富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと24日


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宿敵の蘋果日報が潰されても、まだ怨念がましく蘋果日報で解雇の職員に給与、補償金を支給できずと罵り報道の大公報。資金凍結したのは誰なのか。それでも大公報は黎智英には隠し資産あり、被雇用者だけが悲惨な思ひ……と。国安法施行から1年で大公報の社説は「國安法實施一年 香港變得更好」自画自賛。それにしても国安法は「善法」で個人の権利や自由、安寧の「守護神」とまで言ひ放つとは。

一年來的事實說明,國安法絕非外部勢力所抹黑的「惡法」,而是「善法」。針對的只是分裂國家、顛覆國家政權,以及外國和境外勢力干預香港特區事務的行為和活動,針對的是「港獨」、「黑暴」勢力,港人的權力不僅沒有受到削弱,反而得到更大的維護。對於那些危害國家安全的極少數人來說,國安法是高懸的利劍;對於絕大多數香港居民包括在港外國人來說,這部法律是保障其權利自由和安寧生活的「守護神」。

BNOの身分で英国に移民の民主派だつた若者が「英国では三等国民扱ひで香港に戻りたい」(後悔莫及/BNO移英一殼淚「黃絲」我想返港)とか英国居住47年の医者が疫禍続き差別悪化(居英47年醫生:英國疫下歧視惡化)とか。中国政府としては反米で香港に関しては反英と目的分担がきちんとしてゐる。 


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明後日の71は香港では「大型デモの日」であつたが昨年は防疫を理由に不許可となり、この日に国安法施行でデモ強行のなか10名だかが何らかの罪で身柄拘束された。今年も防疫を理由にした不許可で警察は先日の六四なみの警戒と明報。一コマ漫画は収監中の民主派に看守が「あんたが申請した71デモの開催許可(警察の出す不反対通知)が出たよ、ここでどうにでもどうぞ」と。この漫画とて国安法にイヤミでかなりぎりぎりだらう。

中共發布「百年大事記」 稱八九民運「反革命暴亂」 - 明報

中共結党百年で公式な『百年大事記』発行された由。1989年の天安門事件につき制圧後の6月9日、鄧小平が首都戒厳部隊幹部引見での発言「北京發生的政治風波是國際的大氣候和中國自己的小氣候所決定的,強調黨的十一屆三中全會以來制定的基本路線、方針、政策和發展戰略是正確的,要堅定不移地幹下去」引用して、あの民衆運動を「反革命暴乱」と改めて定義。10万字に及ぶさうな、この公式な党史書習近平執政のこの9年の記述が全体の3分の1を占め、全体で習近平に言及は184回で毛沢東主席の138回を大きく上回るといふ。鄧小平でさへ77回で江沢民胡錦涛はそれぞれ40回と32回。どれだけ習近平重視か。ちなみに10年前の90周年史では毛150、鄧83、江57に胡60だつたさう。公式記録や党紙など読んでゐてつまらないがソ連中共北朝鮮研究ではその限られたリソースの中から物語を見つけなければいけない。

全面記述以毛澤東同志為核心的黨的第一代中央領導集體、以鄧小平同志為核心的黨的第二代中央領導集體、以江澤民同志為核心的黨的第三代中央領導集體、以胡錦濤同志為總書記的黨中央、以習近平同志為核心的黨中央……的「光輝歷程」

はい、この引用文(明報記事)から何か分析しなさい。(以下、明報の記事の受け売りだが)これまで思想としての毛沢東主義(第一世代)、実践の経営としての鄧小平理論(第二世代)に対して江沢民は「三個代表」提唱(第三世代)で(これが中国の重要な方向性とまでは思へないが)それぞれ「……を核心とした」とされてゐるが胡錦涛は「胡錦涛同志を総書記とした党中央」と集団体制ぶりが協調され、それが習近平になると「……を核心とした」となる。すでに習近平を(第四世代としてか)毛、鄧と江に続く位置づけとしてゆくこと。しかし更に次の文章を見ると

創立了毛澤東思想、鄧小平理論,形成了『三個代表』重要思想、科學發展觀,創立了新時代中國特色社會主義思想,指導黨和人民事業不斷開創新局……

毛沢東思想と鄧小平理論は「創立」(つまり無から何かを生むこと)とされてゐるが江沢民の「三個代表」はその見方を「形成」で扱ひが一つ低く江、胡を下げて習近平が毛、鄧に次ぐ偉大なる領袖に、が目論見か。また今回の百年で興味深いのは政治局の事前学習会で参観したのが北京大学紅樓で(これまで毛沢東以前の右派として扱ひが小さかつた)結党時の陳獨秀、李大釗にスポットライト当てられてゐること。百年党慶で揉毛主席記念堂の参観もなく、これも陳、李を引き上げることで相対的に毛沢東の偉大さを「均す」狙ひと推測できなくはない。……中共分析は面白い。少なくとも麻生と二階堂の犬猿なんて自民党を眺めてゐるよりずつと愉快。

香港での蘋果日報停刊やメディア封殺の動きについて紐育時報が満を持したかのやうに長文の記事を発表。2014年6月に中共が発表した「“一国两制”在香港特别行政区的实践」といふ白書から記事は始まつてゐる。今になつて思へば確かにあの白書が習近平の強硬姿勢を明確に提示してゐる。この日剩でも

一国両制よりも露骨に国家主権、北京中央の管制をば露骨に強調。これで中央に対する反発高まり6.22の市民投票も佔領中環などの過激な動きに勢ひつくのは必至。もはや和諧も何もなし。たゞ対立と齟齬あるのみ。(富柏村日剩2014年6月11日

とそれからの混乱を憂ひてゐた。この紐育時報の記事のいふ通り胡錦涛の煮え切らない姿勢のあと、それを継承せず強硬策に出たことは当時は疑問視もされたが今となつては結果論だが、それに呼応する形で香港の民主化運動は高揚して運動も実力行使に出たことで(昨日こゝにリンクさせた李怡先生の分析もそれを指摘してゐるが)暴力行為化した運動を鎮圧することで一切を平定するといふ成功が導かれたわけで習近平の強硬政策が「正しかつた」といふことになる。

コロナ下の五輪は改めて菅政権の不公正さを浮き彫りにしました。感染症対策として、子供たちの運動会や遠足の中止が相次ぎ、飲食店も規制される一方、政府は五輪開催のためならば大会関係者らの入国制限を大幅に緩和しました。国民の間では「五輪は特別なのか」と不満が高まっています。

最近の菅首相の五輪を巡る矛盾した言動が象徴的です。国会では「開催の決定権は国際オリンピック委員会IOC)にある」「私自身は主催者ではない」などと述べてきましたが、英国での主要7カ国首脳会議(G7サミット)では各国首脳から開催の「支持」を取り付けました。
首相の「決定権」を巡る発言は手続き的にはそうなのかもしれませんが、疑問が残ります。パンデミック(世界的大流行)の下で五輪を開催する、しないというのは国家主権に関わる話。開催国の政府が中止すべきだと判断すれば、民間団体に過ぎないIOCが開催できるはずがありません。首相の発言はむしろ開催ありきのレトリック(巧みな言い回し)と言えるでしょう。
しかし、政治にこのような「私物化」を許しているのは我々なのです。数々の困難が立ちはだかるいま、私たちに欠けているのは、それらを乗り越える知恵なのではなく、それらを自らに引き受けようとする精神態度である。真の困難は主権者たろうとする気概がないことにあるのです。

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茨城県庁の大規模接種会場で新型古呂奈の種痘接種受ける。個人的には新型古呂奈には多くの疑問あり右向け右で判断の余地なき種痘も何だか納得できぬ。しかしこの種痘歴がないと海外渡航も能はず、かりに陽性となつて高齢者に感染でもさせて何かあつたら、またどこかの組織で自分がワクチン接種なしで感染でも広めたら「そらみたことか」と罵声浴びて罪を背負つて生きてゆくことになるのは確かで(ワクチン接種始まるまでとは状況が異なる)、それよか何だかわからないワクチンをドーピングして、それで感染したら「種痘がやはりおかしかつた」と開き直れるかもしれない……なんて非積極的、思考のかけらもない種痘接種。ネット上で今日だけ大型接種会場での受入れが空いてゐたのは、こちらはモデルナ謹製で供給に余裕があると思はれる日を開ければ、そこに予約集中が見越されたから。晩7時半の予約で10分前には会場入りで予め記入した問診票をもとに医者のかなり簡単な問診経て種痘注射まで数分で済む。その後15分経過観察で待たされたが、そこが6x12で72席だか(さらに市松配置かで席数減となつてゐる)のエリアに5つのブースから3分毎に注射済んだ人が出てくるから、この待機場所が密になり椅子席が確保できなくなるので注射のペースを遅らせるやうな調整がなされてゐた。結局、待ち時間も含め20分余で済んでしまつた。折角この機会に読まうと思つて吉田満戦艦大和ノ最後』を携へてゐたのに読むひまもなし。コノ本ヲ選ンダノハ生キテ帰ルコトナキ覚悟デ「コロナ」トノ戦ヒニ出征セムガ心地ユヱ。「心配される」副反応もなく(当然だらう)、通常のインフルエンザの予防接種のやうな二の腕の軽いだるさと鈍痛だけ。「今晩はアルコールを控えてください」で珍しく休肝日となる。

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