富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと18日

f:id:fookpaktsuen:20210705082401j:image

国安法施行1年で10万人余が離港で海外移住と明報。ざっとで総人口の1.4%だから大したことないが明らかな移住でなくとも海外に旅居の市民は更に多く、その多数が将来的に香港に戻る意思がないかもしれない。

【71刺警案】葉劉:單純獻花悼念未必違法 政府應了解背後深層原因 | 立場新聞

香港市役所と国安警察の強行な治安維持政策にレジーナ葉劉淑儀(元保安局長、行政会成員)が71警官傷害で自殺した加害者への「単純な献花追悼は必ずしも違法ではない、政府は背後にある深層の原因をきちんと探求すべき」とコメントの由。レジーナですらリベラルに思へてしまふ現状よ。彼女はこのやうな世論に理解ある姿勢を見せるのは当然のことながら(気に入らない)林鄭市長に対して今後も行政長官職への未練だらう。
f:id:fookpaktsuen:20210705082404j:image

フェイクニュースを立法で規制はほんと必要だね」(明報)。テレビの画面には香港市役所の政務司長・李卡超が(71で警官刺して自殺した市民を)「追悼は煽動」(行為に当たる)と記者会見でコメント。それこそフェイクニュースだろ、といふ揶揄。いつまで、こんな一コマ漫画が紙面に載せられるのかしら。

▼都議選は共産党と立憲が善戦。都ファが厳しい状況で自公は過半数制しないといけなかつたが届かず。

f:id:fookpaktsuen:20210706071426j:image

立憲と共産が候補者1本化した21選挙区のうち17選挙区で当選。1~3人区では約8割で候補者一本化。立憲の公認・推薦候補は7勝2敗で、しかもトップ当選の由。つまり共産党支持者が立憲に投票はきちんとしたもの。政治に現実的なのかも。立憲は連合が共産党アレルギーあり何とも。 

f:id:fookpaktsuen:20210706100551j:plain

茨城の美術界、大正末には横山大観、下村観山、木村武山に小川芋銭錚々たる面々(茨城美術会沿革)。
茨城新聞で連載中の飯村丈三郎の伝記で丈三郎が地元で美術振興図った目標の一つに「理屈ばかりで堅まった、殺風景極まる水戸人…茨城県人の頭を、もつと芸術的に転向せしめ、さうして緩和させる事」があつたと。堅物という点では、それはそれで良さもあるが、理屈が通らない「ごじゃっぺ」が一番困ったもの。

大河ドラマ「青天を衝け」第21回 を昨日、偶然見たが原市之進(尾上寛之)が渋沢栄一吉沢亮)に昭武公の巴里万博派遣に栄一に随行役打診する場面で「水戸といへば異人と見れば斬つてかゝる連中ばかりだ」といふセリフに、やはりドキリとする。茨城新聞文化欄連載中の「渋沢栄一・高松凌雲と水戸藩士たち」という連載(第6回、6月29日)に、この巴里万博使節団につき水戸藩士の「帯刀できず怒りの帰国」といふ記述あり。若き昭武公は巴里で好奇心旺盛、仏語学び仏語で日記綴るほどだつたが警護役として随行水戸藩士7名は過激な攘夷派で殿の西洋感化など断じて許すまじ、で他の随行団の面々が断髪し洋服を纏ひ靴を履くなか江戸の侍として頑固を通すが随行団のトップ(山見石見守)より帯刀不許可の命も出て、これに憤慨で途中帰国した(させられた)ほど。

(書評) 片山杜秀『尊皇攘夷 水戸学の四百年』:朝日新聞

正義の思想は往々にして過激化する。志を同じくしていた者たちが少しの考え方の違いから凄惨な内ゲバへと発展してゆく。幕末に攘夷を達成出来なかった日本は日清、日露、さらには太平洋戦争で攘夷を実現しようとして敗れ去る。そして今、また「嫌韓・嫌中」という新たな攘夷思想が勢いを増している。本書のエピローグを締めくくる一文は「青天を衝け」の慶喜のセリフ「尊皇攘夷か……まこと呪いの言葉になり果てた」と見事に呼応している。石飛徳樹(編集委員

東京五輪まであと19日

f:id:fookpaktsuen:20210704074145j:image暴徒による警官傷害事件(1日)はテロを美化する風潮で香港全体に責任があると市役所。蘋果日報など反政府運動を鼓舞するメディア、それを容認する社会。香港市役所の治安トップはさかんに「本土恐怖襲擊」といふのだが

テロリズム【terrorism】*1

①政治目的のために、暴力あるいはその脅威に訴える傾向。また、その行為。暴力主義。テロ。

②恐怖政治。

から見れば香港は②が①を懸命に非難してゐることになる。それでも沈旭暉先生などは民間人ではなく警官を対象とした攻撃はテロには当てはまらないといふ定義をしてゐる。無差別テロなどがそれで政権や軍隊や警察など執法要員を対象とした場合は反政府活動であるとかアナーキズムでありテロリズムではないとする*2。これは

テロリズム[terrorism] (新明解国語辞典
政見の異なる相手、特に政府の高官や反対党の首領を暗殺したりして、自己の主張を通そうとする行為(を是認する主義)。

といふ定義からは外れるところ、軍隊や警察は合法的であれ暴力装置なのであるから暴力装置に対する暴力行使は確かにテロリズムとはいひ難いだらう。それでもかうした認識は政治家でも与謝野馨先生くらゐなら理解できても香港市役所の治安担当の小役人に理解できるものではない。たゞのマジな「怖れ」で中央政府の後ろ盾だけが頼りなのだから。

f:id:fookpaktsuen:20210704074148j:image

香港で中共「百年偉業」展開催。当然のやうに六四の天安門事件には一切触れもせず、それでゐて反修例風暴はきちんと否定的に描き警察を慰労し国安法施行を評価は忘れない。それは中共の「百年偉業」と関係ないやうだが香港成敗はやはり国内の安定にとつて大切なことか。それにしても、この開幕式典に林鄭市長に加へ律政司の鄭某女が出て「香港市民可了解中共为実现中华民族伟大复兴所作的努力」なんて中共をヨイショするのだから困つたもの(この鄭某女は倫敦で香港民主派のテロ遭遇を中共に保護されて中央政府のありがたさ実感か)。

本日農暦五月廿五日。梅雨の雨空。

f:id:fookpaktsuen:20210705083535j:image
本日は東京五輪聖火リレーあり大通り(国道50号線)がそのルートとなるため夜は路線バスのルート変更ださう。南町3の臨時停留所が田見小路で老宅近くの朱舜水屋敷跡前に。看板で水戸駅構内バス組合に「茨城オート」の社名が。平成22年に茨城交通に吸収されたが、これが元々の帝産巴士(昭和46年まで)だつたら、さながら昭和39年の東京五輪である
(昭和39年)聖火リレー:茨城 当時の国民一体となつての盛り上がり。水戸での聖火リレーも大通りでこれまでに見たこともない人出だつたといふ。ところで、このNHKの映像で水戸で「茨城県庁」とあるのは、これは水戸市役所(当時)だらう。
本日午後、水戸芸術館講座「ディスクとともに語る吉田秀和初代館長の思い出」 といふトークあり母と一緒に参観*3
f:id:fookpaktsuen:20210705083532j:imageお話は大津良夫・水戸芸術館副館長と堀傳・本日水戸室内管弦楽団長のお二人。本日は2回連続の後半で伯林、ミュンヘン、維納から巴里への吉田秀和の旅の思ひ出を語る。大津氏はあの気むづかしさうな秀和先生に可愛がられ水戸に来館の際は鎌倉まで自動車運転しての送迎、普通の人には鎌倉から水戸まで秀和先生を乗せて、秀和先生の話につきあいながら……なんて想像しただけでも緊張で胃が痛くなりさうだが秀和先生は茶目っ気もあり、ふと思ひ出したのは久ヶ原T君が初台でだつたか幕間にロビーのバーコーナーで秀和先生にバースタンドで遭遇、そのとき先生は珈琲の砂糖の入れ方を間違へたんだつたか目の前のT君と目が合ふと「てへっ」と照れ笑ひされたとか、少年の心をいつまでも持ち続けた秀和さんなのだらうが、やはり厳しい面はきちんとある方だし、その先生と大津さんは9回だつたかも渡欧の旅にご一緒してゐるのだといふ。水戸室内管弦楽団のツアーもあれば吉田夫妻の個人的な旅行にまで同行。本当に仲良くされたのだが大津氏は元々、水戸市の職員でご本人曰くオケの楽器の名前もわからないほどの自分が、だつたさう。維納フィルの楽団員で小澤征爾を介して水戸室内にも頻繁に参加したティムパニ奏者・ローランド=アルトマン(訃報)の思ひ出話からブラームスの1番、これはレナード=バーンスタイン指揮の維納フィルから第1楽章、そして水戸室内でベートーヴェンの4番、こちらは小澤征爾指揮で水戸室内が流れる。水戸室内の欧州ツアーのときは小澤征爾さんの体調不良で、この時は吉田先生はリハにも見えられて最初は遠くで聞いてゐたが段々とステージ近くにより「僕なら……と思ふ」と団員にアドヴァイスされてゐたといふ(大津氏撮影の画像もあり)。ミュンヘン郊外の何とかといふ集落での滞在。R.シュトラウスの「4つの最後の歌」からディアナ=ダムラウ独唱をミュンヘンでのライブ録音で。そして巴里。大津さんが秀和先生にドイツ語、フランス語に英語が堪能ですがどの言語が一番好きですか?と尋ねたら(こんな質問だつてできない、普通……)「君、ぼくはかう見えても東大仏文科卒なんだよ」と、やはり秀和先生は巴里に赴ふととても楽しさう。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」。巴里での常宿はヴァンドーム広場(Place Vendôme)近くで「音楽展望」の連載もしてゐた朝日新聞の巴里支局も近くにあり冨永格氏が支局長のころなのだが音楽会のチケットをとつておいてもらつたりもしたといふ。大津氏曰く、戦後、子どものための音楽教室を開き、それが桐朋学園となり、まさに小澤征爾といふ指揮者はその吉田先生の音楽教育の賜物で、秀和先生が水戸芸術館の館長になることが決まり水戸室内といふ丁度よいサイズの室内楽団を小澤征爾に任せる……といふ何ともすてきな経過。吉田秀和全集、全24巻の最後は水戸芸術館を設へた佐川一信・水戸市長への追悼の文章だつた、と大津さんの話を聞いて、さう思ひ出す。また水戸といへば先日亡くなつた立花隆さんと、そして丸谷才一さんにも大津さんの話は及ぶ。
私は吉田秀和の音楽評論の文章に感銘し貧乏なのに当時1,000円もするレコードを買った。文章が持つ『人を動かす力』を味わったことが、いつか自分も人を動かす文章を書きたいという気持ちにさせた。
丸谷才一も秀和先生追悼を当時、朝日新聞の批評欄に書いてゐる。
批評家は2つのことをしなければならない、第一にすぐれた批評文を書くこと。そして第二に文化的風土を準備すること。この2つをおこなって、はじめて完全な批評家となる。吉田秀和はこの両面を備えていた。たとえば桐朋学園音楽科一つとっても、彼の存在がなければ、小澤征爾も東京カルテットも今井信子高橋悠治中村紘子も、あのような花やかな成果をあげられたかどうか疑わしい。とにかく文章がうまかった。内容があって新味のある意見、知的で清新で論理的な文章を、情理兼ね備わった形で書くことにかけては、近代日本の評論家中、随一だったのではないか。われわれクラシック音楽の愛好者は彼によって創られた。
これは本当にすごいことなのだ。秀和先生の最後の著作となつた『永遠の故郷』CD含む4冊組は秀和さん自身が大変素晴らしいものができた、と喜んでゐたさう。大津さんがそこから読まれた「美について」の文章。今このCD本が手元にないので(実家に積まれた段ボール箱に入れた書籍の中だ!)正確ではないが、芸術の素晴らしさ、そして芸術家が亡くなつても残るのは「美」。そしてそれを伝へる語り部がゐないといけない。批評とはさういふもの、と畏友・村上湛君の姿勢を拝してゐて、さう思ふ。大津さんは、最後に「本日のアンコールとして」とラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」(小澤征爾、水戸室内)を流された。
f:id:fookpaktsuen:20210706204417j:image
▼「接種は「誰かのため」なの?」香西豊子(医療社会学朝日新聞こちら

人々に(天然痘の)種痘を行ってもよいのか。ワクチンというものを初めて手にした江戸時代の医師たちは激しく議論しています。ただ、推進派も反対派も「副反応によって身体や命を傷つける行為は絶対に許されない」と考える点は共通していました。背景には天命という価値観があったようです。寿命は天から定められたのだから、たとえ100人に1人であろうと「予防接種という人為的な行為によって傷つけてはいけない」との考えです。しかし明治期に入ると異なる見方が広がりました。種痘は国家の所管事業になり国民の義務とされていく。社会防衛的な意味を持つ「衛生」という考え方が西欧から導入されたのです。

▼香港で蘋果日報と同じ壹媒体の週刊誌に『飲食男女』あり。「食在香港」で広東料理に限らず中華ばかりか香港にある世界中の料理を、そして高級食材から街中の屋台まで徹底した取材力で毎週紹介し続けた。週刊誌だつたが過去データもネット上にあるので香港食文化の資料としてもかなり重要であつたが香港の壹媒体のネット掲載が一切なくなつてしまつて、この『飲食男女』のデータも全く見られなくなつてしまつた。アタシも確か2010〜17くらゐの特集記事の切り抜きはまとめてファイリングあり。

f:id:fookpaktsuen:20210704085526j:image

*1:広辞苑第7版

*2:西方學界普遍認同「恐怖主義」為的是製造恐慌,去達到弘揚任何形式的理念或目的,而製造恐慌是通過在公眾層面,針對的是平民,而且沒有規則可言(無差別襲擊)。假如針對的是政權、代表政權的政府機構、或執法人員,那可以是「反政府」、可以是「無政府主義」(例如19世紀暗殺俄羅斯沙皇的無政府主義者),但不是「恐怖主義」。中國近年有甚麼爭議就推聯合國出來,那聯合國是怎樣定義的?聯合國的定義,和中國自家定義包括在「三股勢力」之內的「恐怖主義」,又有何不同?......

*3:途中、震度2程度の地震があつたが、この磯崎新設計のコンサートホールはホール内にも太い円柱が3本あつて、その配置は個人的には好きぢゃないのだが、ことのほか地震には強靭なことは体感できた

東京五輪まであと20日


f:id:fookpaktsuen:20210703074837j:image

f:id:fookpaktsuen:20210703074842j:image

もうなんだか大公報だけあれこれ並べてゐても何うせ想定内のことしか書いてゐないからつまらない。デイリーでこれするのはもうやめようかしら。かといつて今のアタシの地元ネタが面白いかといふとそんなこともないのだが地元で超級市場に寄ると茨城県産の青物が多いとつくづく思ふ。茨城県は何と野菜産出額で北海道に次いで全国2位なのだつた。

f:id:fookpaktsuen:20210705083008j:plain

茨城は蓮根、水菜、白菜、青梗菜、メロン、ピーマン、栗、小松菜やカリフラワーなど日本一の生産量。北海道が圧倒的生産シェアのトウモロコシもジャガイモも豆も茨城産がじゅうぶんに出回つてゐる。それに常陸沖で漁場もあり水産物も多く養豚も全国5位だかで常陸牛もブランドだから茨城産品だけで食生活はかなり補へる。


f:id:fookpaktsuen:20210705083427j:image

f:id:fookpaktsuen:20210705083436j:image

f:id:fookpaktsuen:20210705083432j:image

小林節先生が都議選(八王子選挙区)で共産党候補を応援とは https://t.co/XdSrzMf8sT

広辞苑を眺めてゐたら、まさか中国語の「八十後」が載つてゐるとは思はなかつた。 https://t.co/dYIiCoSe0U

東京五輪まであと21日

f:id:fookpaktsuen:20210702060848j:image

f:id:fookpaktsuen:20210702060841j:image

もういちいち文字にする必要もないだらう、中共結党百年祝賀。 

中国人民也绝不允许任何外来势力欺负、压迫、奴役我们,谁妄想这样干,必将在14亿多中国人民用血肉筑成的钢铁长城面前碰得头破血流!

中国共产党将继续同一切爱好和平的国家和人民一道,弘扬和平、发展、公平、正义、民主、自由的全人类共同价值,坚持合作、不搞对抗,坚持开放、不搞封闭,坚持互利共赢、不搞零和博弈,反对霸权主义和强权政治,推动历史车轮向着光明的目标前进!

もう勝手にやつてください、である。

国をひらいて「理解してもらう」のではなく宣伝工作により「理解させる」意識がのぞく。当然、国際社会が中国人の「物語」を共有するのは難しい。「中国脅威論」は古くて新しいテーマだ。急速な経済成長が引き起こした懸念には2001年、世界貿易機関WTO)への加盟で理解を広げた。だが、国際社会へ歩み寄ったかつての面影はない。「中国の革命の成就は世界の支持と切り離せない」。中国憲法前文の一文は、むなしさを漂わせている。(朝日新聞の記事こちら

f:id:fookpaktsuen:20210702060845j:image

香港では7月1日は「デモの日」で2003年は行政長官失脚の契機となり2019年は抗議デモのあと勇武派が警察に誘導され?立法会突入して議事堂破壊の狼藉働いたわけだが昨日は銅鑼湾で数十名が間接的にでも抗議活動企図したものゝ警察が制圧。林鄭市長は北京での中共の催事に招かれ天安門でパレード見物でスマホで解放軍のパレード撮影も楽しさう。梁“党員”振英も天安門から眼下に広場を眺め感慨深し(マスクしろよ)。香港は今日を平静なまゝに終はらせてはいけないと神の見えざる手が動いたか一人の中年漢が警備警戒中の警官を背後からナイフで刺して自らも胸を刺して死亡(右下画像、明報)。「かういふ黒暴がゐるから」と待つてましたといはむばかりに市役所と警察は「徹底した制圧が必要」と鼻息荒く意気込む。一昨年の71立法会突入や721中連弁国徽汚辱と同じでシナリオでもあるかのやうに暴徒の暴挙で世の中はそれに対処するために「是正」される。リンテイも北京から戻るなり深夜に負傷した警官見舞ひ黒暴の暴力に抗議。


f:id:fookpaktsuen:20210702060923j:image

f:id:fookpaktsuen:20210702060919j:image

この中年漢は反政府思想に染まり暴紙・蘋果日報の黒暴果敢記事を熱心にスクラップするほどで感化された挙句の許されない反社会行為……となる。

この中年漢(梁健輝)は維他奶(Vitasoy)といふ大手飲料メーカー社員だつたさうで維他奶は社内通告で「向健輝的家人致以最深切的慰問」としたところ中国で(香港ではないところがミソ)この維他奶批判がたちまち生じて維他奶の内地代理店までが業務停止を発表。維他奶は慌てゝ「集團全力支持香港當局根據國安法對案件進行全面調查」「維他奶集團及在中國內地運營的維他奶有限公司均致力於支持中國內地和香港的穩定、繁榮和發展」と発表。いくら暴挙とはいへ社員の遺族に内々に会社が哀悼の意表しただけで、この瞬く間のアンチ雷同がじつに素晴らしい。

本日農暦五月廿三日。半夏生。こゝ数日やつと梅雨らしい雨空と湿つた曇天続く。今日も雨だが千葉では大雨洪水警報が出るほど大雨*1なのに水府は降っても日に20数㎜程度の雨。不安定な天気だと天気予報もアテにならない。「梅雨どきの身体が欲してゐるのか、無性に鮒鮓が食べたくなつた」と久が原T君が呟板してゐて、それを読んだら何だかこの季節、滋養のためにこれを食べないと身体が夏までもたない気がしてT君と同じ近江の「魚治」に注文。
f:id:fookpaktsuen:20210703110422j:image京都伏見の宝酒造宝焼酎缶チューハイでばかり飲んでゐて、どこにでも売つてゐる、この「宝焼酎」といふのは飲んだことがなかつた。接骨院で眺めてゐた週刊新潮だかに宝焼酎の評判が載つてゐて試しにコンビニで買つて飲んでみる。原料がサトウキビ糖蜜にトウモロコシと大麦だといふが、やはり甲類焼酎でチューハイとかサワーにするものだらう。無味でこれだけ飲んでゐたら妬きが回りさうな気が。だがチューハイやサワーが普及する前から甲類焼酎はあつたわけで数口飲んで慣れてきたら独特の甘みが感じられた。

先月末からアタマが香港の71と中共結党百年になつてしまつたが少しは本も読んでゐた。

ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義 (ちくま新書)

田中克彦ことばは国家を超える ―日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義筑摩書房

克彦先生も齢八十七ださうだが健筆で、これからもツラン主義など研究意欲旺盛。アタシにとつては栄光の80年代のプロローグのやうな『ことばと国家岩波新書(黄版)網野善彦とか山口昌男とか磯崎新とか、思想はこんなに自由でよいのだといふ水平線までを教へてくれたやうな先生で当時はまだ40代後半だつたとは。

江戸の夕栄 (中公文庫BIBLIO)

鹿島萬兵衛『江戸の夕栄』中公文庫

嘉永3(1849)年に日本橋堀江町(現在は小舟町に編入)生まれの浦舟先生(高砂屋)の江戸から明治の東京についての覚書。辻番とか言葉だけ知つてゐても、それがいつたい何ういふ風に作用してゐたのかとか芝居小屋、相撲などの仕切りからじつに勉強になる。能を初めてみたのは「十三、四歳の頃で銀座西仲通の、俗に観世新道にあつた観世家で」なんて下りだけでぞくぞくしてしまふ。勿論、「観世新道にあつた観世家」ぢゃなくて観世家があつたから観世新道(かんぜじんみち)なのだらうが。銀座2丁目で現在のガス灯通り。間違つても銀座6のGINZA SIXではない。

戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

吉田満戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫

高校生くらゐから読まうと思つてゐてなぜかやつと今になつて。これほどの戦艦がもはや墓場に向かつて航海に出る覚悟。「コレガ俺ノ足ノ踏ム最後ノ祖国の土カ、フト思フ」といふ死ぬ覚悟。これで米軍をやつける、日本に勝機もたらすとは乗組員の誰も信じてゐないのに。無駄死に……ではないやう。自分たちの死が、負ければ新しい日本をつくる礎になるといふ達観。レジスタンスは滅相もない。それも軍国主義国家主義に騙されるやうな若者ではない。艦底の図書庫から借り出してハンモックで読むのはスピノサの伝記。あとがきを書いてゐる鶴見俊輔もジャワ島の酒保で購入したのが呉茂一譯『ギリシア・ローマ詞華集』で、それを海軍事務所の隅で読んでゐた、と。教養主義的であつてもやはり近代市民革命を経てゐない限界がこゝなのか。

それでも今どきの若者たちに希望を託すしかない。

▼ワクチン自治体への供給追いつかず予約各地で停止  「官邸で何でも決めて、さしたる根拠なく押しつけてくる。菅義偉首相の賭けに国民の命を犠牲にするわけにいかない。官邸、トップが機能していない」立憲民主党原口一博 https://t.co/jHxMihEOVW

この映像で見ると厚労相田村先生大丈夫だらうか。なんだかもう本人の裁量の臨界点を通り超した先にいつてしまつてゐないか。「目が泳ぐ」って表現をじつによく表してゐる。

*1:熱海伊豆山では翌3日に土石流災害あり

東京五輪まであと22日

f:id:fookpaktsuen:20210701065429p:plain
f:id:fookpaktsuen:20210701082024j:plain

陽暦七月朔日。香港返還記念で「デモの日」が中国共産党創設記念日であることが改めて認識された。香港では朝、湾仔会覧での国旗掲揚と祝賀会開催で梁“長毛”國雄君らが「奠」と記された棺を担ぎ会覧へ葬送行進をして警察に拒まれ(それでも逮捕はされず)さういへば長毛は立法会議員で来賓として入場して(入場できて)シュプレヒコールで会場からつまみ出されたこともあつた。そして午後は数十万人のデモ……とそれが七月一日であつた。それが今ではこれほど様相が変はるとは。林鄭市長は政治協商会議副主席の董建華、梁振英とともに北京の百年式典に列席で香港を離れ香港の祝賀は市長代理の李卡超(政務司長)が仕切り前科者の曽蔭権も今日は歴代市長代表で堂々の登壇。
f:id:fookpaktsuen:20210701175159j:image

蘋果日報停刊で香港の新聞全紙が香港祖国回帰と中共百年祝賀の全面広告で真っ赤になつた。もう暴れて世の中を乱す輩はゐない。

f:id:fookpaktsuen:20210701065625j:plain
f:id:fookpaktsuen:20210701211859j:plain

健康問題(脚痛)で行政長官辞職したのに余計に元気で「存在が迷惑」な董建華中共政治協商会議副主席)が大公報で若者に「欧米ばかり羨望せず中国の良さを目を向けてほしい」と説教。

过去香港的年轻人总是不自觉地「仰望」西方,对自己的民族文化、国家发展认识得不够透彻。 现在,我想借用习主席的话跟香港的年轻人说,中国已经可以「平视这个世界了」。年轻人应该抬起头来,看看祖国的锦绣河山、看看全面小康的历史成就,看看坚忍不拔的抗疫史诗,看看「天问一号」的火星照片,看看十四亿人平凡而动人的中国梦。

自らがリバプール大学卒で米国のゼネラルエレクトリックに10年勤務なのだが。家業の船会社の経営危機を中共系銀行に救済されて中共に頭上がらず中央政府名誉職与へられすつかり親中とはまるで節操がない。

香港はすつかり体制祝賀気分の装飾で警察のヴィクトリア公園と銅鑼湾警戒のすごさ。銅鑼湾では不許可のなか抗議活動強行図つた市民が警察に追はれ消費場所に押し入れられ警察が「黒暴」の検挙に挑んだところ黒色のTシャツ着てゐた少年が、この商業ビルにあるミニチュア玩具やに買ひ物に来ただけだつたのだが(上の画像右)警察は黒暴の一味だと思つてこの少年を壁際に押し付けて身柄拘束……何といふ異常警戒よ(この少年は黒暴ではないことが現場で訴へられ拘束から解かれた)。

f:id:fookpaktsuen:20210701065632j:image

中三生黨慶觀升旗感興奮「共產黨行到今時今日唔容易」 | 立場新聞

就讀中三的洪同學讚嘆,中國並不是走共產主義,又不是走西方資本主義,「係一條好有特色嘅社會主義」,亦成功令中國在改革開放數十年後超越西方,「先會有咁幸福安定嘅生活」。對於回歸後的生活,她感到滿意,「我起碼仲一日食到三餐,有一個安定嘅環境居住」,即使社會有混亂,都能及時制止,令其生活不受打擾;又說「寧願做人哋殖民地,不如做返個正正常常嘅城市,交返由國家管,咁樣會更好」
f:id:fookpaktsuen:20210701203409j:plain
f:id:fookpaktsuen:20210701203412j:plain

キチガヒ化する社会での日々の生活で自分もアタマがおかしくなりさうななか、こんな発想に本当に心がほっとする。福岡伸一のドリトル的平衡(朝日新聞)

増える、呼吸する、成長する……生命の特徴を列記することはいくらでも可能だがなんとなくもどかしい。それは外から生命の性質を観察しているからである。もっと内側から生命を捉えようとすると、おのずと行き着く地点がある。それは、転がり落ちてしまう岩を、何度も山頂に運び上げるような、シーシュポスの神話のごとき営みを生命は繰り返しているということ。難しい言葉でいえば、エントロピー(乱雑さ)増大の法則に絶えず抗している存在であるということ。なぜ生命にはそれができるのか。私の答えはこうだ。無秩序の増大に先回りして積極的に自分を分解し、そのことによって生み出される時間的余裕を使って新しい秩序を再構築しているから。ゆえに、生命の最も核心的な特性は自己破壊ということになる。すると会場の小学生が手を挙げて質問してきた。「では、ウイルスは増える一方で、自分を壊せないから生命とはいえませんか?」。恐るべき鋭さである。「きみは全く正しい」

f:id:fookpaktsuen:20210701203906j:plain
f:id:fookpaktsuen:20210701203453j:plain

お昼に20分ほどでSUDOKUに加へKENKENの4x4と6x6も済ますことができた。

 黄昏に厨房とまりきハイボール

f:id:fookpaktsuen:20210701203438j:image

いくら気持ちは平静にあらうとも今日は中共の大騒ぎに圧倒されさう。

f:id:fookpaktsuen:20210702061535j:image

茨城新聞の連載「茨城近代化の父 飯村丈三郎の生涯」(6月24日号)読んでゐたら「第二公園」といふ名称が公的な文書にあることを知つた。水戸城三の丸にある公園は今は「弘道館公園」となつてゐるがアタシが子どものころは「第二公園」と呼んでゐた。きつと偕楽園が第一で、こちらが第二といふ地元の通称だと思つていたが……今、第二公園というとどこを指しているかわからない人の方が多い。 

f:id:fookpaktsuen:20210701203919j:image

東京五輪まであと23日


f:id:fookpaktsuen:20210630063104j:image

f:id:fookpaktsuen:20210630063101j:image

7月1日に結党100周年を迎える中国共産党は29日、党の最高栄誉賞として新設した「七一勲章」の授与式を北京の人民大会堂で開いた。習近平国家主席は「永遠に党を信じ党を愛さなければならない」と述べ、建国100年にあたる2049年に向け「強国」建設を進める考えを強調した。(朝日新聞

「永遠に党を信じ党を愛さなければならない」……あくまで党の行事ですから党外の者が唖然とする必要はないのかも。だがその党行事が人民大会堂で開かれてゐるのだから党政府の凄さ(自民党が党独自で設けた賞を国会議事堂で授与式はさすがに想像できない)。こんな党政府にとつて結党100年の大切な行事があつたといふのに大公報の1面は香港で71を前に暴徒がテロ活動企図し銃や火薬弾を準備といふ重大ニュース……あー、つまらない。とにかく暴徒が大好きな大公報。それを非難することで自らの正義性の誇張。ばかばかしい。社説は「香港の言論の自由は守られてゐるもので遵法であれば何も憂ふことなし」と。その法律がトンデモ法であることはここでは不問。世論調査で7割を超える市民が今は一国両制に信頼高まる、と。さらに「没有共产党就没有“新香港”」といふ論評には驚いた。当然これは「没有共产党就没有新中国」の捩り。マジに中共がなかつたら、こんな今までと違ふ香港なんてなかつた。さういふ意味では事実。

習近平の偶像化が止まらない。鄧小平は毛沢東の神格化で大変な目に遭つたので自己の偶像化はせず実務に徹して江沢民胡錦涛も優秀なテクノクラートだつたので、そんな興味もなかつた。では習近平がそんなことをするのは自分がさうしたいからか、といふと、そんなはずもなく日経の記事(下)の指摘にあるやうに中共に深刻なジレンマがあるからだらう。


f:id:fookpaktsuen:20210630064728j:image

f:id:fookpaktsuen:20210630064739j:image

ところで画像(右上)の特集記事には中共の歴代の指導者が並び、これを見れば毛沢東を最高位から「歴代の一人に均す」作業が行はれてゐるやうだが、よく見ると胡耀邦趙紫陽も並んでゐて、こんなものが中共で出るはずもなく、これは香港の明報(そのうち、かうしたレイアウトも叱られるのか)。

・威圧的言動で他国を挑発する背景に成長鈍化への危機感
・庶民の不満の高まりは政権の足元揺るがす兆候と映る
ナショナリズムを過度に鼓舞すれば制御不能になる恐れ

経済成長鈍化が見込まれるなか覇権国家化と国内治安の安定が必須。そのためには強大な権力を有する強い指導者が求められるわけで、それができるのが習近平たゞ一人(ロシアのプーチンもさうだが)。これまでは反日運動のやうなガス抜きもあつたが安易なナショナリズム鼓舞は「利口な」民草が五星紅旗を掲げて暴れるやうな事態招く。1989年の天安門では愛国的な若者たちの民主化要求を反革命暴乱とせざるを得なかつたのも、それ。本来「革命」は「従来の被支配階級が支配階級から国家権力を奪い社会組織を急激に変革すること」(広辞苑)だが中共にとつては「天命をうけた有徳者が暗君に代わって天子となること」(広辞苑)であつて、その有徳者(中共)による安寧を毀さうとするものは「反革命」のレッテルが貼られることは、かうして考へてみるとおかしなことではないかもしれない。香港もその「徳」を理解してゐない未開人と映る。

f:id:fookpaktsuen:20210630063118j:image

「不少朋友以「香港文革」形容現在的情况」と沈旭暉先生。

就像文革,要把中國社會一切軟文化、潛在體制連根拔起,然後政權做什麼,都不會再有抵抗力量,再然後又把那些已被摧毁的東西掏空靈魂地移植回來,成為舉國體制分配的cosplay。加上六四之後,中國正是先以最重的手段控制局面、產生震懾,然後以這一套發展經濟,壓過一切左左右右意識形態。新疆、西藏也好,上海、香港也好,這模式在中央政府眼中,非常有效。有了「實驗成果」,自然要應用在其他地方,不止是台灣,還要在全世界。這才是貨真價實的「人類命運共同體」。

大中華として香港を均して次は台湾、とそればかりではない。覇権国家としての完成されたシステムの輸出。

我們也必須知道,今天的中國政府和強調「不輸出中國模式」的江澤民、胡錦濤不同,似乎頗為相信要靠中國模式來拯救地球。香港的改造/奪舍,對中國而言,可以證明一切要證明的理論,然後坦然對西方說:民主浪費資源、導致社會內耗,假如全球都行舉國體制,然後「和平共處」,應付全球疫情、環保、科技,都暢順得多,這就是「人類命運共同體」。但既然對方「執迷不悟」,唯有先用經濟手段強行構成相互依賴,令西方權貴優先成為這個「共同體」的尊貴會員,通過「實踐是檢驗真理的唯一標準」,去服務同一套理論。今日中國外交的指導思想,無論手法是戰狼,還是熊貓,背後思維,都是這樣。

中共創設百年で李大釗と陳独秀の持ち上げが盛んなことはこの数日書いてきた通り。かつて路線対立(中共陳独秀に対してコミンテルンによる「右傾日和見主義」評価を踏襲)と毛沢東の地位確立で初代総書記ながら扱ひと評価の小さかつた陳独秀が突然、墓場から掘り起こされた感あり。それも百年後の中共を救ふためで習近平の地位絶対化に必要な毛沢東の相対化、均しのためとは。日本の中国大使も李大釗と陳独秀が学んだ早稲田大学を訪問。その呟板で陳独秀の名前が「陳徳秀」になつてゐる中国大使館痛恨の誤記。東京の中国大使館関係者でもミスに気づかないとは、それくらゐマイナーな存在だつた証左。

f:id:fookpaktsuen:20210701091531j:plain

この呟板は陳独秀の名前が訂正されるまでもなく削除されてしまつた。


f:id:fookpaktsuen:20210701121810j:image

f:id:fookpaktsuen:20210701121807j:image

今日の日剩は中共のことばかり綴つてゐたので(それとは直接関係ないのだが)夕飯も中華。台湾拉麺と天津飯のセットメニューで720円。台湾拉麺は台湾になく天津飯も天津人が見たら驚く不思議な中華。昨日の新型古呂奈種痘は筋肉注射で流感の種痘と同じやうな腕の怠さと鈍痛は今日も残つたが、それだけ、といへばそれだけ。思考回路も今のところまでこれ以上おかしくなつてはゐない。この種痘接種が中国では懸賞つきとか米国ではマクドナルドでも接種可とかやつてゐるのに日本だけ何故にこんなに大騒ぎするばかりで種痘がゆきわたらないのか。

東京五輪まであと24日


f:id:fookpaktsuen:20210629062421j:image

f:id:fookpaktsuen:20210629062417j:image

宿敵の蘋果日報が潰されても、まだ怨念がましく蘋果日報で解雇の職員に給与、補償金を支給できずと罵り報道の大公報。資金凍結したのは誰なのか。それでも大公報は黎智英には隠し資産あり、被雇用者だけが悲惨な思ひ……と。国安法施行から1年で大公報の社説は「國安法實施一年 香港變得更好」自画自賛。それにしても国安法は「善法」で個人の権利や自由、安寧の「守護神」とまで言ひ放つとは。

一年來的事實說明,國安法絕非外部勢力所抹黑的「惡法」,而是「善法」。針對的只是分裂國家、顛覆國家政權,以及外國和境外勢力干預香港特區事務的行為和活動,針對的是「港獨」、「黑暴」勢力,港人的權力不僅沒有受到削弱,反而得到更大的維護。對於那些危害國家安全的極少數人來說,國安法是高懸的利劍;對於絕大多數香港居民包括在港外國人來說,這部法律是保障其權利自由和安寧生活的「守護神」。

BNOの身分で英国に移民の民主派だつた若者が「英国では三等国民扱ひで香港に戻りたい」(後悔莫及/BNO移英一殼淚「黃絲」我想返港)とか英国居住47年の医者が疫禍続き差別悪化(居英47年醫生:英國疫下歧視惡化)とか。中国政府としては反米で香港に関しては反英と目的分担がきちんとしてゐる。 


f:id:fookpaktsuen:20210629232820j:image

f:id:fookpaktsuen:20210629232824j:image

明後日の71は香港では「大型デモの日」であつたが昨年は防疫を理由に不許可となり、この日に国安法施行でデモ強行のなか10名だかが何らかの罪で身柄拘束された。今年も防疫を理由にした不許可で警察は先日の六四なみの警戒と明報。一コマ漫画は収監中の民主派に看守が「あんたが申請した71デモの開催許可(警察の出す不反対通知)が出たよ、ここでどうにでもどうぞ」と。この漫画とて国安法にイヤミでかなりぎりぎりだらう。

中共發布「百年大事記」 稱八九民運「反革命暴亂」 - 明報

中共結党百年で公式な『百年大事記』発行された由。1989年の天安門事件につき制圧後の6月9日、鄧小平が首都戒厳部隊幹部引見での発言「北京發生的政治風波是國際的大氣候和中國自己的小氣候所決定的,強調黨的十一屆三中全會以來制定的基本路線、方針、政策和發展戰略是正確的,要堅定不移地幹下去」引用して、あの民衆運動を「反革命暴乱」と改めて定義。10万字に及ぶさうな、この公式な党史書習近平執政のこの9年の記述が全体の3分の1を占め、全体で習近平に言及は184回で毛沢東主席の138回を大きく上回るといふ。鄧小平でさへ77回で江沢民胡錦涛はそれぞれ40回と32回。どれだけ習近平重視か。ちなみに10年前の90周年史では毛150、鄧83、江57に胡60だつたさう。公式記録や党紙など読んでゐてつまらないがソ連中共北朝鮮研究ではその限られたリソースの中から物語を見つけなければいけない。

全面記述以毛澤東同志為核心的黨的第一代中央領導集體、以鄧小平同志為核心的黨的第二代中央領導集體、以江澤民同志為核心的黨的第三代中央領導集體、以胡錦濤同志為總書記的黨中央、以習近平同志為核心的黨中央……的「光輝歷程」

はい、この引用文(明報記事)から何か分析しなさい。(以下、明報の記事の受け売りだが)これまで思想としての毛沢東主義(第一世代)、実践の経営としての鄧小平理論(第二世代)に対して江沢民は「三個代表」提唱(第三世代)で(これが中国の重要な方向性とまでは思へないが)それぞれ「……を核心とした」とされてゐるが胡錦涛は「胡錦涛同志を総書記とした党中央」と集団体制ぶりが協調され、それが習近平になると「……を核心とした」となる。すでに習近平を(第四世代としてか)毛、鄧と江に続く位置づけとしてゆくこと。しかし更に次の文章を見ると

創立了毛澤東思想、鄧小平理論,形成了『三個代表』重要思想、科學發展觀,創立了新時代中國特色社會主義思想,指導黨和人民事業不斷開創新局……

毛沢東思想と鄧小平理論は「創立」(つまり無から何かを生むこと)とされてゐるが江沢民の「三個代表」はその見方を「形成」で扱ひが一つ低く江、胡を下げて習近平が毛、鄧に次ぐ偉大なる領袖に、が目論見か。また今回の百年で興味深いのは政治局の事前学習会で参観したのが北京大学紅樓で(これまで毛沢東以前の右派として扱ひが小さかつた)結党時の陳獨秀、李大釗にスポットライト当てられてゐること。百年党慶で揉毛主席記念堂の参観もなく、これも陳、李を引き上げることで相対的に毛沢東の偉大さを「均す」狙ひと推測できなくはない。……中共分析は面白い。少なくとも麻生と二階堂の犬猿なんて自民党を眺めてゐるよりずつと愉快。

香港での蘋果日報停刊やメディア封殺の動きについて紐育時報が満を持したかのやうに長文の記事を発表。2014年6月に中共が発表した「“一国两制”在香港特别行政区的实践」といふ白書から記事は始まつてゐる。今になつて思へば確かにあの白書が習近平の強硬姿勢を明確に提示してゐる。この日剩でも

一国両制よりも露骨に国家主権、北京中央の管制をば露骨に強調。これで中央に対する反発高まり6.22の市民投票も佔領中環などの過激な動きに勢ひつくのは必至。もはや和諧も何もなし。たゞ対立と齟齬あるのみ。(富柏村日剩2014年6月11日

とそれからの混乱を憂ひてゐた。この紐育時報の記事のいふ通り胡錦涛の煮え切らない姿勢のあと、それを継承せず強硬策に出たことは当時は疑問視もされたが今となつては結果論だが、それに呼応する形で香港の民主化運動は高揚して運動も実力行使に出たことで(昨日こゝにリンクさせた李怡先生の分析もそれを指摘してゐるが)暴力行為化した運動を鎮圧することで一切を平定するといふ成功が導かれたわけで習近平の強硬政策が「正しかつた」といふことになる。

コロナ下の五輪は改めて菅政権の不公正さを浮き彫りにしました。感染症対策として、子供たちの運動会や遠足の中止が相次ぎ、飲食店も規制される一方、政府は五輪開催のためならば大会関係者らの入国制限を大幅に緩和しました。国民の間では「五輪は特別なのか」と不満が高まっています。

最近の菅首相の五輪を巡る矛盾した言動が象徴的です。国会では「開催の決定権は国際オリンピック委員会IOC)にある」「私自身は主催者ではない」などと述べてきましたが、英国での主要7カ国首脳会議(G7サミット)では各国首脳から開催の「支持」を取り付けました。
首相の「決定権」を巡る発言は手続き的にはそうなのかもしれませんが、疑問が残ります。パンデミック(世界的大流行)の下で五輪を開催する、しないというのは国家主権に関わる話。開催国の政府が中止すべきだと判断すれば、民間団体に過ぎないIOCが開催できるはずがありません。首相の発言はむしろ開催ありきのレトリック(巧みな言い回し)と言えるでしょう。
しかし、政治にこのような「私物化」を許しているのは我々なのです。数々の困難が立ちはだかるいま、私たちに欠けているのは、それらを乗り越える知恵なのではなく、それらを自らに引き受けようとする精神態度である。真の困難は主権者たろうとする気概がないことにあるのです。

f:id:fookpaktsuen:20210630074334j:image

f:id:fookpaktsuen:20210630074331j:image

茨城県庁の大規模接種会場で新型古呂奈の種痘接種受ける。個人的には新型古呂奈には多くの疑問あり右向け右で判断の余地なき種痘も何だか納得できぬ。しかしこの種痘歴がないと海外渡航も能はず、かりに陽性となつて高齢者に感染でもさせて何かあつたら、またどこかの組織で自分がワクチン接種なしで感染でも広めたら「そらみたことか」と罵声浴びて罪を背負つて生きてゆくことになるのは確かで(ワクチン接種始まるまでとは状況が異なる)、それよか何だかわからないワクチンをドーピングして、それで感染したら「種痘がやはりおかしかつた」と開き直れるかもしれない……なんて非積極的、思考のかけらもない種痘接種。ネット上で今日だけ大型接種会場での受入れが空いてゐたのは、こちらはモデルナ謹製で供給に余裕があると思はれる日を開ければ、そこに予約集中が見越されたから。晩7時半の予約で10分前には会場入りで予め記入した問診票をもとに医者のかなり簡単な問診経て種痘注射まで数分で済む。その後15分経過観察で待たされたが、そこが6x12で72席だか(さらに市松配置かで席数減となつてゐる)のエリアに5つのブースから3分毎に注射済んだ人が出てくるから、この待機場所が密になり椅子席が確保できなくなるので注射のペースを遅らせるやうな調整がなされてゐた。結局、待ち時間も含め20分余で済んでしまつた。折角この機会に読まうと思つて吉田満戦艦大和ノ最後』を携へてゐたのに読むひまもなし。コノ本ヲ選ンダノハ生キテ帰ルコトナキ覚悟デ「コロナ」トノ戦ヒニ出征セムガ心地ユヱ。「心配される」副反応もなく(当然だらう)、通常のインフルエンザの予防接種のやうな二の腕の軽いだるさと鈍痛だけ。「今晩はアルコールを控えてください」で珍しく休肝日となる。

f:id:fookpaktsuen:20210630074630j:image