富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-04-02

四月二日(水)小雨。極て多湿。晩に滑り込みで東涌線九龍站の「圓方」の映画館にて映画『烈日當空』看る。曽志偉のプロデュースによる「九降風」三部作の一つで当初、題は「九降風之香港篇」であつたが改題。九降風之内地篇は上映中止で三部作の体裁整はず。曽志偉や出演者の舞台挨拶あり。舞台は深圳に近い新界の上水、粉嶺界隈。三流中学の5年生(F5)で統一試験(O-Level)間近の不良学生仲間。何でも楽しい馬鹿騒ぎの仲間だが、その一人のH現場の画像流出や暴力、麻薬などで箍が外れ仲間も人格も崩壊寸前。「ありがち」といへばありがちな青春映画だが相変はらず香港のトーシローの若者の演技の上手さ。2007年の世相、風俗をよく描いてはゐる。が凝り過ぎた映像技術がアタシにはちよつと難。この作品も高校生がコカイン吸ふ程度の場面があるだけ、で成人指定。映画見終りさすがに九時過ぎですつかり閑散とする陸の孤島の圓方を出て九龍の船渡角に至る。船渡角は文字通り、かつての沿海の新開地、が今では埋立進みすつかり内陸。自動車修理工場や小さな工場、資材屋が並び楼上には集合住宅の雑多な街で所謂B級グルメの食肆も何軒か名を馳せる。そのなかでもアタシがいぜんから是非一度、と思つても船渡角まで遠出も、と食すに能はずにゐたのがフランスパンのバケットに具をはさんだ法式三文治で名を馳せる添記。晩九時半の渡船角の一角は歩く人もなし。ひつそりと鄙びた小店に老板が独り座しぼんやりとテレビドラマ眺めながらの客待ち。メニューは基本的には法式三文治の大か、小。で小を一つ注文。このサンドヰチ一筋で数十年、蔡瀾先生など著名食家も太鼓判。出来上がりを店を出て頬張る。美味至極。なんとも具の調合が良い。こりや美味い。貪り食ふ。あまりに美味いので、流石に昨晩の深酒で少し宿酔もあり今晩は休肝日と思つたがコンビニで缶麦酒購ひぐいつと立ち飲み。

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