富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-08-23

農暦七月廿二。処暑。朝はまだ雨の勢ひ歇ず不安定な天気続くが台風は珠江遡るやうに内地に向ひ雨風ですつかり洗はれ気温は摂氏廿五度。秋めいたやう。処暑に台風直撃とはまぁ暦に当たつたこと。昼前にジム。午後までに天気回復。昼すぎ散髪。越南はホイアンでの散髪がUS$2で文句は言へぬが雑なもので、その修復。晩にZ嬢と中環。伊太利料理屋 Cipriani に食す。この食肆、伊太利はヴェネツィアのHarry's Barがあり(アリーゴ=チプリアーニ著、安西水丸訳『世界でいちばん愛されてゐる伝説的なバーの物語』)今は紐育や倫敦で伊太利料理屋経営。香港のこの食肆は旧中国銀行大廈で中國會(チャイナクラブ)成功させたDavid Tang(鄧永鏘)が階下(11階)に開業の「会員制」レストラン。今回アタシらはAmexのメンバー特典でのもの。内装は1930年代のモダニズムを模し給仕も機敏で感じ佳し。鴨肉のトナートとマグロのタルターレを前菜に、蛤のパスタと鶏肉の煮物。葡萄酒はMario SchiopettoのPinot Grigio 03年。料理は可もなく不可もなく、味付けは全般的にパンチが効かず「甘辛酸苦鹹」が不明朗、「会員制」が所謂、万人向けの「倶楽部料理」。バターとクリームのまつたりが鳥渡、食傷気味。ホームメードケーキも美心(マキシム)レベルで値段は10倍。David Tang氏が伊太利料理屋開業で最もこだはつたはずの珈琲もエスプレッソがレギュラー珈琲なみの淡さ。所詮、この人の見た目気取り、かしら。食事の途中から客が混み始め賑はひが五月蝿く思へたのは気がつけば客は強烈に香水を放つ婦人多き米国人と中国人はABCばかりでクチャ/\と米語飛び交ひ、この食肆も考へてみれば紐育が本拠地で、此処も階上の中國會と同じく米国人が好みか、まぁこのイタ式料理屋に伊太利の本国人が来るはずもない、と納得。トラムで湾仔。台風の雨風のあとで大気清々しく狗狗公園漫ろ歩き帰宅。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/
富柏村写真画像 http://www.flickr.com/photos/48431806@N00/

ハリーズ・バー―世界でいちばん愛されている伝説的なバーの物語

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