富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと23日


f:id:fookpaktsuen:20210630063104j:image

f:id:fookpaktsuen:20210630063101j:image

7月1日に結党100周年を迎える中国共産党は29日、党の最高栄誉賞として新設した「七一勲章」の授与式を北京の人民大会堂で開いた。習近平国家主席は「永遠に党を信じ党を愛さなければならない」と述べ、建国100年にあたる2049年に向け「強国」建設を進める考えを強調した。(朝日新聞

「永遠に党を信じ党を愛さなければならない」……あくまで党の行事ですから党外の者が唖然とする必要はないのかも。だがその党行事が人民大会堂で開かれてゐるのだから党政府の凄さ(自民党が党独自で設けた賞を国会議事堂で授与式はさすがに想像できない)。こんな党政府にとつて結党100年の大切な行事があつたといふのに大公報の1面は香港で71を前に暴徒がテロ活動企図し銃や火薬弾を準備といふ重大ニュース……あー、つまらない。とにかく暴徒が大好きな大公報。それを非難することで自らの正義性の誇張。ばかばかしい。社説は「香港の言論の自由は守られてゐるもので遵法であれば何も憂ふことなし」と。その法律がトンデモ法であることはここでは不問。世論調査で7割を超える市民が今は一国両制に信頼高まる、と。さらに「没有共产党就没有“新香港”」といふ論評には驚いた。当然これは「没有共产党就没有新中国」の捩り。マジに中共がなかつたら、こんな今までと違ふ香港なんてなかつた。さういふ意味では事実。

習近平の偶像化が止まらない。鄧小平は毛沢東の神格化で大変な目に遭つたので自己の偶像化はせず実務に徹して江沢民胡錦涛も優秀なテクノクラートだつたので、そんな興味もなかつた。では習近平がそんなことをするのは自分がさうしたいからか、といふと、そんなはずもなく日経の記事(下)の指摘にあるやうに中共に深刻なジレンマがあるからだらう。


f:id:fookpaktsuen:20210630064728j:image

f:id:fookpaktsuen:20210630064739j:image

ところで画像(右上)の特集記事には中共の歴代の指導者が並び、これを見れば毛沢東を最高位から「歴代の一人に均す」作業が行はれてゐるやうだが、よく見ると胡耀邦趙紫陽も並んでゐて、こんなものが中共で出るはずもなく、これは香港の明報(そのうち、かうしたレイアウトも叱られるのか)。

・威圧的言動で他国を挑発する背景に成長鈍化への危機感
・庶民の不満の高まりは政権の足元揺るがす兆候と映る
ナショナリズムを過度に鼓舞すれば制御不能になる恐れ

経済成長鈍化が見込まれるなか覇権国家化と国内治安の安定が必須。そのためには強大な権力を有する強い指導者が求められるわけで、それができるのが習近平たゞ一人(ロシアのプーチンもさうだが)。これまでは反日運動のやうなガス抜きもあつたが安易なナショナリズム鼓舞は「利口な」民草が五星紅旗を掲げて暴れるやうな事態招く。1989年の天安門では愛国的な若者たちの民主化要求を反革命暴乱とせざるを得なかつたのも、それ。本来「革命」は「従来の被支配階級が支配階級から国家権力を奪い社会組織を急激に変革すること」(広辞苑)だが中共にとつては「天命をうけた有徳者が暗君に代わって天子となること」(広辞苑)であつて、その有徳者(中共)による安寧を毀さうとするものは「反革命」のレッテルが貼られることは、かうして考へてみるとおかしなことではないかもしれない。香港もその「徳」を理解してゐない未開人と映る。

f:id:fookpaktsuen:20210630063118j:image

「不少朋友以「香港文革」形容現在的情况」と沈旭暉先生。

就像文革,要把中國社會一切軟文化、潛在體制連根拔起,然後政權做什麼,都不會再有抵抗力量,再然後又把那些已被摧毁的東西掏空靈魂地移植回來,成為舉國體制分配的cosplay。加上六四之後,中國正是先以最重的手段控制局面、產生震懾,然後以這一套發展經濟,壓過一切左左右右意識形態。新疆、西藏也好,上海、香港也好,這模式在中央政府眼中,非常有效。有了「實驗成果」,自然要應用在其他地方,不止是台灣,還要在全世界。這才是貨真價實的「人類命運共同體」。

大中華として香港を均して次は台湾、とそればかりではない。覇権国家としての完成されたシステムの輸出。

我們也必須知道,今天的中國政府和強調「不輸出中國模式」的江澤民、胡錦濤不同,似乎頗為相信要靠中國模式來拯救地球。香港的改造/奪舍,對中國而言,可以證明一切要證明的理論,然後坦然對西方說:民主浪費資源、導致社會內耗,假如全球都行舉國體制,然後「和平共處」,應付全球疫情、環保、科技,都暢順得多,這就是「人類命運共同體」。但既然對方「執迷不悟」,唯有先用經濟手段強行構成相互依賴,令西方權貴優先成為這個「共同體」的尊貴會員,通過「實踐是檢驗真理的唯一標準」,去服務同一套理論。今日中國外交的指導思想,無論手法是戰狼,還是熊貓,背後思維,都是這樣。

中共創設百年で李大釗と陳独秀の持ち上げが盛んなことはこの数日書いてきた通り。かつて路線対立(中共陳独秀に対してコミンテルンによる「右傾日和見主義」評価を踏襲)と毛沢東の地位確立で初代総書記ながら扱ひと評価の小さかつた陳独秀が突然、墓場から掘り起こされた感あり。それも百年後の中共を救ふためで習近平の地位絶対化に必要な毛沢東の相対化、均しのためとは。日本の中国大使も李大釗と陳独秀が学んだ早稲田大学を訪問。その呟板で陳独秀の名前が「陳徳秀」になつてゐる中国大使館痛恨の誤記。東京の中国大使館関係者でもミスに気づかないとは、それくらゐマイナーな存在だつた証左。

f:id:fookpaktsuen:20210701091531j:plain

この呟板は陳独秀の名前が訂正されるまでもなく削除されてしまつた。


f:id:fookpaktsuen:20210701121810j:image

f:id:fookpaktsuen:20210701121807j:image

今日の日剩は中共のことばかり綴つてゐたので(それとは直接関係ないのだが)夕飯も中華。台湾拉麺と天津飯のセットメニューで720円。台湾拉麺は台湾になく天津飯も天津人が見たら驚く不思議な中華。昨日の新型古呂奈種痘は筋肉注射で流感の種痘と同じやうな腕の怠さと鈍痛は今日も残つたが、それだけ、といへばそれだけ。思考回路も今のところまでこれ以上おかしくなつてはゐない。この種痘接種が中国では懸賞つきとか米国ではマクドナルドでも接種可とかやつてゐるのに日本だけ何故にこんなに大騒ぎするばかりで種痘がゆきわたらないのか。