富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月十五日(月)奈良のT君来港中。晩飯でも、という話になり、ふと広東料理なら結局三、四軒の気に入りの食肆から選ぶばかりで芸もなく「たまには初めての店に」と選んだのが銅鑼湾の利舞台にある住家菜。家庭料理のような粤菜で無添加、値段も銅鑼湾でかなり良心的でお手頃と評判良し。で何年ぶりに利舞台。で住家菜。行ってみて「お手頃すぎ」に驚いたのは葡萄酒持参ゆゑ。とても葡萄酒など抜栓して寛ぐ店ではない、と知る。ボルドーはFransacの Ch. de la Dauphine 01年はお持ち帰り。T君とZ嬢と鼎談尽きずG.O.D.家具雑貨店の入り口にある名前失念の店で甘味。
エアバスA380処女機シンガポール航空に引き渡し。さっそくYouTubeに噂の機内風景ビデオの搭載あり(こちら)。Cクラスで数年前のFに匹敵。噂のSuiteはパテーションは上からも覗けて確かに個室空間。カプセルホテルとまでは揶揄せぬが、どこか四半世紀前の渋谷センター街の同伴喫茶の如し。当時「壁の穴」をまさかパスタ屋とは知らず「怪しげな店」と勘違いも懐かしい話なり。
▼先日、東京に一泊の晩も浅草のトンデモ落語会でトリは快楽亭ブラック師匠。アタシにとっては実は「いま一番見たい高座」は小沢征爾のサイトウキネンよりもブラック師匠の噺かも。そのブラック師匠が10月6日に大阪(トリイホール)で二代目快楽亭ブラック襲名十五周年記念ブラック十五席(こちら)。午前11時から「転失気」「目黒の秋刀魚」「カラオケ寄席」と三席やって仲入り、「人性劇場」「道具屋・松竹篇」で第1部終演。午後の第2部は「押しくら」「権助魚」の次、予定の「オマン公社」はマクラの「皇室民営化」が「道具屋」とかぶるそうで……って第1部とはちゃんと入れ替えなのだが通し客を意識する師匠の偉さ、で代わりに「文七ぶっとい」では「円楽師をバカに出来ない」くらいブラック師感極まっての泣いてしまった由。「朝鮮人の恩返し」「イメクラ五人廻し」で第2部おしまい。で晩の第3部では「近日息子」「聖水番屋」「英国密航」をたっぷり演り、仲入り後は着物の下に象さんパンツはいて「蛙茶番」、トリは「一発のオマンコ」。第1部開演から9時間45分。うち休憩が1時間45分で8時間しゃべりっ放し。で深夜バスでさっと東京に戻る。今、いちばん面白いのがブラック師匠のはず。

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