富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-01-25

一月廿五日(水)曇。晩にZ嬢にタクシーで拾われ銅鑼湾に向かう。タクシーが大坑道から銅鑼湾に高架橋を下れば水曜日の競馬開催日の交通規制でエクセルシオールホテルに左折する方向は通行止め(地図の赤実線、赤破線は関係ない)。これは尋常。だがパークレーンホテル前(地図の赤○印)で規制にあたる警官が粗忽者でKingston 街への左折(地図の青線)まで規制し直進せよ、との指示。Kingston 街が渋滞していたのは事実で粗忽警官はそれを解消する意図らしいが交通警官でありながら現場の道路事情が把握できておらず直進はつまりGloucester Rdへ跨がる高架道しか選択がなく全ての車両は湾仔へ向かうこと強制される(多車線の道路で車線変更規制多く銅鑼湾内へ左折一切不可)。キチガイ警官!と運転手憤慨するが車の流れで「あれよ、あれよ」という間に湾仔(黄線が実際の走行路)。運転手は済まなそうに「銅鑼湾に戻るか?」と聞くが六国ホテル前で下車。警察999番に電話で粗忽警官による窮状を質す。あの規制では銅鑼湾に向かう車両がすべて湾仔に向かわされ結局は銅鑼湾に戻ろうとすればハッピーヴァレイでの競馬開催の交通規制に寧ろ悪影響、と指摘。数分後に電話あり現場に連絡をとり是正求めた、と。半ば冗談でタクシーにHK$16も余計に払わされた責任は?と質す。銅鑼湾で何処で食事する?と悲観的に迷っていたので湾仔は食事の意味では不幸中の幸い。上海三六九飯店に食す。地下鉄で銅鑼湾に戻る。Ikeaにて自宅居間の照明のランプシェードのみお買い上げ。新の暮れ正月には何もせず旧正月だと何処か自宅の汚れ払わねば、と思ってしまう。先ほどの粗忽警官による交通規制はやはり左折不可は解除。ヴィクトリア公園は年末恒例の年宵市場。正月ようの草花やお年玉がわりのおもちゃや雑貨の屋台が並ぶ。賑わい。日本の、郷里の年の瀬も昔はこうだった、と懐かむばかり。一抱えの桃の花をHK$150で購入。縁起物なので野暮ったく値切りもせず。桃の花抱えて天后からタクシーに乗れば携帯での通話に熱中の運転手ながら桃の花見ると「ゆっくり、ゆっくり乗れ!」と気遣い。香港らしさ。帰宅して居間に桃の花飾る。正月気分。
朝日新聞宮崎学氏がライブドア問題を「光クラブ事件を思いだした」として光クラブ事件との類似と相違について記述あり。類似については「カネで全てが解決する」という姿勢と「日本のエスタブリッシュメントの自信喪失期に経済界に登場し短期間に一世を風靡するという「東大生」の企業家」を挙げているが、見出しに「相違」とあるが相違点については残念ながら明確な記述がない(上下、で下に続く、というわけでもない)。余も偶然に光クラブ事件を思い出していたが宮崎氏は山崎晃嗣拘置所での発言「人生は劇場だ。僕はそこで脚本を書き、演出し主役を演じる」を引用しているのが印象深い。余はホリエモンのブログに山崎手記のような深みがない、と書いたが、宮崎氏の引用した山崎語録でいえば、ホリエモンも同じような時代感覚のようでいて「踊らされていた」部分が山崎晃嗣よりずっと多いということ。
▼ところで余が山崎晃嗣光クラブ事件のことを知ったのは、同時代では、ない。中学生の頃に週刊プレイボーイより具体的に少しエロいヌード雑誌が発刊された。昭和という時代はエロ雑誌でも硬派な記事あり。光クラブの高利金融と山崎晃嗣のことも、その名前失念のエロ雑誌の創刊号にあり。もちろんエロ雑誌であるから山崎日記にある手淫の異常な回数など強調されていたのは事実。それでもエロ雑誌で「終戦直後の荒廃した世相」が学べただけ立派。だが今になってみると荒廃していたどころか小林信彦的には日本がいちばん輝いていた時代だった鴨。
▼とつぜん、みずほ銀行より
2006年1月22日(日)より、セキュリティ強化のため、みずほダイレクト[インターネットバンキング]のログインパスワードのご登録可能桁数を、従来の6桁から32桁に拡大させていただきました。これにともない、従来より6桁を超えるパスワードをご使用されていたお客さまから、「従来のパスワードでログインできない」というお問い合わせを多数いただき、ヘルプデスクへのお電話がたいへん繋がりにくくなっております。ご不便をおかけし大変申し訳ございません。2006年1月22日(日)以降にログインいただけないお客さまは、ご入力いただいているログインパスワードの桁数をご確認いただき、7桁以上のパスワードをご使用の場合は前半6桁のみをご入力ください。(ログイン後、「その他サービス」→「ログインパスワードの変更」で7桁以上のパスワードにご変更いただくことが可能です。)
というメールが届く。何のことかさっぱり理解できぬ。そもそも「2006年1月22日(日)より」のログインパスワードの桁数拡大も知らされておらず、従来6桁だったのになぜ「従来より6桁を超えるパスワードをご使用されていたお客さま」が存在したのかも不可解、しかも「従来のパスワード」つまり6桁以上でログインできない場合は「前半6桁のみをご入力ください」と。なぜ桁数が拡大したのに従来6桁以上でログオンできた人が今度は6桁にしないといけない?……と全く理解できず。で注意書きを読むと、今後は
※従来のパスワード入力欄は6桁までしかご入力いただけませんでしたので、6桁を超えるログインパスワードをキーボードでご入力いただいた場合、前半6桁までを登録させていただき(画面上は「******」と表示)、ログイン時にも前半6桁(画面上は「******」と表示)のみで照合させていただいておりました。1月22日(日)以降は7桁目以降も画面上の入力を可能とし、照合させていただいていることによりログインパスワードが不一致となるものです(ご登録は前半6桁のため、7桁以上のパスワードでは不一致となります)。
という。日本の銀行らしいセキュリティの万全のようで実にいい加減さが如実。パスワードは6桁を越えていてもよかったが画面上は6桁だったため顧客が長いパスワードを安全上用いていても実は前半6桁だけで照合していた事実。堀江貴文みずほ銀行に口座を保持しパスワードを「horiemon」とした場合に銀座の文壇バー「月」のママ・堀江さんが「horiemoon」をパスワードにした場合、ホリエモンとバー「月」のママ堀江さんが実はポーランド人の苗字「horiem」で同じパスワードだったのだ。而も桁数拡大されたら今度は実は前6桁でしか登録されていなかったから6桁以上の従来の正式なパスワードではログインもできない、とは。送金する場合など「お客様番号」と「パスワード」でログインしていても送金確定には予め授けられている「第2パスワード」がないと送金すら出来ないのに。
▼勝谷的には「安倍さんを朝日読売NHKが大連立で包囲網」なのだろうがナベツネさんの朝日『論座』での小泉靖国参拝非難があったわけで、このままゆくと朝日の論調が右に寄り読売がナベツネさんの健全保守路線でいくと、両者の区別はほとんどなくなるわけで、ディズニーのピクサー買収では済まない話。それにしてもナベツネナベツネさんと呼ぶことになろうとは……。中曽根さん、森さん、山拓さん、亀井さん、でナベツネまで「さん付け」しなければならぬほど政治的には追いつめられた状況。昨晩の筑紫哲哉のニュースでも筑紫哲也ナベツネさんが靖国問題や堀江問題では意気投合してたようで筑紫哲哉の総括は、「自分は長年、朝日の政治記者をやっていて、渡辺さんとは対極にあると思っていた。しかしいま話してみると、そう開きはないような気がした。去年は中曽根さんにロングインタビューして同じような感想をもった」とかだそうな。未だにNHKの海老だけは「さん付け」にも値せぬが読売のナベツネ傘下に加わり反安倍朝日読売NHK大提携でNHK政治部に動きでも見せれば「海老沢さん」どころか「平成の海老様」か。
産経新聞には産経とは袂を分かった筈の西部邁先生が登場。キョービの私欲の解放がもたらした混沌を嘆いているらしいが。イラク戦争で「親米保守」路線を確立したかにおもえた産経グループ内でも揺り戻し? 小泉改革自民党をぶっ壊すどころか保守、右翼内部でもかなり再編成がある気配。ところで地検特捜部には「強制捜査の所為で大損した」という抗議が殺到、とかいう話も。我が国の道徳的頽廃も極み。

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