富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

5月10日(木)曇。昨日離港されたご夫婦、新聞の写真を見て一瞬、お二人とも法輪功か、と思ふ。今年もまたTrailwalkerの申し込み始まる。かなりインターネット化進み申し込みもHKIDを入力しただけで昨年のデータが蘇る管理ぶりに驚く。枕干す夏の暑さとビールかな。今日も先日もあったが或る方から電脳がウイルスに感染した、自動的に自分の有する他人の全アドレスにウイルスが撒き散らされた、とそれを謝罪し注意勧告のメールが届くのだが、実際にはそんなウイルスは送られておらず、その手紙の文面じたいも更に他者からの転送で、つまりウイルスに感染したという「怖れ」というウイルスが蔓延しており、しかも全員のアドレスが公開されてしまっており、そのことのほうが不快。ウイルスなどあるのが当たり前で、M君が風邪で風邪を感染(うつ)したと謝罪もしないし感染されたほうがいけない、というのと正に同じ事。
友人のO氏が日本の新聞が、江沢民が香港に「入境」という表現を使っており、これが辞書にもなければ漢字返還もできず、と新聞社に確認したところ、居丈高な朝日から「香港と大陸との人の出入りは、以前から『出入境』を使っています」「なお、中国の機関は『中国公安部出入境管理局』で、記事では『不法入境』『密入境』『ビザなし入境』と行った使い方もしております」と返事、読売は朝日より易しく「『入境』という言葉は、特殊な条件下にあります香港の事情を考慮して、複数の報道機関が使っている言葉で」「香港の中国返還前は、香港は『国』ではありませんので、BORDER=「境」を越えて入るという意味で、『入国』と区別する意味で、『入境』という言葉を使用するようになり」「中国に返還された現在も、五輪やAPECで独立した存在になっているように、『一国二制度』という特殊な条件下にあります」「ため、『入境』という言葉を引き続き、使用」しているそうな。O氏が広辞苑にまで問い合わせたが、さすが岩波書店、お問い合わせには原則としてご返事差し上げない、と(笑)。いずれにしても入国などという、言葉が政治性をもったものより、境界という区別こそあれナショナリズムがないだけ、まだ入境のほうがましかと思ふ。