富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-07-10

七月十日(月)W盃蹴球祝伊太利優勝。余のW盃優勝チーム予想は前回の伯西に続き2回連続的中も見事。W盃開催前の伊太利蹴球界のゴタゴタで半ば諦めていたがW盃はW盃と勢いに乗れる伊太利人気質。天晴れ。余は英国のブックメーカーで四年前に伯西優勝での配当をば全額四年後(今回)の伊太利優勝に賭け(当時8倍、四年前はまだ香港でジョッキークラブの蹴球賭博始まっておらず英国ブックメーカーでの賭けは合法とは言わぬが非合法化されておらず)、ジョッキークラブでの蹴球賭博でもW盃開催前に伯西優勝と騒がれ伊太利は10倍のオッズに「誰も伊太利優勝に気づいておらぬ」と気をよくして伊太利優勝に賭け(他にエゲレスと葡萄牙)、これも10倍で英葡への掛け金差し引いても結果7倍に見合う配当あり。惜しくも決勝戦をば伊太利に賭け、延長戦までのドローでここは賭け的には惜しくも外す。で早くも2010年のW盃であるが余の3回連続狙う優勝候補はズバリ、葡萄牙なり。ちなみに英国のブックメーカーの2010年の優勝オッズは伯西(5.0)、亜爾然丁(6.0)、伊太利(8.0)、独逸(9.0)、イングランド(10)、西班牙(13)、仏蘭西(15)、和蘭(17)、葡萄牙(26)、チェコ(41)と続き日本はちなみに401倍、で韓国も日本と同率なのは多少釈然とせず。というわけで葡萄牙の26倍、保険で亜爾然丁は如何だろうか(現在は「香港では」英国のブックメーカーに賭けることは非合法とは言わぬが合法ではないので余は自ら賭けるとは言っておらぬ)。今から4年後の葡萄牙優勝に期待をもって、これで4年生き延びられる、と大宰的に。で今朝の新聞は驚くなかれ蘋果日報は一面トップでW盃の伊太利優勝を掲げる。えっ、ちょっと待った!の香港時間本日未明は午前4時の優勝決定で午前7時に購入の朝刊である。大したもの。ちなみに某読売新聞は午後になりメールで号外受信。誰ももう知ってる、って。夕方、湾仔を通りかかれば、ふと目にした道路工事のブルドーザー。香港では日本の中古の建築工作機器が現役で活躍するのは珍しくもなく「仙台 三塚工務店」であるとか「京都祇園 松井建設」なんて会社名が書かれたままのショベルカーや発電機など目にする機会多し。だが今日のは中古のブルドーザーの送り先が「ホンコン」と書かれ出荷日まで書かれたまま、は珍しい。晩に遅く尖沙咀の唯一麺家に雪菜肉絲麺を食す。尖沙咀には日本の本格的ラーメン屋いくつかあるが地場の麺家にいい食肆少なし。老いて、とても晩の二更にラーメンなど食せず。むかし広尾は明治通りの丸富なるラーメン屋で頻繁に夜食でラーメン食した若き頃懐かしいかぎり。店の前にポルシェ泊まれば元しぶがき隊の布川君常連と記憶。で唯一麺家などそれなりの北方らしい麺供するが、此処も経営変わったようで、昔は店こそ古びてはいても店頭で葱油餅や鍋貼など焼く香ばしい香り愛着感あり、が今では店こそ内装変えたが雑多、麺こそ北方の麺であるから麺のコシだの出汁だのと極端に変わりもせぬが、どこか味気ないものあり。店の名も看板こそ唯一麺家のままだがメニューなど京滬亭と名乗り三店舗ほど経営。京滬と聞いただけで食欲も多少失せるは劉健威兄ばかりに非ず。晩遅く文藝春秋の特集「上坂冬子連続対談」で加藤紘一君相手の「中国と靖国どっちがおかしい」読む。この特集、相手は加藤君の他、遺族会会長の身でありながらA級戦犯分祀主張する古賀誠君との対談もあり。通常の文春のノリであれば首相の靖国参拝は「中国がおかしい」で済ませそうな気もするが敢えて加藤紘一君登場させ噛みつき吠えようとする上坂オバサンを論破。文春的には、今回の靖国問題については多少の軌道修正は、結局のところ財界など首相靖国参拝に否定的なように、この問題だと普段なら「国旗国歌の定着、日本人としての誇り」などなら「良識的に」合意できる文春読者のオトーサン層が、この首相靖国参拝A級戦犯合祀については意見分かれるところで、加藤君や古賀君登場させ文春的なる多少の軌道是正か。という意味では上坂冬子は文春に弄ばれたようで可愛そう。上坂女史が東京裁判の何を受入れたのか、について桑港平和条約の条文で英文のjudgementsを「裁判」と訳すのが語訳で、これは「判決」と訳すのが最近は通説、と宣えば、加藤君はその青山学院大の佐藤和男教授の節は「あまりにも馬鹿げていて国際的にも相手にされていません」ときっぱり。そのjudgementsは東京での極東軍事裁判のほかにフィリピンやシンガポールなどで各地で行われた軍事裁判を合わせて複数形にしたもの。中国にこだわる上坂女史が、中国は東京裁判にかかわってもおらぬし桑港平和条約に署名も批准もしておらぬ(つまり、であるからA級戦犯ぬんぬんに口出しする資格があるか)と噛みつけば加藤君は余裕で「はい、その通りで東京裁判当時、中華人民共和国という国はありませんでした。中華民国がわずかに関わっているだけです。その中華民国とは、講和発効の前に桑港条約を下敷きにした日華条約を結び、1972年の日中共同声明もその流れで書かれています」また「国内問題としても、あの戦争で310万人に及ぶ日本人が犠牲になった責任は誰にあるのか、ということをきちんと決めたのは東京裁判しかない」と指摘し、それによって天皇の責任を回避したことを指摘。昭和天皇自身もA級戦犯合祀後は靖国参拝しておらず合祀を先帝が納得していたのか、そういった意味で考えると靖国問題は一歩間違えれば対中韓ばかりか対米関係になること懸念。この加藤君の主張にさすがのタカ派作家も返す言葉にたじろぎもあり。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/