富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-11-08

十一月八日(土)九月から広州の広東美術館にて第三届广州三年展(広州トリエンナーレ)開催中。行きたいと思つてゐたが時間がないまま会期はあと一週間。九月からずつと週末が忙しく今日は無理矢理、で時間を空けての広州行き。朝八時半の直通列車で自分へのご褒美に特等で(ッて一等と大した料金差もないのだが)で隣の乗客の視線を気にしつつかなり大量の新聞読み。であつといふ間に広州東站着。メトロで天河。路線バスで二沙島。タクシーが渋滞に巻き込まれなければ広州では最も便利な足なのだが地理のお勉強で羊城通のパスで地下鉄とバス移動。で広東美術館。「與后植民説再見」Farewell to Post-Colonialismと題した今回のトリエンナーレ。器として好きな美術館で出展もなか/\見応へあり。政治的自由がご法度の中国にとつて芸術は表現手段として深い意味あり。かつてのソ連のやうには芸術に革命的かどうかといふ介入がないだけ幸ひ=逆に「芸術的といふ手段」が容易すぎもする気がするが。百人を超えるアーティストの作品は個人的には鳥渡苦手なビデオ映像作品多いのは食傷気味だがWu Junyong(呉俊勇)といふ作家の確か“Circle of Spiders”といふ題だつたかのビデオ作品は圧巻。暫し見入る。またバスで天河。メトロで広州東站。深圳行きの便利な和諧号は乗車が20分後だつたので驛構内の李先生美国加州牛肉麺大王で牛肉麺。チェーン店だと思へば美味。時速200キロで深圳までの1時間爆睡。深圳に到着して他の乗客が降車し始めてゐる頃に目覚めて慌てる。10数分後には折り返し運転。香港の直通列車も和諧号もゴミなどの簡単な車内清掃を終着驛到着前に車掌にやらせてしまふのは運行上はかなり効率的。今では中国も地面にゴミをまき散らしたり、ましてや痰を吐く客も「この路線では」ゐないし。深圳は大劇院界隈まで地下鉄で向ひ知人推薦の店で久々に深圳での按摩。2時間の按摩の前に足マッサージが無料で128元は高級。香港に戻りかなり久々に北角の寿司加藤に食す。Z嬢は本日より秋のご帰国。
▼陶傑さんが蘋果日報の随筆に米国の総統選挙を“China Free Election”と書く。米国は中国産品が様々な「疑惑つき」で消費市場を席捲。金融でも外交でも何かにつけ「中国」が絡むなかで今回の総統選挙だけが候補者が中国系でなかつただけ“China Free Election”であつた、と。
筑紫哲也氏逝去。享年七十三歳。アタシらの世代にとつては下村満子女史を襲つた朝ジャ編集長。だがそれ以前に1978年のテレ朝「こちらデスク」での柔らかいキャスターぶりがあり、日曜六時からのこの番組が話題となり同局が裏番として置いた「夕刊タモリこちらデス」も面白かつた。この「夕刊タモリ」はクニ河内氏らを含め「タモリ倶楽部」に移つていくのだが。で人懐こい印象の筑紫氏だつたが1997年の香港返還の際にNEWS23で香港から実況中継の際、現場での段取りが悪いからかスタンバヒ中に不機嫌でスタッフをまさに顎で使ふあまりの威張りん坊ぶりを垣間見て唖然。テレビの力なのかしら。

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