六月廿三日(金)前回のW杯蹴球であったか、日本の敗退に「いい夢、見させてもらった」とあっさりと「終わってしまう」ファンの言葉にいろいろ感じるものあれど今回のW杯など「いい夢」も対豪州戦での80分間の「まぼろし」と巴西相手に先制点入れた一瞬の清涼感、強さへの唯一の安堵感は門将川口君だろうが巴西相手には門将一人が守護神でも我々が救われぬのことも明らかにされ、結果的にいい夢どころぢゃなく終わる。前回の日韓開催から四年、小泉政治も国民の8割の支持で「何か」をば期待され政権につき任せきり(放任という言葉もあり)で今日に至り小泉三世ご本人の自己満足だけで終焉迎える政局が何だったのか、せめて、このW杯蹴球での日本の「いい夢見ることもなく終わった」感が小泉之世の幕引きに花を添える、と思うしかなし。晩遅くまで忙殺の一日にZ嬢とHappy Valleyの寿司・澄に食す。赤貝だの鯛など白身魚の刺身を少しと握り5つほど。諏訪泉の純米酒一合。
▼東都ではNHKホールでのメトロポリタンオペラ歌劇公演の舞台にてNHKポップジャムの収録ありモー娘。がそのセットで歌った、そうな。一瞬驚きつつ先日この「ワルキューレ」参観の久が原のT君のメトロポリタン歌劇団に対する、そりゃ手馴れている、だが、手馴れているというだけで「おつり」がない、という言葉が脳裏にあり、モー娘。も、さもありなむ、な話か。T君の話す言葉借りれば、独逸圏の如き一寸ばかり下手でも根の張った思弁的な響きであるとか、伊太利の如き普段チャランポランでも壺に嵌ると総毛立つ程美しき響きであるとか、それがメトロポリタンには欠けて、装置も照明も綺麗で演出も分かりやすさはまったくもって聖林式。ワーグナーとディズニーランド的なるものの近親関係とか。どちらもキーワードは、「愛」と「世界」と「帝国主義」、とT君。御意。ところで「ワルキューレ」でジークムント演じるPlacido Domingoの、T君は81年秋のスカラ座初来日「オテッロ」を同じNHKホールでご覧になっているそうな。指揮はカルロス・クライバー。クライバーでスカラ座のオセロ……オペラ知らずでも垂涎物。
▼形振り構わず9月までに580万人達成に躍起の香港鼠楽園。今度は七、八月の暑期にフリーパスHK$400にて発行。鼠側の言い分はこれまで入場者数奮わぬのは屋外遊園地の人出は季節、気候に左右されるもの、だからだそうで屋外遊園地の繁忙は夏、と強気の姿勢見せていたが、実際には香港の夏など誰が好き好んで炎天下に遊園地など行こうものか。それもオーシャンパークの如く海一望の清涼感ならまだしも……。
▼来年元旦実施予定の香港禁煙徹底政策、オフィスや飲食店だのは当然として政府画策するはバス停も公共空間として禁煙。ここまではわかるが海岸や公園も対象と画策中。老いて公園のベンチに佇みパイプの煙をば燻らせるなども夢と帰す。