富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと21日

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もういちいち文字にする必要もないだらう、中共結党百年祝賀。 

中国人民也绝不允许任何外来势力欺负、压迫、奴役我们,谁妄想这样干,必将在14亿多中国人民用血肉筑成的钢铁长城面前碰得头破血流!

中国共产党将继续同一切爱好和平的国家和人民一道,弘扬和平、发展、公平、正义、民主、自由的全人类共同价值,坚持合作、不搞对抗,坚持开放、不搞封闭,坚持互利共赢、不搞零和博弈,反对霸权主义和强权政治,推动历史车轮向着光明的目标前进!

もう勝手にやつてください、である。

国をひらいて「理解してもらう」のではなく宣伝工作により「理解させる」意識がのぞく。当然、国際社会が中国人の「物語」を共有するのは難しい。「中国脅威論」は古くて新しいテーマだ。急速な経済成長が引き起こした懸念には2001年、世界貿易機関WTO)への加盟で理解を広げた。だが、国際社会へ歩み寄ったかつての面影はない。「中国の革命の成就は世界の支持と切り離せない」。中国憲法前文の一文は、むなしさを漂わせている。(朝日新聞の記事こちら

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香港では7月1日は「デモの日」で2003年は行政長官失脚の契機となり2019年は抗議デモのあと勇武派が警察に誘導され?立法会突入して議事堂破壊の狼藉働いたわけだが昨日は銅鑼湾で数十名が間接的にでも抗議活動企図したものゝ警察が制圧。林鄭市長は北京での中共の催事に招かれ天安門でパレード見物でスマホで解放軍のパレード撮影も楽しさう。梁“党員”振英も天安門から眼下に広場を眺め感慨深し(マスクしろよ)。香港は今日を平静なまゝに終はらせてはいけないと神の見えざる手が動いたか一人の中年漢が警備警戒中の警官を背後からナイフで刺して自らも胸を刺して死亡(右下画像、明報)。「かういふ黒暴がゐるから」と待つてましたといはむばかりに市役所と警察は「徹底した制圧が必要」と鼻息荒く意気込む。一昨年の71立法会突入や721中連弁国徽汚辱と同じでシナリオでもあるかのやうに暴徒の暴挙で世の中はそれに対処するために「是正」される。リンテイも北京から戻るなり深夜に負傷した警官見舞ひ黒暴の暴力に抗議。


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この中年漢は反政府思想に染まり暴紙・蘋果日報の黒暴果敢記事を熱心にスクラップするほどで感化された挙句の許されない反社会行為……となる。

この中年漢(梁健輝)は維他奶(Vitasoy)といふ大手飲料メーカー社員だつたさうで維他奶は社内通告で「向健輝的家人致以最深切的慰問」としたところ中国で(香港ではないところがミソ)この維他奶批判がたちまち生じて維他奶の内地代理店までが業務停止を発表。維他奶は慌てゝ「集團全力支持香港當局根據國安法對案件進行全面調查」「維他奶集團及在中國內地運營的維他奶有限公司均致力於支持中國內地和香港的穩定、繁榮和發展」と発表。いくら暴挙とはいへ社員の遺族に内々に会社が哀悼の意表しただけで、この瞬く間のアンチ雷同がじつに素晴らしい。

本日農暦五月廿三日。半夏生。こゝ数日やつと梅雨らしい雨空と湿つた曇天続く。今日も雨だが千葉では大雨洪水警報が出るほど大雨*1なのに水府は降っても日に20数㎜程度の雨。不安定な天気だと天気予報もアテにならない。「梅雨どきの身体が欲してゐるのか、無性に鮒鮓が食べたくなつた」と久が原T君が呟板してゐて、それを読んだら何だかこの季節、滋養のためにこれを食べないと身体が夏までもたない気がしてT君と同じ近江の「魚治」に注文。
f:id:fookpaktsuen:20210703110422j:image京都伏見の宝酒造宝焼酎缶チューハイでばかり飲んでゐて、どこにでも売つてゐる、この「宝焼酎」といふのは飲んだことがなかつた。接骨院で眺めてゐた週刊新潮だかに宝焼酎の評判が載つてゐて試しにコンビニで買つて飲んでみる。原料がサトウキビ糖蜜にトウモロコシと大麦だといふが、やはり甲類焼酎でチューハイとかサワーにするものだらう。無味でこれだけ飲んでゐたら妬きが回りさうな気が。だがチューハイやサワーが普及する前から甲類焼酎はあつたわけで数口飲んで慣れてきたら独特の甘みが感じられた。

先月末からアタマが香港の71と中共結党百年になつてしまつたが少しは本も読んでゐた。

ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義 (ちくま新書)

田中克彦ことばは国家を超える ―日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義筑摩書房

克彦先生も齢八十七ださうだが健筆で、これからもツラン主義など研究意欲旺盛。アタシにとつては栄光の80年代のプロローグのやうな『ことばと国家岩波新書(黄版)網野善彦とか山口昌男とか磯崎新とか、思想はこんなに自由でよいのだといふ水平線までを教へてくれたやうな先生で当時はまだ40代後半だつたとは。

江戸の夕栄 (中公文庫BIBLIO)

鹿島萬兵衛『江戸の夕栄』中公文庫

嘉永3(1849)年に日本橋堀江町(現在は小舟町に編入)生まれの浦舟先生(高砂屋)の江戸から明治の東京についての覚書。辻番とか言葉だけ知つてゐても、それがいつたい何ういふ風に作用してゐたのかとか芝居小屋、相撲などの仕切りからじつに勉強になる。能を初めてみたのは「十三、四歳の頃で銀座西仲通の、俗に観世新道にあつた観世家で」なんて下りだけでぞくぞくしてしまふ。勿論、「観世新道にあつた観世家」ぢゃなくて観世家があつたから観世新道(かんぜじんみち)なのだらうが。銀座2丁目で現在のガス灯通り。間違つても銀座6のGINZA SIXではない。

戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

吉田満戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫

高校生くらゐから読まうと思つてゐてなぜかやつと今になつて。これほどの戦艦がもはや墓場に向かつて航海に出る覚悟。「コレガ俺ノ足ノ踏ム最後ノ祖国の土カ、フト思フ」といふ死ぬ覚悟。これで米軍をやつける、日本に勝機もたらすとは乗組員の誰も信じてゐないのに。無駄死に……ではないやう。自分たちの死が、負ければ新しい日本をつくる礎になるといふ達観。レジスタンスは滅相もない。それも軍国主義国家主義に騙されるやうな若者ではない。艦底の図書庫から借り出してハンモックで読むのはスピノサの伝記。あとがきを書いてゐる鶴見俊輔もジャワ島の酒保で購入したのが呉茂一譯『ギリシア・ローマ詞華集』で、それを海軍事務所の隅で読んでゐた、と。教養主義的であつてもやはり近代市民革命を経てゐない限界がこゝなのか。

それでも今どきの若者たちに希望を託すしかない。

▼ワクチン自治体への供給追いつかず予約各地で停止  「官邸で何でも決めて、さしたる根拠なく押しつけてくる。菅義偉首相の賭けに国民の命を犠牲にするわけにいかない。官邸、トップが機能していない」立憲民主党原口一博 https://t.co/jHxMihEOVW

この映像で見ると厚労相田村先生大丈夫だらうか。なんだかもう本人の裁量の臨界点を通り超した先にいつてしまつてゐないか。「目が泳ぐ」って表現をじつによく表してゐる。

*1:熱海伊豆山では翌3日に土石流災害あり