二月七日(火)晴。
▼信報林行止専欄がデンマークの新聞がムハンマドの風刺戯画を掲載しイスラム世界からの反発かふ問題に言及。その新聞はJyllands-Postenと言い1930年代には公然とナチスドイツ擁護の過去もある右派紙だ、と知る。確かに今日付けの紙面も一面トップは見出しが“EU st?tter Danmark i boykot-sag”で記事には“EU-st?tte til Danmark. Irans boykot af varer fra Danmark er en boykot mod hele EU, fastsl?r EU-Kommissionen, ogs? selv om Iran ikke er medlem af WTO”と、つまり「イラクなどのデンマークやEU産品ボイコットはWTOの協定に違反するものとEU評議会もデンマークの立場に同調し」なんて、たぶんそういうことが書いてあるのだろうか、知る由もないが。で林行止氏がこの緊張をどこに話をもって行ったかと言えば、この一発触発のイスラムと欧州の対立は中国に有利に働く、と指摘。まず中国には基本的には宗教問題がない「ことになっている」こと。実際にはウイグルのイスラム系の火花や愛国教会傘下とならぬ地下教会への弾圧、法輪功問題などあるのだが、表面上は宗教問題はなく安定した社会が経済発展に有利なように見えている。中東のイスラム圏の不安定さを嫌った資金は行き先が何処か?といえば米国に向かうはずもなく、かつてオイルダラーが落とされた欧州も今回の対イスラムの一方の当事者であるから、中国や東南アジアの石油産出国にオイルダラーが向かう有利さが生まれている、と指摘。この動きは昨年末には全く予想できなかったもの。で政治経済の面白さに林行止氏の推論が続くのであった。
▼信報に劉健威さんの随筆「白南準」にてナムジュン=パイク氏が1948年に朝鮮半島での動乱を逃れ香港に至り中学編入の過去あり、と知る。パイク氏弱冠15歳。英語があまり上出来でなく日本に渡った、と。
▼秋篠宮妃ご懐妊。これで御児が男子であれば秋篠宮様が所謂「勝ち組」か。その場合、陛下より皇太子殿下に至る「戦後の日本」のConstitutionalな流れについて秋篠宮朝の系に移ることに些か懸念感じなくもなし。かりに御児が女子であるときは昭和40年の秋篠宮ご誕生以降、女子誕生が9度続くことになり単純計算でも512分の1の確率。
あきしのびはるののにさくさくらかも 深読みせぬこと
余は個人的には近代の借り物の如き天皇制というもに賛同する者に非ず。但し陛下が戦後日本の立憲制度に対し改悪勢力に対して最大の歯止めとなっている事実、またそれを皇太子殿下が受け継がれるであろう期待において、陛下と皇太子殿下のもとでの天皇制については容認とするもの。
▼「勝ち組」といえば勝ち組、負け組の時代風潮について何の雑誌であったか橋本治ちゃんが「わたしはブラジルの日系人が第二次世界大戦での日本の戦敗につき「勝ち組」と「負け組」に分かれて争った意味でしか、この言葉を理解していない」といった旨の発言あり。御意。つまり「勝ち組」も「負け組」も本意ではいずれも「誤解」での分別。今日の格差社会でも「勝ち組」と「負け組」はまさに誤解に基づく分別以外の何物にも非ず。