富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと18日

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国安法施行1年で10万人余が離港で海外移住と明報。ざっとで総人口の1.4%だから大したことないが明らかな移住でなくとも海外に旅居の市民は更に多く、その多数が将来的に香港に戻る意思がないかもしれない。

【71刺警案】葉劉:單純獻花悼念未必違法 政府應了解背後深層原因 | 立場新聞

香港市役所と国安警察の強行な治安維持政策にレジーナ葉劉淑儀(元保安局長、行政会成員)が71警官傷害で自殺した加害者への「単純な献花追悼は必ずしも違法ではない、政府は背後にある深層の原因をきちんと探求すべき」とコメントの由。レジーナですらリベラルに思へてしまふ現状よ。彼女はこのやうな世論に理解ある姿勢を見せるのは当然のことながら(気に入らない)林鄭市長に対して今後も行政長官職への未練だらう。
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フェイクニュースを立法で規制はほんと必要だね」(明報)。テレビの画面には香港市役所の政務司長・李卡超が(71で警官刺して自殺した市民を)「追悼は煽動」(行為に当たる)と記者会見でコメント。それこそフェイクニュースだろ、といふ揶揄。いつまで、こんな一コマ漫画が紙面に載せられるのかしら。

▼都議選は共産党と立憲が善戦。都ファが厳しい状況で自公は過半数制しないといけなかつたが届かず。

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立憲と共産が候補者1本化した21選挙区のうち17選挙区で当選。1~3人区では約8割で候補者一本化。立憲の公認・推薦候補は7勝2敗で、しかもトップ当選の由。つまり共産党支持者が立憲に投票はきちんとしたもの。政治に現実的なのかも。立憲は連合が共産党アレルギーあり何とも。 

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茨城の美術界、大正末には横山大観、下村観山、木村武山に小川芋銭錚々たる面々(茨城美術会沿革)。
茨城新聞で連載中の飯村丈三郎の伝記で丈三郎が地元で美術振興図った目標の一つに「理屈ばかりで堅まった、殺風景極まる水戸人…茨城県人の頭を、もつと芸術的に転向せしめ、さうして緩和させる事」があつたと。堅物という点では、それはそれで良さもあるが、理屈が通らない「ごじゃっぺ」が一番困ったもの。

大河ドラマ「青天を衝け」第21回 を昨日、偶然見たが原市之進(尾上寛之)が渋沢栄一吉沢亮)に昭武公の巴里万博派遣に栄一に随行役打診する場面で「水戸といへば異人と見れば斬つてかゝる連中ばかりだ」といふセリフに、やはりドキリとする。茨城新聞文化欄連載中の「渋沢栄一・高松凌雲と水戸藩士たち」という連載(第6回、6月29日)に、この巴里万博使節団につき水戸藩士の「帯刀できず怒りの帰国」といふ記述あり。若き昭武公は巴里で好奇心旺盛、仏語学び仏語で日記綴るほどだつたが警護役として随行水戸藩士7名は過激な攘夷派で殿の西洋感化など断じて許すまじ、で他の随行団の面々が断髪し洋服を纏ひ靴を履くなか江戸の侍として頑固を通すが随行団のトップ(山見石見守)より帯刀不許可の命も出て、これに憤慨で途中帰国した(させられた)ほど。

(書評) 片山杜秀『尊皇攘夷 水戸学の四百年』:朝日新聞

正義の思想は往々にして過激化する。志を同じくしていた者たちが少しの考え方の違いから凄惨な内ゲバへと発展してゆく。幕末に攘夷を達成出来なかった日本は日清、日露、さらには太平洋戦争で攘夷を実現しようとして敗れ去る。そして今、また「嫌韓・嫌中」という新たな攘夷思想が勢いを増している。本書のエピローグを締めくくる一文は「青天を衝け」の慶喜のセリフ「尊皇攘夷か……まこと呪いの言葉になり果てた」と見事に呼応している。石飛徳樹(編集委員