで散歩して外海を一眸する尖咀の岩に寝そべる。曇り空が晴れる。堀田善衞『上海にて』文庫本を少し読むが酔ひに負けて昼寝。午後遅くすつかり晴れる。でも石澳の海岸の温度計は心地よきかな摂氏22度。バスで筲箕灣に戻る。ジムに一浴して帰宅せば今朝、寝室のバスルームで洗面台のボウルに物を落とした衝撃の所為だらう、ボウルに亀裂ありちよつと補修すれば良いと思つたが見事にボウルの外側まで割れてをり応急措置。NHKスペシャルで両陛下ご成婚50周年の紀念番組見る。久々に自宅で夕食。野菜たつぷり食し豪州はローズマウントのシャルドネ、06年。先週だかに放送の、NHKスペシャルで台湾の日本統治での教育、皇民化の特集を見る。NHKスペシャルで「JAPANデビュー」なるシリーズの第一回。もう七十代後半が最も若い世代となつた戦前の日本による教育受け日本語を母語とする台湾人の達者な日本語での語りは映像として貴重。あそこまで日本を愛し裏切られる、まさに台湾の悲哀。ジンジャーティー飲み伊太利のFlamigniなるヌガー頬張る。このお茶に使つたジンジャーシロップはクローヴ、シナモンなどいれたZ嬢のお手製。ウオトカでも割つて飲む。
▼今日のお出かけには久々にContaxのデジカメ、U4R持参したが2004年くらゐに購入したこのデジカメのリチウムバッテリがすつかり寿命のやうで満タンに充電してゐても10枚くらゐ撮影するともうお終ゐ。京セラのカメラ事業撤退でContaxも製造中止となつたがT2やG2もそりや名機だが、このコンパクトデジカメも本革張りの美しさは他社の後継機種なし。何より廻転レンズで撮影が目立たないのが良い(盗撮の趣味ぢやないが)。目立たない、といへばMinoxのDSC(デジタルスパイカメラ)も一月に発表になつた、がどうもMinoxには昔から食指動かず。あの「いかにもスパイ」なのがアタシの趣味に合はず、実際には今どきのケータイのカメラ機能でいざとなれば充分に対応できてしまふ。そこで気品あるContaxのU4Rなのだ。幸ひにも京セラで、まだ充電池の販売継続してをりネットで慌てゝ購入。まだ当面は動きさう。だが、このデジカメの寿命は銀塩クラシックカメラに比べると本当に儚すぎる。
▼カメラといへばエプソンR-D1sの「絶対にないだらう」と思はれてゐた後継でR-D1xを出してしまつた。当初、R-D1といふライカのMマウントレンズが使へるレンジファインダーのデジカメの出現には驚いたが価格に更に驚き、だがM8が出たことでR-D1がそのM8の半額、でコシナ的なベッサ型の風貌といひアナログ感たつぷりの様式美といひ満点の出来、でM8より「相対的に」お得と思へた、が実際には本体価格20数万円はけして安くない。だから「売れない」。よつぽど酔狂な御仁しか買はない。だから「もう後継は出ないだらう」とエプソンの知人も仰つてゐた。それが出たのだ。何を考へてゐるのか……立派。だが液晶モニタが2.0型から2.5型に大きくなり容量の大きなSDHCカード使用可、シャッターボタンの改良があるが基本的なスペックはR-D1sと変らず。で、幸ひ?食指も動かない。が一番の残念な点はモニタが大きくなつたことで液晶モニタが固定式となつてしまひR-D1sの廻転式で「隠すことのできた」モニタがいつも見えてしまふこと。モニタを隠すことで究極まで銀塩カメラに似せる、對手がデジカメとは思はない、その「芸風」が固定式ではもうお終ゐ。価格はエプソンの直通販で299,800円ださうな。

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富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/
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